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「感心」の正しい意味とは
「感心」という言葉には、以下のようにさまざまな意味があります。
【感心】かん‐しん
[名](スル)
1 りっぱな行為や、すぐれた技量に心を動かされること。心に深く感じること。感服。「うまいことを言うものだと—する」「あまり—できないやり方だ」
2 (逆説的に用いて)あきれること。びっくりすること。「ばかさかげんに—する」
[形動][文][ナリ]りっぱであるとして褒められるべきさま。「親思いの—な少年」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
心が深く感じることを意味することもあれば、あきれることを意味するように、「感心」という言葉はポジティブにもネガティブにも捉えられる言葉です。
まずは、それぞれの正しい意味について深堀りしていきましょう。
「感心」のポジティブな意味
辞書の解説の1にあるように、「感心」には、「立派な行為や優れた技量に心を動かされる」という意味があります。相手に対して尊敬の気持ちを抱く「感服」も表す言葉です。
ポジティブに「すごい」、「素晴らしい」と相手のことを褒めたいときにも「感心」という言葉は適しています。反対に、立派だと思えない行為は「感心できない」と言い表すこともできます。
「感心」のネガティブな意味
「感心」には、ポジティブな要素を逆説的に用いた「あきれる」、「びっくりする」という意味もあります。どちらも驚く様子を表す言葉です。
ただし、「感心」を使った場合は、単純に驚いているのではなく、遠回しに非難しているようなニュアンスになります。前後の文脈や言い回しによっては、相手に対して失礼だったりネガティブな印象を与えたりしてしまうため注意が必要です。
「感心」と「関心」の違い
「感心」と同じ響きを持つ言葉には、「関心」が挙げられます。「関心」とは、ある物事に心を引かれて注意を向けることです。
心が動く点は「感心」と共通していますが、「関心」の対象は、立派な行為や優れた人に限ったものではありません。良いこと、悪いことに関係なく興味を持つことを表しています。
主に「関心がある」、「関心が高まる」、「関心の的(まと)」のように用いられる言葉です。
かん‐しん〔クワン‐〕【関心】
ある物事に特に心を引かれ、注意を向けること。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「感心」を使った例文
「感心」には、ポジティブとネガティブの2つの要素があるとお伝えしました。ここからは、それらの意味をふまえ例文についてみていきましょう。
特に、ネガティブな印象を与える使い方には注意が必要です。どのような言い回しをすると否定的に聞こえるのか、例文をぜひ参考にしてください。
・誰より早く出社して掃除をするなんて、いつも感心だね。
・彼女の努力を怠らない姿勢には、感心させられるよ。
・演説で語られた内容に、とても感心した。
・彼の彼女への横柄な態度は、とても感心できるものではないな。
・期待して出かけた映画だったのに、あまりのばかげた内容に感心した。
・こんな基本的なことも知らないとは、感心するよ。
「感心」の類語や言い換え表現
「感心」には、以下のような類語や言い換え表現があります。
・感動(かんどう)
・感銘(かんめい)
・感激(かんげき)
いずれも「感心」のように、ある物事に対して心が動かされることを意味する言葉です。また、3つともポジティブな意味合いで用いられます。
具体的な使用例を参考に、「感心」との細かなニュアンスの違いなどについて確認していきましょう。