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2018.09.06

”女子アナ”への嫌悪。その思いを変えたのは…【たむらようこの風通しのいい仕事道】

放送作家のたむらようこさんが働く女性目線で語る、仕事・環境をとりまくアレコレ。今回は「仕事を続けている女性の誰もがさらされている、不要な女子ロール」について綴ります。

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〝女子アナ〟は好きですか? 女性による女性の分断を避けるには

「男性のみなさんが思うほど、女性は、女子アナに憧れちゃーいませんよ。メイクとか真似したいんでしょ、って勝手に思われてますけど。男性社会の中でうまく渡り歩いているような印象。性別で仕事をしているようなところがね、ちょっと苦手な人もいるし。男性が思うほど、女性はみんながみんな、女子アナが大好きってわけではないです」ーーー。 私はそう発言しました。「メディアと表現について考えるシンポジウム」でのことです。話の流れを受け、普段から思っていることが、なにげなく口をついて出たのですが、この発言に対して、予想外に強く熱心に反応してくれた人がいました。エッセイストの小島慶子さん。そう元々テレビ局の〝看板女子アナ〞です。

「私は15年間、〝女子アナ〞っていうやつをやってましたけど、ずっと苦しかったです」「女子アナが全員が全員、納得して女子アナをやっているわけでもない」ーーー。 それを聞いた瞬間、私の中で、ハッと息が、いや、時間が止まりました。私はなぜ〝女子アナ〞に対して、ことさらに悪い印象を持っていたのだろう。仕事で接する女性アナウンサーひとりひとりには敬意も好意も抱いているのに、〝女子アナ〞というカテゴリーとなると、ちょっぴり嫌悪していたのはなぜなんだろう、と。

真剣に働く女性の誰もが、不要な女子ロールの鎖を外そうともがく、プチ戦友

みなさんにも〝嫌いな女性のカテゴリー〞ってありますか? なぜ嫌いなのか考えてみたことはありますか? 自分の周りを見渡すと〝美人は全員、嫌い〞という猛者から、〝バリキャリ怖い〞という人まで苦手意識はさまざまです。もちろん苦手意識を持つことは自由ですが、私は小島慶子さんの話を聞いて深く自分を恥じました。彼女は静かにこう語りました。 「女性アナウンサーに求められるのは若い女子というロールです。私、そんなもん体現したくなかったです。そんな女性像の刷り込みを視聴者に対してしたくなかったです。だからすごく苦しかった。適応すればするほど優秀と評価される一方、仕事すればするほど自分を誇れなくなっていきました。だから15年やって辞めたわけですけれども。でも実はこれ、女性アナウンサーだけではなく、いろんな組織で働く女性が味わっていることだと思います」ーーー。

華やかな場所にいる女性たち、優遇されているように見える女性たちにも葛藤があり苦しみがある。私はそんな簡単なことにすら思いを馳せることのできない、想像力欠如のおバカだと改めて気づかされました。 このことをTwitterに投稿すると、フォロー外の方から意見がありました。「女子アナなんか所詮、承認欲求を満たしたいのだろう。嫌ならやめればよかったのではないか」と。私のツイートに対するこの少々意地悪なコメントに対し、リプライされたのはなんと小島さんご本人でした(フラットな姿勢に本当に頭が下がります)。

「15年間、女性アナウンサーに求められるロールのいびつさについてずっと考えていました。ただ〝嫌だ〞と思うのではなく、なぜ嫌だと思うのかを考え続けました。で、今に至ります(一部略)」。 そうです。働く私たちは社会に出るまで気づかなかったさまざまな〝女子ロール〞にさらされています。そして真剣に仕事を続けている女性の誰もが、不要な女子ロールの鎖をひとつひとつ外そうともがく、プチ戦友なのです。無知や想像力の欠如から同性の仲間を毛嫌いしたり、分断したりするのは、つまらないことだなと一転、テレビ画面の中の〝女子アナ〞に熱視線を送る今日このごろです。

『教えてもらう前と後』 毎週火曜・夜8時〜好評放送中!健康から歴史や住宅まで、教えてもらう前と後で世の中を見る目が変わる知のビフォーアフター番組。たむらさんが構成を務め、滝川クリステルさん、博多華丸・大吉さんが出演! 毎週火曜夜8時~MBS/TBS系全国ネット

放送作家

たむらようこ

1970年生まれ。放送作家。「慎吾ママ」のキャラクターを世に送り出すほか、『サザエさん』『祝女』『サラメシ』『世界の日本人妻は見た!』など多数の構成や脚本を手がける。2001年に子連れで働ける女性ばかりの制作会社ベイビー・プラネットを設立し社長としても活躍。

Domani2018年8月号 新Domaniジャーナル「風通しのいい仕事道」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子


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