ミシンの種類
ミシンにはさまざまな種類があり、それぞれ違った特徴を持っています。ミシンを初めて購入する場合、売り場へ行ってもどんな違いがあるのか、よく分からないことが多いでしょう。
人によって、使いやすいものと、そうでないものがあるので、種類ごとの違いを知っておくことが必要です。どんな種類があるのか見ていきましょう。
昔ながらのシンプル構造「電動ミシン」
電動ミシンは、電力をモーターに直接伝えるシンプルな構造になっています。
「手動」で糸を張る強さを調節しなければならず、そのミシンの癖を理解しないと、うまく縫えないことがあるでしょう。
低速だとパワーが小さくなり、高速で縫うときはパワーが大きくなる仕組みです。縫う速度を遅くしながらも、パワーは強く保つ縫い方はできません。
厚手のものを縫いたいときや、縫い目を細かく調整したいときには向いていないものの、比較的低価格で入手できるので、雑巾・テーブルクロス・巾着袋など、決まった縫物をする用途におすすめです。
機能と価格のバランスがよい「電子ミシン」
電子回路を使用し、糸の調節や縫い目の微妙な設定ができるミシンです。縫うときのスピードをコントロールしながら、パワフルに縫えます。
電源を切ったときに針が上の位置で自動停止したり、縫い目や模様をダイヤル一つで調整できて「複雑な動き」を簡単にできたりするところが魅力です。
安価なタイプも多く、優れた機能を持っているものでも、1~2万円台で販売されています。いろいろなものを手軽に作ってみたい人におすすめです。
細かな設定ができる「コンピューターミシン」
コンピューターが内蔵され、針の動きを自動でコントロールしてくれます。
サポート機能が充実しているので、ミシンに慣れていない人でも簡単にきれいな縫い目で、手作りのアイテムが仕上げられるでしょう。
搭載されている機能はコンピューターでコントロールされるので、知識がなくても安心です。操作を間違えたとしても、パネルにエラー表示が出て正しい手順で縫える工夫がされています。
縫い方のバリエーションも豊富で、複雑な飾り模様も簡単に縫えるでしょう。複雑な刺繍をする機能が付いたものもあり、文字が縫えるタイプもあります。
ミシン選びのポイント
ミシンをあまり使ったことがない人は、何を基準に選ぶべきか分からなくなりがちです。高機能なタイプの中には高価なものも多く、簡単には手が出ません。
かといって、値段が安過ぎるものも、ちゃんと使えるのか心配になるでしょう。購入後に後悔しないために、基本的な選び方を紹介します。
サイズで選ぶ
ミシンのサイズは「フルサイズ」「レギュラーサイズ」「コンパクトサイズ」などに分けられます。
フルサイズは幅45cm程度で安定感があり、本格的にいろいろなものを作りたい人に向いているでしょう。ソーイングスペースを広く取れるので、厚手のものや衣類のような大きなものでも縫いやすくなっています。
レギュラーサイズは幅40cm程度で、近年では主力として力を入れているメーカーもあります。フルサイズよりもやや軽く、扱いやすいことが特徴です。
コンパクトミシンは幅38cm以下と、サイズが小さいだけでなく、軽量で持ち運びやすさにも優れています。
本体が小さい分、作業スペースも狭くなるため、大きなものを縫いたいときは使いづらさを感じるかもしれません。あまりにも軽いと作業中に本体が動いてしまい、安定感の面で劣ります。
機能面で選ぶ
使いたい機能があるかどうかで、選ぶことも重要です。
「カーテンの端の処理がしたいので、直線縫いができれば十分」という場合は、複雑な調整ができても使う機会がありません。
子どもの衣類を作りたいときは、ボタンホールステッチやジグザグ縫いなどができるタイプを選ぶとよいでしょう。生地の種類によっては、端の処理をする際に厚みが出ないように、ジグザグ縫いをする必要があります。
「子どもの名前を刺繍した持ち物を作ってあげたい」という場合は、文字を縫える機能を搭載したコンピューターミシンを使いましょう。
使用する目的をできるだけ明確にすると、必要な機能が見えてきやすくなります。
人気のミシンメーカー
たくさんのメーカーがミシンを製造・販売していますが、できるだけ人気が高いものを使いたいと感じる人は多いでしょう。
家庭用ミシンとして、人気のミシンメーカーを紹介します。
シンガー
1851年に創業した、アメリカのミシンメーカーです。初めて実用ミシンを作り、ミシンの特許を取得したメーカーとして知られ、ミシンの代名詞的な存在になりました。世界中でシンガー社のミシンが利用され、愛され続けています。
代表的な商品は、多彩な機能を備えたコンピューターミシンの「モナミシリーズ」です。初めてでも使いやすく、実用的な機能を搭載しています。
プロユースや学校教材用などのミシンも展開しており、さまざまなニーズをかなえてくれるでしょう。
ミシンを選ぶならシンガーミシン|愛されて160余年 世界のトップブランド
ジャノメ
日本製のミシンといえば、ジャノメミシンが思い浮かぶ人は多いでしょう。1921年に国産としては第1号といわれる、小型手廻し式ミシンを製造したメーカーです。
世界で初めて、糸通しを自動にした刺繍対応のコンピュータミシンを製品化したことで知られています。家庭用ミシンとしての人気が高く、初心者から上級者まで満足できるラインアップをそろえています。
また、「人間工学」に基づき、使いやすく設計されていることが特徴です。その時代ごとのライフスタイルにマッチする、機能的なミシンを製造しています。
ブラザー
ブラザー工業の創業者兄弟は、輸入ミシンの修理や部品の製造を営む家に生まれました。麦わら帽子製造用のミシンなどの制作を経て、1932年に家庭用ミシンの製造・販売を進めます。
ミシンの製造によって得た技術をもとに、さまざまな家庭用品やタイプライターなどの開発に着手し、「国内外問わずによく名前が知られるメーカー」にまで成長しました。
世界40カ国以上の国や地域に、生産や販売の拠点などを展開し、グローバルな企業として各地のニーズに合った事業に取り組んでいます。入門用のミシンから上級者向けの高機能なまで、幅広いミシンが手に入るでしょう。
電動ミシンのおすすめ2選
それほど多くの機能がなくてよい人や、子どもの入園時期にだけ頻繁に使う人は、構造がシンプルであってもそれほど不自由を感じないでしょう。
ミシンの操作に慣れれば、縫うスピードの細かい調整や、自動で針の動きを制御する機能などがなくても作品を作れるようになります。初心者でも扱いやすい、電動ミシンを紹介します。
アックス ヤマザキ「子育てにちょうどいいミシン」
通園用の小物や小さな子ども用のアイテムを、簡単に手作りすることを目指した初心者向けの電動ミシンです。「基本の使い方」の動画が用意され、ミシンでの作業が初めての人や慣れていない人でも挑戦できます。
付属の安全針カバーは、スマホスタンドとしても使用できる便利な設計です。
直線縫いのほかにも、ジグザグ縫い・ボタンホールステッチ・まつり縫いなど5種類12パターンの縫い方ができます。
返し縫い機能もあり、小物作りに必要な機能は一通り備わっているので、長く活躍するでしょう。コンパクトサイズで、重量も2.1kgと軽く、パッと出し入れがしやすいところもポイントです。
商品名:アックス ヤマザキ 子育てにちょうどいいミシン
シンガー「電動ミシン SN1851」
多彩なステッチのバリエーションと、縫い目の長さを変える機能があり、布地に合った縫い方ができます。複数の種類の生地で、作品を作りたい場合におすすめです。
下糸を自分で引き上げる必要がなく、ガイドに沿って糸を掛けるだけで縫える機能や、レバーの操作だけで自動的に針に糸が通る機能などが搭載され、初心者でもストレスを感じずに使いやすいでしょう。
ボタンの大きさぴったりに、自動でボタンホールを作る機能もあって便利です。「フットコントローラー」を使うと両手が空くので、初心者でも縫いやすいでしょう。
幅は41.6cmと、レギュラーサイズで使いやすい大きさです。5.7kgとほどよい重さがあり、作業中に本体がずれることなく、安定した使い心地を味わえます。
商品名:電動ミシン SN1851
電子ミシンのおすすめ2選
ゆっくり縫うときも、パワフルなところが電子ミシンの魅力です。必要に応じて縫うスピードを変えて、作るものの幅を広げたい人に向いています。
初心者でも使いやすい、おすすめの商品を見ていきましょう。
ジューキ「家庭用ミシン HZL-40DX」
初心者向けに作られた電子ミシンです。縫う速度を「無段階」で好みの速さに調整でき、慌てずに縫えます。
動きが速過ぎると感じたときは、「ゆっくりすすむ機能」のボタンを使えば、自分のペースで縫いやすいでしょう。
7枚の送り歯が付いており、布地がもたもたせずに縫えます。縫い模様は使用することが多いものだけを厳選し、ダイヤル式で簡単に設定できるようにしてあり、縫い目の長さもダイヤルで簡単に設定することが可能です。
初めてでも、どの機能がどのボタンで操作できるのかが分かりやすいデザインとなっています。幅38.8×奥行19.8×高さ28cmと、作業スペースを確保しやすい大きさです。
商品名:家庭用ミシン HZL-40DX
アックス ヤマザキ「山﨑範夫の電子ミシン」
家庭で使用することが多い9種類のステッチを搭載したミシンです。
プロユースのミシン並みのモーターを搭載し、分厚い布地でも力強く縫えます。8枚の送り歯で、スムーズに布を送れるので、縫いやすいでしょう。
縫い始めにゆっくりと動き出し、1分間に針が上下する回数が60回と「超低速」で針を動かせます。最高速度にすれば、1分間に700回と素早く縫い進められるので、ミシンの熟練度に合わせて縫うことが可能です。
初心者だけでなく、ミシンでの作業に慣れている人も安心して使える設計となっています。
コンパクトサイズですが、ソーイングスペースが広い作りになっていて、大きな布地も楽に取りまわせるでしょう。大物に挑戦したい人にも、使いやすいデザインとなっています。
商品名:アックス ヤマザキ 山﨑範夫の電子ミシン
コンピューターミシンのおすすめ4選
機能が豊富なコンピューターミシンがあると、子どものアイテムを作ることがどんどん楽しくなるでしょう。
手作りのアイテムをたくさん作りたい人におすすめな、コンピューターミシンを紹介します。
ジャノメ「メモリークラフトH8800」
240種類もの豊富なステッチや、文字・模様などをメモリーする機能を搭載したコンピューターミシンです。最大で9mm幅の文字や模様を縫えます。
縫いたいものをタッチパネルから選択すると、ミシンが自動でステッチの種類や糸の調子などをセットしてくれる仕組みになっていて、初めてでも操作が簡単です。
停止したときは自動で押さえが上がり、角や曲線を縫いたいときも、いちいち手で上げて縫う必要がありません。
布地を挟むと自動でセンサーが働き、布地の厚さによって最適な力で押さえます。途中で厚みが変わったとしても、ガタつかずきれいに縫えるでしょう。
ソーイングスペースは広めに設計され、カーテンや大人用の大きな衣類も縫いやすくなっています。
商品名:ジャノメ メモリークラフトH8800
ブラザー「一般ミシン PS202」
低価格で高機能なコンピューターミシンを使ってみたい人に、おすすめのモデルです。20種類のステッチができ、模様・押さえの種類・縫い目の長さや幅を、ボタンで選択できます。
縫うスピードの設定も充実し、縫い始めはゆっくりとスタートできる機能付きです。一針だけ縫うといった細かい設定も可能で、きれいな縫い目をサポートしてくれるでしょう。
自動でボタンホールステッチをする機能もあり、台座にボタンをセットするだけで大きさにあったボタンホールも簡単に作れます。
縫い始めの準備も手間が掛からず、下糸の設定や糸通しも素早く簡単にできる設計です。
商品名:ブラザー 一般ミシン PS202
シンガー「モナミ ヌウ SC100」
シンプルで使いやすいコンピューターミシンを探している人に、おすすめのモデルです。厚手の生地も縫えるパワーがありながら「静音設計」で、集合住宅でも使いやすいでしょう。
実用的な縫い模様だけを「16種類」に厳選し、使いたい種類の一覧からボタンをタッチするだけで選べるところが便利です。糸調子はダイヤル式で、自動で適切な調子に設定してくれます。
面倒な糸通しも自動で、糸掛けは番号順に通していくだけで簡単にでき、準備に時間が掛かりません。ワンタッチで速度をスローにできる「ワンタッチスローボタン」を使えば、細かい部分も自分のペースで縫えます。
商品名:シンガー モナミ ヌウ SC100
ジューキ「家庭用ミシン HZL-J900R」
実用的なステッチや飾りに使える50種類の縫い模様を搭載しています。
よく使用する縫い模様の種類はボタンで直接、それ以外の種類は番号を入力して選択できるので、スピーディーに縫えるでしょう。
模様番号は一覧表を引き出して確認できるので、番号を覚える必要はありません。模様の長さや幅などのサイズを変更することもでき、同じ模様でも変化を楽しめます。
針を刺す位置は、縫い目の幅の調整つまみを動かして変更可能です。押さえの端を目安にすれば、まっすぐに縫いやすいでしょう。
自動糸通し・返し縫い・止め縫いなど、あると便利な機能が充実しています。
商品名:ジューキ 家庭用ミシン HZL-J900R