文学作品での使用例
なお「数多」という言葉は、文学作品の中でも登場する語句です。以下では文学作品のなかから「数多」が使用されている文脈を、抜粋して紹介します。
・〜達の人たち、その昔は数多の旅客も〜これからさしかかって越えよう
〈泉鏡花『雪霊記事』より〉
・〜隅に雑木の森があって数多の墓が見える。
〈伊藤左千夫『野菊の墓』より〉
・〜に釘付けにせられて、数多の創から血を流しています。
〈著:オイレンベルクヘルベルト、訳:森鴎外『女の決闘』より〉
「数多」から連想される言葉は?
「数多」という言葉には、そこから連想される言葉がいくつかあります。例えば「絶対多数」「天文学的」「途方もなく」などです。「数多」の言い換え表現として使える言葉もあります。本章では「数多」から連想できる言葉として、上記3つの言葉について解説していきます。それぞれの言葉がどのようなニュアンスを持っているのかも含めて、チェックしてください。
絶対多数
「絶対多数」とは、名詞として用いられる言葉です。全体の中でも、圧倒的に多くの割合をしめる数のことを「絶対多数」と表現します。圧倒的多くの割合とは、一般的に一つの要素が過半数に及んだ際に用いられます。
天文学的(数)
「天文学的」もまた、数え切れないほど大きな数字を表現する際に、用いられる言葉です。天文学の分野で用いられるような、桁違いな数字から連想されています。一般的には「兆」や「京」といった数の単位よりも、さらに大きな数字を「天文学的数」と表現します。これらの数は、具体的に示すのが難しいため「天文学的」は使い勝手の良い表現といえるでしょう。
途方もなく
「途方もなく」とは、これからどのように行動すれば良いのか分からず、手段に迷っている様子を表した言葉です。関連した言葉には「途方に暮れる」というものがあります。
基本的には、道理に合わないことや、一般的な程度とはかけ離れている事柄について「途方もく」と表現するでしょう。「数多」のように数字がとんでもなく大きいといった意味でも使用されます。
「数多」を正しく読んで、使おう!
「数多(あまた)」という言葉について解説しました。数えきれないほど大きな数字を「数多」と表現します。「かなり」や「たくさん」といった表現に言い換えることもできますが、やや稚拙な印象を与えてしまうかもしれません。ビジネスシーンにおける文脈では「数多」を使用するのがおすすめです。本記事を参考にして「数多」を使いこなしてください。
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