「ファーストネーム」の意味をおさらい
「ファーストネーム」を日本語に訳すと「最初の名前」になりますが、姓名のどちらを指すのだろうと思うことはありませんか? 日本語の名前は「姓」が最初にきますが、ファーストネームが指すのは「名」のほう。何かしらの申請や手続きなどで記入する際、間違えないようにしたいですね。
名前は「姓」と「名」に分かれる
人の名前は、基本的に「姓」と「名」に分かれますよね。「姓」は名字(家の名前、ファミリーネーム)のこと。「名」はその人個人につけられた名前のことを指します。たとえば「青木花子」さんという人であれば、「姓」にあたるのが青木、「名」にあたるのが花子です。
「ファーストネーム」は「名」のこと
ファーストネームに話を戻しましょう。上述しましたが、ファーストネームは「first name」と書き、日本語訳だと「最初の名前」を意味します。後述で紹介しますが、「姓」は「ファミリーネーム」のこと。上記の「青木花子」であれば、ファーストネームは「名」である「Hanako」のことを指すと考えてください。
「ファーストネーム」を表す他の言葉
「名」を表す他の言葉も見ていきましょう。ファーストネーム以外にもさまざまな表現があるんですよ。
ギブンネーム(given name)
親や命名者などから与えられた名前のことを表します。意味はファーストネームと同じ。パスポートには「Given name」と表記されている欄がありますが、この箇所はファーストネームが記載されます。
「given」の日本語訳は「与えられた」。この世に生まれてから親などから与えられた名前が「ギブンネーム」というわけです。
参照:旅券(パスポート)の別名併記制度について|外務省 (mofa.go.jp)
クリスチャンネーム(christian name)
「クリスチャン(christian)」はキリスト教徒の意。キリスト教で、洗礼に際して授けられる名前のことです。英語圏の国はキリスト教徒が多いということもあり、この言葉が使われています。英語圏に住む人でも、キリスト教徒でない場合は、ファーストネームなど他の言葉を使うでしょう。
パーソナルネーム(personal name)
個人の名前を表す「パーソナルネーム」もファーストネームのことを指します。ただし、ビジネスシーンにおいては、勤務先名に対する個人の氏名(姓と名)という意味で使うケースもあるでしょう。
フォアネーム(forename)
「フォア(fore)」は、前に位置するという意味。ファーストネームのことを指すと考えてください。foreとnameの間はスペースを入れず、一語で表記するのが当たり前です。
「姓」を表す言葉
ここからは「姓」を表す英語の表現について見ていきましょう。「姓」を表す英語の言葉も複数あります。
ラストネーム(last name)
英語表記では、「姓」は名前の最後にきます。そのため「last(最後の)」がつくと捉えてください。
ファミリーネーム(family name)
ファミリーという言葉の通り、「家族の名前」である「姓」を指します。家族や家系が継承していく「姓」なので、ファミリーが使われているのでしょう。
サーネーム(surname)
サー(sur)は、「上」を表す言葉。日本語訳すると「上の名前」になります。「forename」と同じで一語なので、surとnameの間にはスペースを入れずに表します。
姓名に関連する英語圏の言葉を紹介
英語圏には、日本の名前にはないものもあります。海外に行った時や外国人と交流する際の参考にしてくださいね。
イングリッシュネーム(English name)
日本語訳だと「英語名」になるイングリッシュネームは、海外でのみ使う自分の名前のこと。
英語圏以外の国の名前は、英語圏の人にとって発音や聞き取りが難しいことがあります。そのため、なかなか名前を覚えてもらえない、正確に呼んでもらえないなど、困るケースが生じてしまうことも。しかし、イングリッシュネームがあると、スムーズにコミュニケーションを取れるでしょう。
たとえば、台湾の政治家であり、プログラマーとして知られるオードリー・タン氏。日本でも関連する書籍が大ヒットするなど、広く知られていますよね。この方の本名は「唐鳳」。オードリー・タン(Audrey Tang)というのは、イングリッシュネームということです。
海外ではイングリッシュネームが根付いている国もあり、パスポートやクレジットカードにイングリッシュネームを記載するのを認めているところもあります。
フルネーム(full name)
「姓」と「名」すべてのこと。省略のない正式な名前を指します。「フルネームで記入してください」と言われたら、姓名すべてを書くことになります。
ミドルネーム(middle name)
欧米での名前の呼称で、中間名を指します。作曲家であるモーツァルトの姓名は「Wolfgang Amadeus Mozart(ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト)」ですが、この場合はWolfgangがファーストネーム、Amadeusがミドルネーム、Mozartがラストネームとなります。
まだある! 名前に関連する言葉
名前に関連する言葉は他にもあります。最近使われるようになった、次の名前についても把握しておきましょう。
・ニックネーム(nickname)
親しみやからかいの気持ちを込めて呼ばれる、本名以外の名前のこと。「愛称」や「あだ名」と呼ばれることもあります。「姓」や「名」から派生するものもあれば、その人の個性からつけられるというケースも。ニックネームは親しい間柄で使うことが多いでしょう。
・ハンドルネーム(handle name)
チャットやネット掲示板などで、本名の代わりに用いるニックネームのこと。「ハンドル名」「ハンドル」「HN」と表記することもあります。日本では、ユーザーの身元を知り得ない登録不要のサイトで使われているものを指すことが多いでしょう。
・ペンネーム(pen name)
文章を書く時に用いる本名以外の名前のこと。「筆名(ひつめい)」ともいいます。
・ユーザーネーム(user name)
コンピューターやインターネット上の各種サービスなどを利用する際に用いられる、利用者を識別するための名前のこと。「ユーザー名(めい)」と呼ばれることもあります。
最後に
「ファーストネーム」について紹介しました。日本と英語圏では名前の構成が異なります。ミドルネームやセカンドネームは、日本にはありませんから、把握しておくといいですね。また、パスポートの姓名欄は「姓/Surname」「名/Given name」と表記されています。姓名が逆の表示にならないよう、申請の際は注意してくださいね。
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