Contents
「依然」や「依然として」の意味とは

(c)AdobeStock
「依然」は、単体のほか「依然として」の形で用いられます。主に、物事に変化がないことを意味する言葉です。
以下のように後に文章をつなげることで、「前と変わらず」、「もとのまま」というニュアンスが伝えられます。
・依然として不景気だ
・依然として事故が後を絶たない
・依然高い水準を示している
日常会話はもちろん、ニュースなどでも度々使用される言葉です。次でご紹介するように、ビジネスシーンでも活用できます。
い‐ぜん【依然】
[ト・タル][文][形動タリ]もとのままであるさま。前のとおりであるさま。語幹だけで副詞的にも用いる。「依然として不景気だ」「旧態依然たる生活」「台風は依然南方洋上にいすわっている」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
ビジネスで使える「依然」の例文

(c)AdobeStock
ビジネスシーンでは、仕事の進捗状況や経営状態などについて伝えるときに「依然」を活用できます。使用例は、ぜひ以下を参考にしてください。
・経営状態は依然として厳しい状態が続いている。
・人員不足が続いているが、依然として新規雇用のめどは立っていない。
・昨日からシステムの不具合が発生し、依然解決には至っていない。
・トラブルの原因は、依然不明のままである。
・昨年12月に販売した商品の売れ行きは、1年が経過しても依然好調だ。
・観光産業の景気は、国内外の需要を受け依然好調な動きを見せている。
「依然」と「以前」の違い

(c)AdobeStock
「依然」と「以前」は、同じ読み方の漢字です。ただし、意味合いはまったく異なります。
「以前」は、今よりも前のことを指す言葉です。「以前、一度お会いしたことがあります」のように用いられます。
また、「物事が一定の状態へと達する前」という意味をもつ点も特徴です。例えば、「結婚以前の住所」は、結婚という状態に至るまでに住んでいた場所を表します。
さらに「13時以前」、「5日以前」のように具体的な時間や日にちより前を表すこともあります。
このように、「以前」は「依然」と読みは同じでも複数の意味をもつことを覚えておきましょう。
「依然」の言い換え表現

(c)AdobeStock
「依然」には、以下のような言い換え表現があります。
・今もなお
・現在に至るまで
・相変わらず
シーンによっては、「依然」よりこれらの言葉の方が適している場合もあります。ここでは、それぞれの意味を例文とともに見ていきましょう。