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LIFESTYLE インタビュー

2024.01.19

アニメ『火狩りの王』第2シーズンEDテーマ『抱きしめて』をデジタルリリース! 坂本真綾さんインタビュー

 

1月14日(日)から放送・配信が始まり、注目を集めているWOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』第2シーズン。そのEDテーマを歌っている、坂本真綾さんにインタビュー! 同曲に抱く想い、そして一児の母として働く今の気持ちを伺いました。

NEWシングル『抱きしめて』をリリース! 坂本真綾さんにインタビュー

先日、NEWシングル『抱きしめて』をデジタルリリースしたアーティストの坂本真綾さんが、WEBDomaniに初登場! 

同曲は、現在放送中のWOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』第2シーズンのエンディングテーマとなっていますが、坂本さんは同アニメに声優としても参加しています。アーティスト、役者として広く活躍する坂本さんならではの仕事ぶりですが、実は昨年春に第一子を出産されたばかり。
WEBDomaniでは、NEWシングル『抱きしめて』について、そしてワーキングマザーとしての今についてお話しいただきました。

「あたたかな毛布でくるんであげるような、優しい温もりを感じさせる曲に」

——第1シーズンに続き、第2シーズンでもアニメ『火狩りの王』のエンディングテーマを担当されています。前曲『まだ遠くにいる』とリリースされたばかりの『抱きしめて』は、いずれも同じアニメに向けた曲ですが、雰囲気が大きく変化していて驚きました。

「第1シーズンのエンディングテーマ『まだ遠くにいる』は、アクションシーンに合いそうな曲ですよね。第2シーズンは、それとはガラッと違う雰囲気にしたいと監督からリクエストがあったんです。〝可愛い〟とか〝ほっこり〟とか…そんなイメージの曲にしてほしい、と」

——『火狩りの王』は、人類最終戦争後の世界で困難に立ち向かう子供たちの姿を描いた物語。〝可愛い〟や〝ほっこり〟は、作品からイメージする言葉とはまた異なるキーワードのように感じますよね。

「シリアスなお話の後に流れてくる曲に合うんだろうか…と、私もびっくりしました。でも作品を演じていくうちに、そのキーワードにつながるような場面がみえてきたんです。過酷な旅をしながらも、ときどき安心できる場所にたどりついて、子供たちが泥のように眠ったり、食べ物にがっついたりする。不安な夜、あたたかな毛布でくるんであげるような優しい温もりを感じさせる曲を目指そう、そう思って曲をつくっていきました。それが監督の言う〝可愛い〟や〝ほっこり〟になったらいいのかなって。現代の日本に生きる私たちにとっては、安心して過ごせる場所があること、自分の居場所に帰って眠れることは当たり前のようになっているけれど、世界には、争いのなかで明日も見えないまま眠る人たちがいるんですよね」

——あたたかな〝夜明け〟を感じさせる一曲でした。

「新しい朝がはじまることを、憂鬱に感じる日もあると思うんです。でも、昨日とはまた違う一日になるはずだから、瞼を開けてごらん、と。大江千里さんが書いてくださった、前向きな視線の歌詞がぴったりだなと感じました」

——曲のタイトルは『抱きしめて』。何を〝抱きしめて〟いると考えますか?

「このストレートなワードが大江さんから出てきたとき、パッと思い浮かんだのは『自分のことを誰かに抱きしめてほしい』という意味の〝抱きしめて〟だったんです。でも、何度も歌っていくうちに、どんな意味にも取れるのが面白いタイトルだな、と。なくしそうなものを必死に抱きしめている切実な様子にも、『あなたのことを抱きしめているよ、守っているよ』と安心させる温かな目線のようにも感じられる。聴いてくださる人、曲を聴いてくださるときの気持ちによって、受け止め方が変わるのが面白いなと思います」

「本当にやりたいことに集中するための〝いい力の抜き方〟がわかってきた」

——役者として、そして歌手としても25年以上活躍されている坂本さん。年を重ねてきて、〝働く〟ことへの意識はどう変化してきましたか?

「10代のころから、ずっと仕事中心に生きてきました。昔は『いつかこうなりたい』『いつかできるようになるだろう』と、未来に目標を定めて進んできたように感じるんですが、今はいい意味でもっと刹那的になっているというか…。年齢的なものもあるんでしょうか、『いつまでもこの仕事ができると思うなよ』と思っている自分がいるんです。『この曲が最後になるかもしれない』とか、『この役ができるのは今だけだ』とか。声優の仕事って、一度収録したら基本的に録り直すことがなくて、何十年後も、死んだ後も、今録った音声がそのまま世に残ってしまうんですよね。この一瞬を必死にやらなければいけない、瞬発力が必要な仕事をしているんだなと感じることが最近よくあって。『いつかじゃなく、今やる』と強く思うようになりました。仕事もひとつひとつ、そして瞬間ごとを懸命に楽しむことができるようになった気がします」

——「年齢的なものもあるかもしれない」と前置きをされてはいましたが、変化のターニングポイントはあったのでしょうか?

「徐々に変化してきたので明確なきっかけはないんですが、働く概念が変わったのは子供が生まれてからですね。優劣や優先順位がつけられない大事なものが増えたのに、自分の体は今までと同じでひとつしかない。やらなければいけないことが多くて、『これはできない』と手放すものが増えました。でも、そうして日々が濃縮されたことで『今できることを一生懸命やらなくちゃ!』と自然に気持ちが変わっていったのかもしれません」

——どんなものを手放していったんでしょうか? 手放すって、勇気が必要ですよね。

「手放したもの、いっぱいありますよ。まずは自分の時間とか?(笑)  本当はやりたいと思っていた仕事も、子育てと両立することが物理的に難しいものは諦めたりもしました。それまではずっと欲張りになんでもやってきたから、その変化には戸惑いましたね。『できないって言ったら、甘えてるって思われるかな』と不安になったり、『みんなうまく両立できているように見えるのに、どうして私だけできないんだろう』と落ち込んだり…。でも最近ようやく、『できないことは恥ずかしいことじゃない』と思えるようになりました。自分の力を過信しすぎず、人に任せたりしてもいい。これは甘えじゃなくて、本当にやりたいことに集中するための〝いい力の抜き方〟なんだって」

——そんな坂本さんの言葉に励まされるワーキングマザーの方が、たくさんいらっしゃると思います。

「いやいや(笑)。でも私も、子育てをしながら働いていらっしゃる方のインタビューをすごくよく読むようになりました。皆さんどうやって仕事と子育てを両立しているんだろう、どんなことを考えているんだろう…と気になって。でも、大体の方が『無理!』『大変!』とおっしゃっていて、『そうだよね!』って(笑)。自分ではできていない、と思っていても、周りからはできているように見えるんだな、とすごく励まされますよね」

——そうやって変化をしてきて、これからはどんな女性になっていくんでしょうか?

「毎日があっという間に過ぎ去っていくので、あまり先々のことを考えられない…というのが正直なところです(笑)。だけど、素敵だなと感じる先輩方は、力の抜き方がとても上手。自分のことをよく理解していて、立ち振る舞いもファッションも、自分の個性を魅力に変えていらっしゃるんですよね。必死に頑張らなきゃいけないこともたくさんあるけれど、力をうまく抜いて、余力を持っている大人になっていきたいなと思います」

「どうやったら、ああいうふうになれるんだろう?って。試行錯誤ですけど」とやわらかく笑う姿がとても印象的だった坂本さん。40代で〝手放す〟ことができた理由については、Oggi.jpにて公開中のインタビューでも語ってくださっています。

坂本真綾 NEWデジタルシングル『抱きしめて』配信中!

WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』第2シーズンエンディングテーマ
(WOWOWプライムにて毎週日曜午後11:00より放送・配信中)
アーティスト:坂本真綾
作詞・作曲:大江千里 編曲:河野 伸
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信。

 

坂本真綾

さかもと まあや/1980年3月31日生まれ、東京都出身。幼少期より劇団の子役として活動。主人公の声を担当した1996年放送のTVアニメ『天空のエスカフローネ』のオープニングテーマ『約束はいらない』で歌手デビュー。声優、舞台俳優、アーティスト、ラジオパーソナリティなど、幅広いフィールドで活躍し続けている。

 

<衣装>
ジャケット¥61,600・ベスト¥41,800・パンツ¥40,700(suzuki takayuki)

撮影/中川達也 スタイリスト/岩渕真希 ヘア&メイク/ナライユミ 構成/旧井菜月

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