こんにちは、editor_kaoです。
先日、ある展示会(もう来年の春夏!)に行ってきました。以前からよく知っているブランドで、カジュアルだけど大人っぽく、そして主張の強すぎないところがお気に入り。しかしながら素材開発から考えるなど、洋服づくりに対する情熱がしっかりあるところも、好感がもてます。探すと、決して大手ではないけれど、日本にもこういったブランドっていくつもあって、展示会で話を聞いているだけでも面白い。ショップで商品だけを見るだけでは、あまりわからないのですが、ブランドの背景を知ることで、もっと洋服を大切にしなくては、という思いもわいてきます。
シンプルだからこそ、試着して初めて気づくことが
ところでちょうどこのとき、タイミングよく来場者が少ない時間帯で、新作を見るだけでなく、試着もすることができました。しばし仕事を離れて、個人的に着てみたいなと思うアイテムを数点セレクト。着替えて、鏡の前に立ってみます。
……わ、なんか気持ちいい。
着用したのは、白いオーガニックコットンのノースリーブニットと、グレーのリネンジャージーのドロストパンツ。休日にこんな着こなしでいられたらいいな、と思う、リラクシーな組み合わせです。どちらもすごくシンプルなデザインで、一見してはわからないのですが、身につけてみると、大人の体に無理なくフィットするシルエットということを実感。パンツなんて、タックが入っているわけでもないのに、不思議とお腹まわりがすっきり見える。落ち感もよく、なんとなく美脚効果もあるような気が。そう感想を伝えると、脚が長く見えるよう、すその切り替えに工夫があるとのこと。なるほど、これは試着してみないと、なかなか気づきません。
そして、リネンジャージーのさらっとした肌触りもいい。聞けば、透け感がある素材なので、太もも部分まで裏地が付いているのですが、着心地を重視したため、それを同じ素材でつくったそうなんです。そうか! はいていて違和感がない理由はそれかと、すごく納得がいきました。「本当は、贅沢なつくりなんですけど…」と、ブランドの方はおっしゃっていましたが、こういう気配りって、大手のブランドだと、コストの問題でなかなか難しいこと。価格はそれなりではありますが、着る側も、大人のこだわりとして受け止めたいところです。
フィット感にお金をかけるのが、大人の贅沢
そのあとも、調子に乗ってワンピースやカットソーなどを何枚も試着したのですが、久しぶりに、とても気持ちのいい経験をしたなと感じた出来事でした。カジュアルブランドとしては価格もそれなりなので、何枚も買えるような感じではありませんし、デザインもシンプルだから、プチプラブランドでも代用が効きそう……と、思っちゃいがち。ですが、実際に着てみると、ほかでは体感することのできない心地よさがあるなと、改めて思ったんです。すっきりしたデザインの、体に優しくフィットする洋服を着るのって、まるでシャワーを浴びたあとのような爽快感が(←伝わる?)。でもこれこそが、本当の贅沢なのではないかと思ったんです。
SNSの発展で、キャッチーなデザインが人気な今ですが、それと同時に、控えめであることのよさも知っておきたいもの。バランスよく使いこなして、日々のおしゃれを楽しみたいですね。
【今日のひと手間】
先日、地方出張に行ってきたときのスタイルをご紹介。取材先がそこまで堅苦しくなかったので、ジレである程度きちんと感を出しながらも、今っぽさを意識して、インナーをロゴTにしてみました。ボトムは黒パンツでセットアップ風の組み合わせに。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ