重曹は安全性が高く、皮脂や臭いなど日常の汚れをやさしく落とせます。
Summary
- 重曹は洗濯槽のカビや臭い、皮脂汚れをやさしく落とす人気の掃除アイテム。
- 重曹と他の洗剤の違いや、併用時の注意点・避けるべき組み合わせも徹底解説。
- 掃除後の臭いやカス残り、失敗例への対処法も詳しくフォロー。
洗濯をしていると、洗濯槽のカビや臭いが気になったことはありませんか? 重曹は、手間をかけずに洗濯槽をきれいにする家庭の強い味方です。この記事では、なぜ重曹が選ばれるのか、ドラム式や縦型での使い方、さらに他の洗剤との使い分けや注意点を創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
初めて挑戦する人にも分かりやすく紹介します。
洗濯槽の掃除に重曹が選ばれる理由と基本の知識
忙しい毎日の中で、洗濯槽の汚れやカビは気になりやすいポイントです。ここでは、重曹を使う理由やその特徴、他の洗剤との違いについて分かりやすく解説します。

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重曹を使った洗濯槽掃除のメリット
重曹が選ばれる理由は、日常の汚れにしっかり対応できる点にあります。粉末状の重曹は水に溶けると弱アルカリ性となり、衣類に付着した皮脂や洗剤の残り、微細な汚れを浮かせるはたらきがあります。化学成分が少なく、手や衣類にやさしいため、敏感肌の家族にも安心です。重曹は香りが強くないため、掃除後も衣類に香りが残りません。
また、洗濯槽内のカビや菌の繁殖を抑えるため、定期的な使用で洗濯機の衛生状態を保ちやすくなります。経済的な負担が少ない点も、長く家計を守りたい人に支持されている点でしょう。
重曹とクエン酸・オキシクリーンの違い
重曹・クエン酸・オキシクリーンには、それぞれ得意分野があります。重曹は油分や軽い汚れの除去が得意で、毎日の掃除に向いています。クエン酸は水道水のミネラル成分が固まった白い汚れ(いわゆる水垢)や、金属部分のくもりに有効です。オキシクリーンは、重曹よりもアルカリ性が強く、しつこい皮脂汚れや黒ずみに対応します。
洗濯槽掃除で「どれを使えばいいかわからない」と迷ったときは、目的や汚れの種類を手掛かりに選ぶと無駄がありません。素材や汚れの度合いによって、使い分けが大切です。
洗濯槽のカビや臭いの原因とは?
洗濯槽の裏側は、目に見えない汚れがたまりやすい場所です。衣類に付いた皮脂や汗、洗剤の溶け残りが見えない部分にこびりつき、湿度や気温が高い時期にはカビの温床になります。乾燥しきれずに湿ったままの状態が続くと、カビや雑菌が一気に増えやすくなります。
臭いの元は、これらの汚れや菌の繁殖によるガスです。表面的にはきれいでも、内部の状態が悪化すると衣類まで臭いが移ってしまいます。定期的な掃除が快適な暮らしを守るための大切な習慣です。

重曹で洗濯槽を掃除する具体的な手順とコツ
初めて行う人でも分かりやすいように、重曹での掃除方法を実際の手順ごとに紹介します。
用意するものと重曹の適量
掃除を始める前に、必要な道具を準備することが大切です。重曹200g前後(市販の小袋1つ分程度)が一般的な洗濯槽に適した分量です。用意するのは、重曹のほかに40℃程度のぬるま湯、汚れをすくうネット、汚れの取り残しを拭き取るための柔らかい布やスポンジです。洗濯機の説明書を手元に置き、槽洗浄モードや高水位設定ができるかを確認しておくと作業がスムーズになります。
ドラム式・縦型それぞれの掃除手順
縦型洗濯機の場合は、高水位までぬるま湯をためてから重曹を全体にふり入れます。重曹がまんべんなく溶けるよう、軽くかき混ぜてから3時間ほど放置すると、洗濯槽の裏側の汚れが浮き上がりやすくなりますよ。その後、標準コースで運転し、洗い終えたら浮いた汚れやゴミをネットですくい取ります。
ドラム式の場合は、洗剤投入口から重曹を入れます。水量が少ないタイプが多いので、重曹が全体に行き渡るようにお湯(40℃程度)を使い、槽洗浄コースやお湯洗いモードを活用してください。作業中は扉のパッキン周りに汚れがたまりやすいため、汚れが残っていれば柔らかい布で拭き取ります。洗濯機ごとのモードや設定によって細かな違いがあるため、手順に迷った場合は取扱説明書の指示を参考にしましょう。

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失敗しないためのポイントと注意点
重曹掃除でよくある失敗は、重曹がしっかり溶けていないまま運転し、洗濯槽や排水口に粉が残ってしまうことです。事前にぬるま湯に重曹をよく溶かし、分量を守ることがトラブル回避の手掛かりです。
掃除後、ゴミやカスが残った場合は、必ずネットですくい取り、洗濯槽の壁面も柔らかい布で仕上げ拭きすると清潔感が長持ちします。重曹は安全性が高いですが、排水の流れが悪いと感じたら、しばらく水だけで運転して洗い流すと安心です。重曹以外の洗剤を同時に使わないことも、安全面で大切なポイントです。

重曹はぬるま湯で溶かし、適量を守って槽全体に行き渡らせるのがコツです。
重曹と他の洗剤を組み合わせる場合のポイント
重曹だけでなく、クエン酸やオキシクリーン、ハイターなど他の洗剤を併用する場合の注意点や手順を説明します。安全に使うための肝要や、避けるべき組み合わせにも触れます。
重曹+クエン酸の組み合わせと注意点
重曹とクエン酸を組み合わせると、化学反応によって発泡が起こり、こびりついた汚れや洗剤カスが浮きやすくなります。実際に使う際は、まず重曹で槽全体をアルカリ性の状態にし、しばらく放置した後でクエン酸を加える方法が効果的です。
洗濯機のタイプによっては発泡が激しく、排水トラブルや水漏れのリスクが生じることがあるため、心配な場合は必ずメーカーの取扱説明書を確認しましょう。クエン酸や重曹は、表示された分量を守って使うことが安全な掃除につながります。