【目次】
・アクリルたわしって何?
・アクリルたわしが人気の理由
・基本の使い方
・キッチン以外での使い方
・お手入れ方法と注意点
アクリルたわしって何?
バザーや手作りアイテムのマーケットなどで見かけることの多い、アクリルたわし。名前を聞いたことはあっても、どんなたわしのことなのかよく分からない人もいるでしょう。
特徴や使い方を知ると、きっと使ってみたくなるはずです。アクリルたわしの特徴や、汚れを落とすメカニズムを紹介します。
アクリル100%の毛糸のたわし
たわしは、日常の洗い物や掃除に欠かせないアイテムです。さまざまな種類があり、シュロやヤシなどの天然素材や、ナイロンなどの化学繊維で作られたものに加え、鍋や鉄板を磨く用に作られた金属たわしなどがあります。
アクリルたわしは「アクリル毛糸」を編んで作った、たわしのこと。アクリル毛糸は、セーターやニット小物などに使われている素材なので、意外に感じる人もいるかもしれません。
衣料品だけでなくたわしの素材としても優秀で、アクリル毛糸で作られたたわしは、水分を吸いにくく何度も水洗いできます。耐久性が高く、洗剤を使用せずに使えることもポイントです。
また、市販品を購入するだけでなく、自分で編んで作る人も少なくありません。四角や円形に編んでもよいですし、フルーツや動物などの形などに編んでもおしゃれです。
参考:アクリルとウールの違い | 繊維の種類を知ろう | 東京都クリーニング生活衛生同業組合
汚れを落とすメカニズム
アクリル毛糸の「細かい繊維」には、汚れを絡め取る働きがあります。アクリルたわしの繊維の凹凸が細かい隙間に入り込んで汚れを落とし、食器をこすったときに起きる毛糸同士の摩擦によって、細かい汚れをかき出すのです。
アクリル毛糸のもとになっているアクリル繊維は、ウールを模して人工的に作られています。石油を原料としているため、親油性が高く油汚れを吸着することが特徴です。そのため、洗剤が汚れを分解する力に頼らず、繊維に絡み付くことで汚れを落とせます。
スポンジたわしの中にも、アクリル繊維を使って作られているものがあり、汚れを落とす力が強い傾向にあります。日常の食器洗いだけでなく、室内にたまったホコリの掃除にも使えるので、一つあると重宝するでしょう。
アクリルたわしが人気の理由
さまざまなたわしがある中でも、アクリルたわしは家庭での人気が高いアイテムです。どんな点が人気なのでしょうか?理由を見ていきましょう。
肌に優しい
肌に優しい点は、アクリルたわしを使うメリットの一つです。食器洗いをしていると、手荒れが気になる人は多いでしょう。指先が荒れていると、かゆみや痛みが気になってつらくなってしまいます。
手荒れは、洗剤に含まれる成分が手指に必要な油分まで落としすぎてしまうことで、起きやすくなります。手荒れに悩まされているのであれば、できるだけ洗剤を使用しない方がベターです。
食器を洗う際、どんなときも洗剤を使用しなければならないわけではなく、汚れの種類によってはアクリルたわしだけで落とせます。繊維が汚れを絡め取って落とすため、水にぬらした状態で食器をこするだけできれいになるのです。アクリルたわしを使うと洗剤を使用する機会が減るため、手荒れに悩まされる要因を一つなくすことができます。
洗剤を使う量が減る
洗剤による手荒れを防げるだけでなく、洗剤を使用しなくて済むこと自体をメリットだと感じる人も少なくありません。洗剤を使う量が減れば経済的ですし、化学物質を出さずに済むため環境にも配慮できます。
ご飯茶碗やマグカップのような「油汚れが少ない食器」は、水を含ませたアクリルたわしで洗う、油汚れがひどいものだけに少量の洗剤を使用するというように、対象によって洗い方を変えると使用量を減らせます。
洗剤よりも汚れが落ちる場合も
湯呑やマグカップなどに付いた「茶渋」は、アクリルたわしを使うと落としやすくなります。茶渋ができる原因を知ると、普通に洗っただけでは落ちにくい理由が分かります。
茶渋はカテキンやポリフェノールなどの成分が、水の中に含まれる金属イオンと結び付いて、こびり付いた汚れです。水に溶けにくい性質を持っているため、洗剤を使って洗うだけでは十分に汚れが落ちません。
茶渋を落とすには、漂白剤や重曹などを使用して浸け置き洗いする方法がありますが、手間がかかりますし、手が荒れる原因になることも。
アクリルたわしの細かい繊維を使ってこすり落とせば、茶渋をきれいに落とせるでしょう。付着してからの時間が浅いほど、簡単にお手入れが完了します。
かわいいデザインが豊富
ほかのたわしにはない、かわいいデザインが豊富な点も、アクリルたわしが人気の理由です。毎日使用するアイテムなので、お気に入りのものを使った方が家事が楽しくなります。
アクリルたわしの素材であるアクリル毛糸は、シンプルなものからカラフルなものまで、多種多様な種類があり、生み出されるデザインもさまざまです。
また、「細編み」や「メリヤス編み」などの基本的な編み方だけでも作れて、初心者でも挑戦できます。材料や道具は専門店へ行かなくても、100円ショップで手軽にそろえられます。
四角に編むだけでも十分ですが、編み物が得意なら好きな形に編んで、オリジナルのアクリルたわしを作るのも。マフラーやセーターを編んだ余りの糸を利用して気軽に作れます。
手作りであれば、自分が使いやすい形状や大きさで作れる点も魅力です。小さなものなら比較的短時間で作れるので、挑戦してみましょう。
基本の使い方
アクリルたわしは便利なアイテムですが、使い方を間違えるとメリットを感じられません。アクリルたわしの基本的な使い方を見ていきましょう。
食器洗い
アクリルたわしに水やぬるま湯をよく含ませた状態で、食器を洗いましょう。後は通常のスポンジたわしと同じように使うだけなので、難しくありません。
洗い始める前に、大きな汚れを流水で流しておくとスムーズです。油を使用した食器や汚れがひどいなら、洗剤を使用して洗った方がよい場合も。食器の汚れ具合に応じて洗い方を変えましょう。
また、すすぎの段階で、食器を磨くように使うこともできます。すすぎながら使うと、落とし切れなかった汚れや、茶渋などのしつこい汚れを残さずに済むでしょう。
ひどい油汚れは洗う前に拭き取っておく
アクリルたわしは万能なようですが、落ちにくい汚れもあります。アクリル繊維は油を吸着する力を持ちますが「多過ぎる油」は吸い取れずに食器に残ってしまうのです。
そのまま洗うと、アクリルたわしに付着した汚れが、ほかの食器にも移ってしまうことが懸念されます。たくさんの油を使用したときに発生するギトギトの汚れは、キッチンペーパーなどでよく拭き取ってから洗いましょう。
また、汚れが落ちにくいと感じたときは、少量の洗剤を使用した方がよい場合もあります。状況に応じて、洗い方を変えましょう。洗剤を使用して食器洗いをするときも、大きな汚れは事前に落としておくことが大事です。
キッチン以外での使い方
アクリルたわしと聞いて、食器洗いを思い浮かべることは多いかもしれませんが、アクリルたわしが活躍する場所はキッチンだけではありません。キッチン以外での使い方を見ていきましょう。
お風呂や洗面所掃除
お風呂や洗面所などの水周りは、水あかがこびり付きやすい場所。水あかは、水分に含まれる「ミネラルが固まってできたもの」なので、アクリルたわしを使ってアプローチするのがおすすめです。
水あかを見つけたら「ぬらした状態のアクリルたわし」でこすり落としましょう。細かいアクリル繊維が固まった成分を絡め取り、洗剤を使わなくてもピカピカになります。
なお、汚れは付着して時間がたつほどに落ちにくくなります。そのため汚れが付きやすい鏡や蛇口だけでも、アクリルたわしでこまめに磨くと、清潔感を維持しやすくなるはずです。拭き掃除だけなら、手軽に取り組みやすいでしょう。
窓ガラスの掃除
アクリルたわしを、窓ガラスの掃除に利用することもできます。窓ガラスは雨やホコリで汚れやすい部分なので、時々磨いてお手入れしましょう。
市販のガラスクリーナーを使用しなくても、水を含ませたアクリルたわしでこすると、きれいになります。食器を洗うときと同じ理由で、細かい繊維が窓ガラスの表面に付着した汚れを絡め取ってくれるのです。
窓ガラスを磨くときは「水をたっぷりと含ませた状態」で、絞らずに使います。上から下へ向かって、拭いていきましょう。
また掃除中は水分が滴り落ちてくるので、床や窓枠に雑巾や汚れても構わないタオルなどを敷いておくと便利です。窓ガラスだけでなく、網戸も同じ要領できれいにしましょう。
床やパソコン、テレビなどのホコリ取り
アクリルたわしが「乾いている状態」で、ホコリ取りとして使用する方法もおすすめです。床や巾木などに付着したホコリを取ったり、パソコンやテレビなどの家電のホコリを取ったりと、幅広く便利に使えます。
気になる部分を乾拭きするだけなので、簡単に掃除できる点が魅力です。また絡め取るだけでなく、静電気の働きでホコリを吸着することも期待できます。
ホコリ取りをする際は、分厚いアクリルたわしを使うよりも、細かい場所にも隅々まで届くように、できるだけ薄い形状のものを使うとよいでしょう。
お手入れ方法と注意点
お気に入りのアクリルたわしを大切に使うには、日頃のお手入れ方法に気を配ることが大事です。最後に、お手入れの仕方や注意点なども押さえておきましょう。
清潔に使うためには天日干しがおすすめ
アクリルたわしは汚れを吸着するため、使用後に何もせずに放置しておくと、雑菌が繁殖してしまいます。雑菌が付着した状態で使用しては不衛生です。
食器洗いや掃除に使用した後はそのまま放置せず、表面に付着した大きな汚れを取り除いた後、きれいな水でよくすすいでから「天日干し」します。
使用していないときは、よく乾かした状態にすると雑菌の繁殖を防げます。汚れが気になる場合は中性洗剤で洗い、きれいにすすいだ後に天日干しすることが基本です。
また、アクリルたわしは一つだけでなく、いくつか用意しておくこともポイントです。ローテーションで使用すれば、いつでも清潔な状態で使用できます。
柔軟剤や漂白剤は使用不可
柔軟剤を使用すると繊維が柔らかくなり、汚れを落とす力が弱まってしまうため、使用は避けましょう。また塩素系の漂白剤を使用すると、繊維にダメージを与えて色が抜けてしまうことがあります。
アクリルたわしは水洗いに強く、何度も洗濯に耐えますが、繊維の弾力が失われてしまったときは、たわしとしての寿命が来たと考えましょう。
加えて、アクリル毛糸はウールとは違い熱に弱く、熱湯消毒はできません。洗うときは水かぬるま湯を使うことがポイントです。ほかにも、溶けたり縮んだりしてしまうため、アイロンなどで熱を加えないようにしましょう。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
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