時機に出遅れてしまったときに、よく使われる言葉が、「遅ればせながら」ではないでしょうか? そもそも「遅れてしまった」という負い目がある上に、誤った言葉遣いは重ねたくないものですよね。
そこで、この記事では「遅ればせながら」の意味や注意するポイント、口語やメールでの具体的な使い方から類語までを紹介します。この言葉の持つ意味や、場面に応じた使い方を一緒に見ていきましょう!
「遅ればせながら」の意味と注意点
遅れた行動や発言をフォローする際に便利な表現、「遅ればせながら」。正確な意味や注意点を押さえて、ビジネスマナーを向上させましょう。
「遅ればせながら」の意味
まずは、辞書で「遅ればせ」の意味を確認しましょう。
おくれ‐ばせ【遅れ×馳せ/後れ×馳せ】
1 他の人よりも遅れて駆けつけること。「―に来る」
2 時機に遅れること。「―ながらお礼を申し上げます」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「遅ればせながら」とは、「遅ればせ」と接続助詞の「ながら」で成り立っています。「遅れた状態であるが」「今さらながら」という意味を持ちます。
相手に配慮し、遅れて行動した自分を控えめに表現することで、円滑なコミュニケーションを図るものです。
使う際の注意点
この表現を多用しすぎると、ネガティブな印象を与える可能性もあります。「いつも遅れている」とか「言い訳が多い」などと捉えられないためにも、使用頻度を意識することが大切です。また、状況によっては「遅ればせながら」が不要な場合もあります。状況に応じた柔軟な表現を心がけましょう。
ビジネスシーンでの「遅ればせながら」の使い方(口語)
会議やプロジェクトの場面で「遅ればせながら」を使えば、遅れた行動や発言にも謙虚さを添えられます。具体例を交えながら、実践的な使い方を紹介していきましょう。
「遅ればせながら、会議に参加させていただきます」
例えば、急遽会議に参加することになった場合や、議論が始まった後に合流する場合に使える表現です。「遅ればせながら」を添えることで、遅れて参加することへの配慮や謙虚な姿勢を示すことができます。会議の冒頭で一言述べると、場の雰囲気を損なうことなく自然に溶け込めるでしょう。
「遅ればせながら、プロジェクトの進捗を報告いたします」
進捗報告が予定より遅れた場合に適したフレーズです。この表現を使うことで、遅延を素直に認めつつ、誠実に対応している印象を与えられるでしょう。
ただし、頻繁に使うと「また遅れたのか」という印象を与える可能性があります。遅れないことが一番ですが、必要に応じて、遅れた背景や対策を簡潔に添えることで不信感を払拭できるでしょう。
「遅ればせながら、提案をさせていただきます」
議論の途中で新たな提案を追加する際に使える表現です。この一言を加えることで、話の流れを中断することなくスムーズに自分の意見を述べることができます。
また、「遅ればせながら」を用いることで、他者の意見を尊重している姿勢も示せるでしょう。議論を円滑に進めるためのフレーズとして便利です。
ビジネスメールでの「遅ればせながら」の使い方
遅れをフォローしたいときに使う、「遅ればせながら」。メールでの使い方を例文とともに確認していきましょう。
「遅ればせながら、先日ご依頼いただいた資料をお送りいたします。お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」
資料の送付が予定より遅れた際に役立つ表現です。上記のフレーズに加えて、遅延の理由や背景を簡潔に添えたほうがいいでしょう。