家には〝住む人〟が表れるもの。好きなものに囲まれて、心地よく暮らす人のインテリアには、自分らしく生きていくためのヒントがありました!
PROFILE
黒田 慶子さん
32歳。出版社の広告営業を経て、現職。育休明けから時短勤務中。
出産を機に、東京・六本木から地元の神奈川県逗子市へ。
[ 居住地域 ] 神奈川県
[ 居住面積 ] 133.5平方メートル(3LDK)
[ 居住形態 ] 持ち家。築35年の実家マンションをフルリノベーション
[ 住宅設計 ] SUPPOSE DESIGN OFFICE(谷尻誠+吉田愛)
[ 家族構成 ] 夫、長男、愛犬と〝4人〟暮らし
古い家具もなじみのびのび過ごせる開放感
東京・六本木に住み、職住近接だった黒田さん。「子育ては自然豊かな場所で」という夫婦共通の思いから、出産を機に黒田さんの実家をリノベーション。美術館のような開放感、新しさより落ち着いた雰囲気に…という希望どおり、建築家・谷尻誠さん、吉田愛さんらが手がけたシンプルモダンな住まいは、抜けのある空間、愛用の家具、グレーの天井や壁、真鍮の照明などがこなれた雰囲気を醸しています。
「テラス側の小上がりなど、遊びの部分も気に入っています。大きなLDKは、家族が一緒にいても窮屈さがないんです」同じ空間にいながら、それぞれがゆったり過ごせる距離感もお気に入り。キッチンに立つと、テラス越しに逗子海岸や山が見え、台所仕事も心地よくこなせるそう。休日は海岸まで散歩。オンとオフが自然と切り替わる、素敵な住まいです。
Dining
黒田さんが使っていた部屋とリビング、キッチンをつなげて約30畳のLDKに。下地剤のみで仕上げたグレーの天井や壁は塗りムラも味に。アイランドカウンターは圧巻の4.5m!キッチンとの仕切りでありながら、リビング、ダイニングをゆるやかにつなげている。経年で黒くなったテーブルや床、天井の廻り縁などは表面を削ることで、新しい空間になじませて。
アイランドカウンターはホームパーティで料理を並べたり、アイロンがけなどの作業台にも。下はたっぷりの収納スペース。
照明のスイッチはカウンター脇に。壁面を大きく使って広く見せるという建築家の提案から。さりげなくて生活感が抑えられてとてもおしゃれ!
よく使うキッチンツールは吊り下げて見せる収納。
Entrance
個室の扉は引き戸に替えることで、開け放すと廊下に自然光がたっぷり入るように。天井の廻り縁や巾木などもリビングと同じ素材に。
玄関のシューズボックスは古材のような味のある素材をチョイス。
Living
キッチンから続くリビング。ベビーベッドは、常にだれかがいる場所に。白のレザーソファは「アルフレックス」で買った〝マレンコ〟。
ベランダ側に続く高さ約10㎝の小上がりは、来客用のセブンチェアや子供のおもちゃ、グリーンなどの〝居場所〟に。遊びのある余白で空間にリズムが。
Display
季節の花は欠かさない。壁には山下達郎などのアルバムジャケットも多く手がけた鈴木英人さんのイラスト。
照明は真鍮メッキ。ペンダントライトは水平のシェードが光を反射させ、温かな光が降り注ぐ。
黒田さんのお家ルール
■グレーと真鍮素材でこなれた雰囲気に
■壁面は大きく取って広く見せる
■古い家具も手を加えながら愛用
Domani6月号 「おしゃれな人の暮らす部屋」に共通するもの より
本誌撮影時スタッフ:撮影/sono(bean) 構成/松田亜子