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働きやすい職場かどうかを見極めるうえで、年間休日の数は気になるポイントでしょう。「年間休日って最低ラインはどのくらい?」などの疑問の声も聞こえてきそうですね。また、「年間休日が多いとホワイト企業なの?」など気になる点はいろいろあることでしょう。
そこで、この記事では、法律上の年間休日の最低ラインや実態の見極め方、理想的な働き方を考えるためのヒントを解説します。
年間休日の最低基準とは? 法律で定められたルールを解説
まずは、法律で定められている最低ラインについて確認していきましょう。
年間休日の最低ラインは何日? 法律上の基準
年間休日とは、会社が従業員に与える1年間の休日数のことです。実は、「最低○日」といった基準は法律上明確には定められていません。ですが、1日8時間勤務なら、年間休日数105日以上が最低ラインになりますよ。
ここでおさえておきたいのは、休日と労働時間の法律上の基準。会社には、従業員に週に1回、もしくは4週間で4日以上の休みを与える決まりがあります。また、働ける時間には上限があり、原則1日8時間、週40時間までとされていますよ。
そのため、毎週1日しか休みがない場合は、そのままだと労働時間オーバーになってしまう可能性大。ですので、1日8時間勤務なら、年間休日数105日以上が必要となるわけです。
詳しく知りたい方は、次の東京労働局の解説資料をチェックしてみてくださいね。

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有給休暇を含める? 年間休日のカウント方法
基本的に、「年間休日」と「有給休暇」は別物です。年間休日とは、カレンダー上であらかじめ定められた休みの日のこと。つまり、働く義務がない日ということですね。
一方、有給休暇は、本来働く義務がある日に、従業員が自らの都合で取得する有償の休暇制度です。一言で「休みの日」といっても、このような違いがあるということは、おさえておきたいポイントですね。
年間休日○○日ではどんな働き方になる? 具体的なケースを紹介
転職サイトなどでよく見かける「年間休日○○日」という数字。それぞれの数字が示す働き方の実情を知ることで、自分に合った働き方が見えてくるかもしれません。
年間休日105日の場合
この水準は、例えば1日8時間勤務×週5日であれば、法定労働時間(週40時間)を守ることができる最低限のラインです。この場合、「残業や休日労働などがあると、ハードに感じる」や、「長期休暇が取りにくい」などの声も。また、近年は、年間休日数を増やす企業も増えてきており、「他社と比べて休みが少ない」と感じる人もいらっしゃるかもしれません。
年間休日120日以上の場合
「年間休日120日以上」と聞くと、条件のいい職場のように感じるかもしれませんね。ちなみに、令和6年調査によれば、令和5年1年間の年間休日総数の1企業平均は 112.1 日となっていますよ。そのため、年間休日120日以上というのは、比較的年間休日が多めだといえるでしょう。
実際、土日祝日に加えて、年末年始や夏休みがあるという企業も。働く人からは、「年間120日以上だと、ワークライフバランスに配慮している印象がある」という声も耳にします。
年間休日が少ないと違法? ブラック企業の見極め方
「年間休日が少ない=ブラック企業」なのでしょうか? 実はそうとは言い切れません。実際に違法かどうかを見分けるには、労働時間との関係や実態を見ることが大切です。
年間休日と労働時間の関係|ブラック企業の特徴
年間休日が少ないだけでブラック企業と断定はできません。というのも、1日の所定労働時間が8時間より短いケースもありえるからです。また、年間休日数だけでは判断ができないこともあるでしょう。特に、求人上の年間休日数は多いものの、残業や休日出勤が常態化しているという職場もあるので、要注意。
実際に、ある小売業の会社で働くAさん(40代女性)は、休日に職場から急に電話がかかってきて、「人が足りないから出勤して」と言われることが多いといいます。
Aさんは、「今の職場は休日出勤が当たり前で、転職してしまう人も多いんです。結果、常に人が足りないので、残ったメンバーの休日出勤でカバーするという悪循環。私もそろそろ別の仕事を探そうかと思っています…」と語ってくれました。
こういった実態は、求人募集を見ただけでは判断が難しいですよね。転職サービスの口コミなどをチェックしてみると、実態が分かるかもしれません。

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