子どものための感染予防策で大切にしたいこと
現在のところ、乳児や小児の感染者は少なく重症化しにくいと言われていますが、報告例も少なくわかっていないことも多いので、大人と同様に予防策を積極的に行っていきましょう。
乳幼児期のお子さんは、手を使って様々なものを触ったり遊んだりして発達していく時期です。そのため手を使って鼻を拭いたり、目をこすったりし、その手でおもちゃを扱ったり他の人に触れたりする可能性が高く、マスクの着用も困難であるかもしれません。
お子さんの行動に合わせた予防策
1.外出時のこまめな手洗いや手指のアルコール消毒
2.テーブルやおもちゃ、ドアの取っ手などの洗浄・アルコール消毒
3.保護者が接するときに可能な範囲でこまめな手洗いを心がける
4.人混みを避ける
5.タオルなどを他の子と共有しない
ご自身が感染予防策を行い、お子さんへの感染を防ぐこともとても大切です。逆に、小児での無症状の感染者の報告もありますので、基礎疾患がある方や高齢者の方など重症化しやすい方にお子さんが接触するのを控えてください。遊びに行く約束は延期にしたり、電話やタブレットの画面でお話をしたりと、感染予防を優先しながらのコミュニケーションを工夫してみてください。
その他、子どもの感染時の症状、受診の目安、乳児期の母乳などについては、以下の小児科学会のサイトをご覧ください。
参考:公益社団法人 日本小児科学会 新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(2020年2月12日現在)について
疾患がある場合は悪化のリスクに気をつけて
呼吸器疾患(喘息のあるお子さん、未熟児出生や何らかの呼吸器疾患で呼吸器管理をしているお子さんなど)、心疾患、免疫不全状態(先天性免疫不全のお子さん、ステロイドや免疫抑制剤、抗がん剤などの治療を受けているお子さん)では、他の感染症と同様、悪化のリスクがあります。
活気がない、ぐったりしている、呼吸が苦しそう(呼吸がはやい、胸壁を大きく動かして一生懸命呼吸している様子がある)、食事や水分がとれない、発熱が数日つづくなどあれば、医療機関を受診してください。
疾患によってもリスクが異なりますので、基本的には、普段の受診の目安に従って受診するのがよいでしょう。主治医の先生に、どのような場合に受診が必要であるか、確認をしておきましょう。
出典:新型コロナウイルス、情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア
プロジェクトメンバー
監修:堀成美(感染症対策コンサルタント)、 杉下智彦(東京女子医科大学国際環境・熱帯医学講座教授)
編集責任:鈴木悠平(インターミディエイター®・株式会社LITALICOチーフエディター/NPO法人soar理事)、小澤いぶき(児童精神科医・認定NPO法人PIECES代表理事)
執筆協力:室伏佑香(国立成育医療研究センター 神経内科)、益田充 (外科医・救急医・精神科医)、新井陽子(被害者支援都民センター 公認心理師 臨床心理士)、野口晃菜(LITALICO研究所 所長)、根岸正彦(Webエンジニア)、林伸彦(産婦人科医・NPO法人親子の未来を支える会代表理事)、石川えり(認定NPO法人 難民支援協会 代表理事)、他
デザイン:長谷川真澄
再構成/谷畑まゆみ、WebDomani編集部
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.