ていねいな暮らしがしたい…出雲の『ビショップ』で改めて誓いました
空港を降り立つと、空高く、緑豊かな地が広がっていた――。
すみません、気取って書き出してみました。でも、出雲の第一印象は、本当にこんな感じだったんです。今回、Domaniでもたびたび登場している『ビショップ』が出雲・出西にできると聞いて、ワクワクしてました。『ビショップ』はシンプル&クリーンなカジュアル服を得意とする店。本店は神戸の旧居留地にあり、その佇まいは「まるでパリ!!!」な、それはそれは素敵な店構えなのです。今回の出西店は構想約10年(!)だそうで、もう、期待しかないではありませんか。
▲10年前にビショップの創立者が『出西窯』を訪れた際、「向かいに『ビショップ』があったらいいな」と、この2本の柳の木を見ながら思いついたのが、出店のきっかけだったとか。
出雲空港から車で20 分ほど。人気の民藝の窯元『出西窯』や話題のベーカリーカフェ『ル コションドール出西』があるエリア「出西くらしのヴィレッジ」内に、『ビショップ』はありました。山と畑に囲まれるのどかな場所に建てられた、端正な木造の平屋づくり。木の香りが漂う、天井が高く広々とした店内に商品がゆったり並べられており、都会とは違う気持ちでお買い物できそう。ちなみにラインナップは、他店と違いはないのですが(種類は多いけど)、「もともとベーシックで機能的な洋服を置いているので、地域が変わっても商品を変える必要はないんです」と語る、ビショップさんの揺るぎない精神に心打たれました。流行や情報が目まぐるしく変化するこの時代に、変わらないものを扱うなんて、素敵ですよね。
▲レディスもメンズも豊富なラインナップ。カップルでのお買い物にも便利です。
▲出西店限定の“オーラリー”とのコラボアイテムも。
▲雑貨もいっぱい!
▲キュートなぬいぐるみだって♡
▲出雲の風景に溶け込むように、石床には地元の素材・来待石(きまちいし)を使用。瓦や灯ろうに使われている身近な素材が、ショップをこの地になじませます。
そう、なぜ『ビショップ』がここを選んだのか。それはお向かいの『出西窯』と思いが共通しているからなのです。器好きの人なら知らない人はいない、超人気窯元ですが、合わせてこちらも見学させていただきました。
人気の器を生み出す『出西窯』はここ!
▲ここが『出西窯』の店舗。屋根には来待石でつくった釉薬を使用した瓦が使われているそう。隣には工房があります。
『出西窯』についてめちゃめちゃ簡単に説明しますと、陶芸経験のない5人の青年が昭和22年に創業。民藝の大家・河井寛次郎や浜田庄司との出会いや柳宗悦の教えにより、日常的で機能美のある器を制作するようになり、今では不動の人気に。“島根産”にもこだわり、現在も地元の粘土、自家調合できる釉薬と、地のものを可能な限り使ってものづくりを進めています。温もりのあるフォルムや、明るいけど深みのある釉薬の色味は、料理映え必至。ほかの器と相性もいいので選びやすいし、定番商品も多く買い足しやすいのも人気の理由。筆者もまんまとお茶碗を買ってしまいました…。
▲同じ形でも、釉薬の違いで印象が全然違う!
▲どれもかわいい…。迷う迷う迷う!
▲工房の様子も見せていただきました。
▲こちらが登り窯。器を焼く作業はとても楽しいとかで、オレンジの炎を見ていると、神様の存在を感じるのだそう。
「日常的である」「丈夫である」「そして美しい」――これが『ビショップ』と出西窯の共通点。それはまた、私たちの生活の“根っこ”だったりもするのです。背伸びせず、毎日を丁寧に生きていく――そんな暮らしができたらいいのに!と、切に思いながら、店を後にしたのでした。
あと、残念ながら当日はお休みだったベーカリーカフェ『ル コションドール出西』もぜひぜひ!パンは早々に売り切れてしまうほどの人気店なので、訪れる際は、早めの時間帯をおすすめします。
▲関係ないけど、編集部へのお土産は山陰銘菓「どじょう掬いまんじゅう」。ほのぼのビジュアルです♡
◆ビショップ出西店
営業時間:10時~18時(火曜日定休)
島根県出雲市斐川町出西字高林1358-3
◆出西くらしのヴィレッジ(出西窯、ル コションドール出西)
島根県出雲市斐川町出西3368
http://www.shussai-village.jp