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LIFESTYLE インタビュー

2024.09.21

バイきんぐ西村瑞樹さん「天然でも変人でもなく、いたって普通。『人生楽しそう』って言われたいだけ」【連載/こじらせ男のひとりごと#18】

「こじらせ男」18人目は、バイきんぐボケ担当の西村瑞樹さん。最近は、キャンプ芸人としても知られますが、「こじらせ」の自覚はゼロ。仕事とキャンプの絶妙なバランスに注目です!

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辞めようと思わなかったのは、ほかにやりたいことがなかったから

バイきんぐの「ネタを書かないほう」でありながら、その天然ぶりから「鬼才」「変人」などと称される西村さん。でも、本人いわく「誰よりも普通」。こんなねじれ現象を語ります。

語り/西村瑞樹(バイきんぐ)

フリーの3年間はどん底でした

コンビを組んで約30年。そのうち15年くらいは地下にもぐっていたようなもんだから、挫折だらけのコンビです。さらに15年のうち3年間、どの事務所にも所属しないフリーの期間があって、毎日やっていたライブが週1になり、いつのまにか月1になって。あのときはどん底だったな。

それでも芸人を辞めようと思わなかったのは、ほかにやりたいことがなかったから。もし見つかってたら、どうなっていたかな。

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キャンプに行けば、仕事のことは忘れられる

唯一、本当にやりたいと思えたのが、というか、楽しくてハマったのが、キャンプでした。最初は10年ほど前の2月、芸人のヒロシさんに誘ってもらったのがきっかけです。キャンプというと夏のイメージが強かったけれど、冬キャンプのほうがいいことだらけ。虫も蚊もいないし、汗もかかない。そして、焚き火のありがたみがよくわかる。

それまではペーパードライバーだったので、仲間の予定に合わせてついて行っていたけど、予定が合わなければ行きたくても行けないと気づいて。レンタカーを借りてひとりで行くようになりました。そこからは、ほとんどひとりキャンプです。

なんたって、焚き火を独り占めできるし、食べたいものを買って作って、寝たいときに寝られる。誰に気を使うこともなく、行きたいときに行って、仕事があれば帰って。ほんと楽なんです。

レンタカー代が月12万を超えてからは、バカらしくなって車も買いました。もちろん、道具も増えていき、生活はキャンプ中心になっていく。かつて、休みの日は朝方まで飲んで夕方に寝るという生活だったのに、すっかり早起きになりました。

キャンプに行けば、仕事のことは考えないし、焚き火をしてたらたいていのことは忘れちゃいます。自由にできるテレビのロケなんかは好きだけど、トーク力が求められる番組はいまだに苦手で、憂鬱になることがあります。でも、それさえもどうでもよくなっちゃうのが、キャンプなんです。

キャンプをYouTubeにして、仕事として番組にもなったら、めちゃくちゃ楽しいよね、なんて人に話していたら、それがいつの間にか現実になりました。山も買ったりして…なんて、夢を語っていたら、それも叶えられました。次は、そこにキャンプ場をつくって、管理人をやりたい。ずっと先の話ですけど。

自分がいちばんまともだと思ってます

で、僕からの質問なんですけど、「こじらせ」って、なんなんですか? 人と違うこだわりがあるとか、変わってるとか? 僕は天然だとか変わってるとかよく言われるけど、全然こじらせてないし、誰よりも「普通」ですよ。自分がいちばんまともだと思ってます。

僕はただ、「人生を楽しく」したいだけ。「面白い」と言われるのは芸人としてうれしいけれど、それより「人生楽しそう」って言われるほうがずっとうれしい。朝飯食ってるだけでも楽しい。なにもしない時間も楽しい。そこに焚き火があったら、もっと楽しい。

一方で、相方の小峠はコンビを組んだときからずっと、仕事に対して真面目で時間もきっちり。僕がルーズだから、ふたりのネタ合わせ時間に何度も遅れて、ブチ切れられたこともありました。そんなときは、ひたすら謝るしかありません。

ネタはすべて小峠が書いていますが、僕の覚えが遅いからなのか、芸人としては珍しく本番1か月前にネタを書き上げてくれます。ほかのコンビなら、本番直前ということはザラですから。僕は、1か月かけてセリフを覚え、舞台に出る。アドリブも一切なし。たまにアドリブを入れてみようかと思うけど、きっと怒るだろうな、あいつ。

パパじゃなくて「父ちゃん」って呼ばせてます

子どもができてから、さすがにひとりキャンプの回数は減りましたが、少しずつ子どもと行く機会も増やしたい。そしてそろそろ、YouTubeの更新もしなくちゃ。4月に行って撮影したのがあるんですが、編集も全部自分でやるので、面倒くさくなって放ったらかしになっているんです。

もうひとつ放ったままになってるのが、1000ピースのジグソーパズル。17年前から始めて、まだ2割しか完成してません。その間、5回引越しして、結婚して子どももできたけど、ほんとうに少しずつしか進まない。進められない。まあ、いつか子どもに引き継いで、2代にわたってパズルを仕上げるのも、いいかもしれません。ちなみに、子どもとは距離感の近い存在でありたいので、パパじゃなくて「父ちゃん」って呼ばせてます。ママのほうは「ママ」。嫁は「母ちゃん」って呼ばれるのはイヤらしいです。

父親としても、芸人としても、テキトーな感じに見えて、決めるときはビシっと決める。そんなふうになれたら、いいなと思いますけど。やっぱりトークの仕事となると、相方のようにはいきません。でも、無人島でも生き延びるサバイバル能力はついた、かな。それが番組や実生活で活かせるかというと、どうですかねぇ…。(おわり)

芸人

西村瑞樹

にしむら・みずき
1977年4月23日生まれ、広島県出身。大阪NSC(吉本総合芸能学院)17期生で同期だった小峠英二と1996年にコンビ結成。現在はソニー・ミュージックアーティスツ所属。2012年に「キングオブコント」で優勝。初の冠番組『西村キャンプ場』が2019年10月からテレビ新広島でレギュラー化。2023年にはドラマ『波よ聞いてくれ』に俳優として出演。2024年の単独ライブ公演を収録したDVD『ALCOHOL』が10月30日発売!
○公式X:バイきんぐ西村
○YouTube:CAMP西村チャンネル


撮影/高木亜麗
取材・文/南 ゆかり

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