インタビュー前編
▶︎「学びを得ることができる作品が好き」柴咲コウ監督インタビュー(前編)|短編映画『巫.KANNAGI』
これが〝チームで作品を作るということなんだな〟と実感できてめちゃくちゃ高揚しました
–––– 『巫.KANNAGI』では監督を務めただけでなく、キャストとして出演もされていますが、両方となると大変だったのでは?
今回改めて「俳優って大変!」と思いました(笑)。本来、映画というのはディレクションする人や企画者、プロデューサー、美術や衣装など様々なスタッフ、キャストで制作されています。つまり俳優はクルーの中のセクションのひとつなのですが、作品の善し悪しを俳優のお芝居で判断する人もいるので、「この映画がつまらないのはあの俳優のせいだ」と言われてしまうこともあるんですね。それで今回、現場でメイクしてもらっている時に、ふと「私、今日お芝居するんだった」と思ったら急にプレッシャーを感じ始めて。
–––– それは監督として現場にいたからこそ感じたプレッシャーだったのでしょうか。
おそらくそうだと思います。本作を撮る前までは無意識に感じていたのかもしれないですね。
写真をもっと見る–––– 今回、俳優として学んだことがあれば教えていただけますか。
演じている最中に「ちょっと今のは違うかな」と思っても、監督はそのお芝居が良いと感じているかもしれないので、自分の中だけで判断しないようにしようと思いました。
–––– 監督としてやりがいを感じた瞬間はありましたか。
チーム全員でワンカットワンカット集中して撮った映像が、自分の頭の中で描いていたもの以上だったときの快感たるや!(笑)。その瞬間に俳優さん、カメラマンさん、そして全てのスタッフに「ナイス!」と思いましたし、これが“チームで作品を作るということなんだな”と実感できてめちゃくちゃ高揚しました。
写真をもっと見る–––– また監督にチャレンジしたいというお気持ちは?
あります。今回カメラマンさんや美術さんなど女性のスタッフが多かったのですが、本当に素晴らしい方ばかりで良いチームだったので、今後また監督をやる機会があったら同じチームで撮れたらいいなと思っています。
–––– 柴咲さんはご自身のやりたいことや夢を次々と実現されている印象があるのですが、なにか秘訣のようなものはありますか?
「怖がらないこと」かな。人って周りからどう見られるかを考えてしまいがちですが、私はそういうのがあまりないんです。こういうお仕事をしていると、人格やイメージが勝手に作られていくし、会ったこともない人が私を知っているかのように話したりするんですよね(笑)。だけどそれは演じた役のイメージが大きく影響していて、私自身はそれでいいと思っているんです。周りから「こう思われたい」とか「こういう風に見てもらえるかも」と期待するとがんじがらめになって可能性を狭めてしまうので、とにかく自分がワクワクするものや興味があることを、怖がらずにどんどんやったほうが絶対に楽しいと思います。
写真をもっと見る–––– 今後やってみたいことはありますか?
地に足をつけた生き方をするというか、今あるものを育んでいくというのが目下の課題です。将来のことを考えすぎるよりも、いまを丁寧に生きることが大切だと思っています。
時おり素敵な笑顔を見せながら、様々な質問に丁寧に答えてくださった柴咲コウ監督。そんな柴咲さんが監督した短編映画『巫.KANNAGI』(『MIRRORLIAR FILMS Season2』)は現在公開中。ぜひ劇場でご鑑賞ください!
インタビュー前編
▶︎「学びを得ることができる作品が好き」柴咲コウ監督インタビュー(前編)|短編映画『巫.KANNAGI』
■短編映画『巫.KANNAGI』(『MIRRORLIAR FILMS Season2』 )※公開中
4年前に父親を亡くした少女〝さな〟は、母親と慎ましくも幸せに暮らしていたが、ある日、2人の前に突然メッセンジャーが現れる。なぜ彼女は現れたのか・・・。貧困や孤立など現代社会に潜む闇が徐々に映し出されていくー。
出演者:矢部俐帆、しゅはまはるみ、山崎樹範、柴咲コウ
※「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」は、伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。 大好評だったSeason1に続き、Season2 は初監督組を含め9人の監督が参加。15分以内という限られた時間の中で、現代社会の問題を提起する作品、人と人とのつながりの尊さを描いた作品、自身の思い出の場所を記録した作品、初期衝動を爆発させた作品など、監督それぞれのメッセージが色濃く刻まれた個性豊かな9作品がオムニバス形式で公開される。
▶︎公式HP
(C)2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
撮影/三橋優美子 ヘアメイク/川添カユミ スタイリスト/柴田 圭 取材・文/奥村百恵
柴咲コウ
俳優・アーティスト・レトロワグラース代表。 2017年NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」では主演を務める。 2016年持続可能な社会を作るため「レトロワグラース」を設立、 2018年には環境省より「環境特別広報大使」に任命される。 2022年2月18日 短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ) Season2』にて初監督作品『巫.KANNAGI』が公開された。 同年に、TBSテレビ金曜ドラマ『インビジブル』(4月スタート)、映画『ホリック xxxHOLiC』(4月29日公開予定)、映画『沈黙のパレード』(9月16日公開予定)、映画『月の満ち欠け』(22年冬公開予定)の出演が決定している。
ドレス ¥85,800(CINOH/MOULD)、ピアス ¥9,900・リング ¥8,250(PANDORA/PANDORA カスタマーサービス)、シューズ ¥148,500(MANOLO BLAHNIK/ブルーベル・ジャパン株式会社) ※全て税込価格 ※その他スタイリスト私物
<問い合わせ先>
MOULD 03-6805-1449
PANDORA カスタマーサービス 0476-50-2638
ブルーベル・ジャパン株式会社 03-5413-1050