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【目次】
インテリア通も憧れる「ボールチェア」とは
ボールチェアは、おしゃれなインテリア通から人気を集めている椅子です。近未来的なデザインが特徴的なボールチェアの魅力を見ていきましょう。
エーロ・アールニオ氏デザインの名作椅子
ボールチェアは、フィンランドのインテリアデザイナーEero Aarnio(エーロ・アールニオ)氏が手がけた椅子です。
1932年にフィンランドの首都ヘルシンキに生まれ、1962年に自身のデザインスタジオを設立しました。そして翌年の1963年に、独立後初の代表作となる「ボールチェア」を発表したのです。
1960年代は、アンディ・ウォーホルなどのアーティストによる「アメリカン・ポップ・カルチャー」の最盛期にあたります。繊維強化プラスチックなどの新素材を採用し、斬新かつ近未来的なデザインを手掛けるエーロ・アールニオ氏は、アメリカの人々から注目を集めました。
その後、1966年のケルン国際家具見本市で高い評価を獲得したボールチェアは、当時のフィンランド大統領をはじめ、多くのセレブからも愛用され、名作椅子となったのです。
今日でもMoMA(ニューヨーク近代美術館)や、名だたる美術館の永久コレクションとして展示されています。
ボールチェアの魅力
ボールチェアは、球体をくり抜いたような「高いデザイン性」が魅力です。近未来的なデザインに、ビビッドな配色を施すことで、部屋の雰囲気をおしゃれに演出してくれます。
例えば、モノトーンカラーのモダンな部屋ではアクセントになり、レトロポップなカラフルな空間ではインテリアとしてなじむでしょう。
現在展開されているボールチェアには、球体の他にもオーバル型があり、ファブリックの色を変更できるものもあります。
また、周囲の音が70%ほど聞こえなくなる、遮音性の高さもボールチェアの魅力です。1人でゆっくり読書をしたいときや、周囲に邪魔されずに音楽鑑賞をしたいときなど、一つ部屋のようなプライベートを保てる構造で、座った人は「宇宙空間のような心地よさ」が味わえます。
「正規品」と「リプロダクト品」の2種類がある
販売されているボールチェアには、「正規品」と「リプロダクト品」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを把握し、購入する際の参考にしましょう。
正規品は本物志向の人におすすめ
ボールチェアの正規品は、フィンランドの「Eero Aarnio Originals(エーロ アールニオ オリジナル)」というメーカーのみが、権利を持って製造・販売しています。
素材の質はもちろん、細部の造りにもこだわり、クオリティが高いことが特徴です。せっかくボールチェアを購入するのであれば、本物を使用したいという人に向いています。
ただし、正規品は高価で、購入を簡単に決断するのは難しいかもしれません。スタンダードなものでも6750ユーロとなり、日本円では約88万円前後になります。クッションが革張りのものだと、価格が100万円を超えるため、正規品はこだわりのある人向きといえるでしょう。
リプロダクト品なら比較的リーズナブル
ボールチェアのデザインや雰囲気を楽しむことが目的なら、比較的安価な「リプロダクト品」を検討しましょう。
リプロダクト品とは、デザインの意匠権の期限が切れ、製造権利がオープンになった商品。オリジナルデザインを忠実に再現して造られています。
開発費が少なく済み、デザイナー側に支払うロイヤルティーも発生しないため、商品を比較的安価に提供できるのです。時代ごとのニーズやメーカーの考え方によって、細部に改良が加えられ、より使いやすく生活になじみやすい商品になることもあります。
また、リプロダクト品には、スタンダードな定番カラーが多いことも特徴です。自分好みの色合いでオリジナリティを出したい場合は、セミオーダータイプの製品がよいでしょう。
ボールチェアを購入するときの注意点
ボールチェアを購入する際には、いくつかの注意点があります。後悔のない買い物をするためにも、事前にポイントを確認しておきましょう。
置き場所や搬入経路に注意
ボールチェアを購入する際には、部屋のどこに置くのか、どこから搬入するのかを確認しておきましょう。
ボールチェアは球体に近い形状のため、一般的な椅子よりも設置や搬入にスペースを要します。ドアの大きさや部屋の広さを考えずに購入してしまうと、自宅に入れたり置いたりができないリスクがあります。
また、重量もあるため、一度置いたら気軽に移動させられない点も頭に入れておきましょう。
大抵のボールチェアは100cmほどの幅・奥行・高さがあり、梱包(こんぽう)されるとさらに大きくなります。自宅の玄関やマンションのエレベーター、階段などが、通れる幅かチェックしておきましょう。
玄関ドアの幅は80~85cmが一般的です。大きなドアでも幅は90cmほどなので、ほとんどのボールチェアは搬入することが難しいでしょう。玄関から搬入できない場合は、窓から搬入することになります。
ベランダや庭に通じる大きな窓は、一般的に幅169×高さ203cmほどあり、窓ガラスを外せば搬入が可能です。初心者でも簡単に窓ガラスを外せる方法があるので、併せて確認しておくとよいでしょう。
リプロダクト品の品質にはばらつきがある
リプロダクト品のボールチェアは、金額を抑えて購入できる反面、メーカーや商品によって品質にはばらつきがあります。
正規品はデザインや工程に細心の注意を払い、一つずつ丁寧に作り上げられるものです。しかし、大半のリプロダクト品は素材や工程のコストを抑えて、大量に生産されることが多いです。結果として、座り心地や耐久性などの部分で、正規品より品質が劣っていると感じやすいのです。
また、リプロダクト品でも数十万円するものがほとんどで、アフターサービスなどの保証がないこともあります。壊れた場合に何度も買い直すのは難しく、安易に購入すると後悔してしまうかもしれません。
リプロダクト品を選ぶときは、正規品との違いや使い心地を、レビューなどで確認しておくのがおすすめです。
気軽に楽しめるリプロダクトボールチェア
リプロダクト品のボールチェアなら、価格を抑えてデザインや機能を楽しめるでしょう。気軽に購入を検討できるリプロダクトボールチェアを紹介します。
TIMUS「ボールチェア」
正規品のデザインを忠実に再現し、家具職人が丁寧に仕上げた強化プラスチック製のボールチェアです。
本体サイズの幅を80cmに抑えることで、一般家庭にも搬入しやすく、置きやすいサイズになっています。金額を抑えつつも、本物に近いデザインのものを探している人にぴったりです。
商品名:TIMUS ボールチェア
タンスのゲン「ボールチェア Sessle Eye」
フォルムが特徴的な、360度回転式のボールチェアです。
本体の幅を93cmに抑えながら、137cmの高さを出すことで、卵のような愛らしいデザインになっています。重量が約11kgと軽量で、搬入時や移動時の負担も軽減できます。
すっきりとしたフォルムで圧迫感が少なく、リビングなどでも楽しみやすいサイズです。座面や背もたれのクッションカバーは、取り外して洗濯が可能で、お手入れも簡単です。
商品名:タンスのゲン ボールチェア Sessle Eye
TREASURE.COM「ボールチェア アルミ外装モデル」
アルミ素材で覆われた、個性的なデザインのボールチェアです。シルバーカラーの表面にはボルト風の突起が施されており、宇宙船のような見た目は部屋のアクセントとしても役立つでしょう。
オリジナルデザインで表現された「宇宙的な空間」の創出を助長しています。
本体の奥行が93cmに設計されていて、限られたスペースでも設置しやすいサイズです。
商品名:TREASURE.COM ボールチェア アルミ外装モデル
ZENSIN「スピーカー付きボールチェア」
高音質なスピーカーを搭載したボールチェアです。スマートフォンなどの端末とBluetoothで接続することができます。
また、外枠と内側のファブリックのカラーをそれぞれ指定し、セミオーダータイプの注文が可能です。お気に入りの色を組み合わせて、オリジナルのボールチェアを購入できます。
好きな音楽をかけながら、半個室のようなプライベート空間を作りたい人におすすめです。
商品名:ZENSIN スピーカー付きボールチェア
公式サイト:購入はコチラ
steel line「DESIGN900 エッグチェア」
steel line社は、イタリア・フィレンツェのリプロダクト家具メーカーです。自社工場内でほとんどの生産工程を行うことで、本格的なリプロダクト製品を数々生み出しています。
DESIGN900 エッグチェアは、本革を使用したリッチなボールチェアです。
革はカラフルなものからシックなものまで、合計12色から選ぶことができ、使い込むことで経年変化も楽しめます。
商品名:steel line DESIGN900 エッグチェア
アールニオデザインの他の椅子もチェック
エーロ・アールニオ氏がデザインした椅子は、ボールチェア以外にも種類があります。アールニオデザインの名作椅子を見ていきましょう。
ボールチェアの進化形「バブルチェア」
バブルチェアは、エーロ・アールニオ氏が1968年にデザインした椅子です。真正面から見ると円形、側面から見ると半球になっています。
内側が暗くなりがちなボールチェアに光を取り入れようと、スケルトンのアクリル素材を使用し、デザインされました。座ると、まるでシャボン玉の中に入っているかのような不思議な感覚になります。
革やポリウレタン素材のクッションが備え付けられていますが、お気に入りのクッションを置いてアレンジすることも可能です。
また、当初は天井からチェーンでつり下げる仕様でしたが、一般家庭でも設置しやすいハンギングベースに変更されました。ハンモックのような心地よい揺れがあり、座るだけでリラックスした気持ちになれるでしょう。
ハンモックのおすすめ12選|自宅でもアウトドアでも楽しめる|Domani
錠剤という名の椅子「パスティルチェア」
パスティルとは「錠剤」という意味で、丸みのあるデザインが愛らしいラウンジチェアです。“甘くて小さなお菓子”から発想を得てデザインされたといわれています。カラフルなキャンディーやチョコレートを連想させるような、かわいらしくてポップな見た目が特徴です。
素材には、ボールチェアと同じ強化プラスチックを使用しています。室内はもちろん、芝生や雪の上などの屋外でも使用できる優れた耐久性も魅力の一つです。
底面にやや丸みがあるので、ロッキングも楽しめます。床に近い高さのため、座る人は安心してくつろげるでしょう。
モダンなのにかわいい「パピーチェア」
パピーチェアは、2003年にエーロ・アールニオ氏がデザインし、現在はイタリアのMAGIS社が子ども用のおもちゃとして製造しています。
PUPPY(パピー)は子犬という意味で、子どものおもちゃを兼ねたインテリアとしてはもちろん、庭やベランダに置くオブジェとして使うことも可能です。
素材には耐久性の高いポリエチレンを使用しており、丸みを帯びたフォルムは手触りがよく、子どもでも安心して使えます。
4種類のサイズと、ダルメシアンを含む7色から選択できるので、部屋の雰囲気に合わせてお気に入りのカラーを選んでみてはいかがでしょうか。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
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