ルーティンとは

日常的に使用されるカタカナ語の中には、理解が曖昧なまま使われているものがありますが、「ルーティン」もそんな言葉のひとつです。まずは、ルーティンの意味を解説します。
特定の動作を繰り返すこと
ルーティンとは、英語の「routine」を日本語で発音しやすくしたカタカナ語です。意味は「特定の動きを繰り返し行うこと」。日本語で表現するのであれば、「日課」や「習慣」と訳すことができるでしょう。
ルーチン(routine)
《「ルーティン」とも》
1. きまりきった手続きや手順、動作など。また、日常の仕事。日課。「ルーチンワーク」
2. コンピューターで、プログラム中のひとまとまりの機能をもつ命令群。最初に実行されるメーンルーチンと、メーンルーチンから呼び出されるサブルーチンとがある。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
世の中で使われているルーティンは、厳密には2種類あるといわれています。1つ目が、毎日同じ時間に特定の動作を行うというもの。こちらは「モーニングルーティン」や「ナイトルーティン」といった言葉が例として挙げられます。
そして2つ目は、特定の場面で決まった動きをするというものです。スポーツで言えば、野球でバッターが打席に立つ前に行うルーティンや、ラグビー選手によるキック前のルーティンなどが該当します。
ルーティンの具体例
ルーティンという言葉の意味をよりわかりやすくイメージするには、具体例を知るのが有効です。たとえば、日常生活におけるルーティンには以下のようなものがあります。
・起床していちばんに歯を磨く
・食後に1杯コーヒーを飲む
・ベッドに入る前、30分読書をする
ビジネスシーンにおけるルーティンとしては、下記のようなものが挙げられるでしょう。
・仕事を始める前にその日のタスクリストを作る
・出社後すぐにメールチェックをする
・作業を行う前に手順をメモする
日常の何気ない動作でも、習慣化すればルーティンになりえます。
ルーティンを作るメリット

できるビジネスパーソンが「仕事前のルーティン」や「就寝前のルーティン」を作る裏には、「ルーティンを作るメリット」が隠されているといえるでしょう。そのメリットととは何なのかを解説します。
集中して物事に臨める
ルーティンを作るメリットとしてまず挙げられるのが、その後に続く仕事に集中できることです。仕事に取りかかる前のルーティンが決まっていると、何も考えずにそれをこなすだけで次の仕事に着手でき、集中力も高まりやすくなります。
つまり、仕事前のルーティンを習慣化することで、脳が「その動作をしたら仕事に集中できる」と学習してくれるのです。たとえ集中できずにモヤモヤしていたとしても、習慣化したルーティンを行えば、自然と頭が仕事モードに切り替わるでしょう。
スイッチを簡単に切り替えられる
ルーティンをうまく活用すれば、オンとオフの切り替えが容易になるといわれています。スイッチを切り替える手段としてルーティンを用いれば、生活にメリハリが生まれるはず。
オンに切り替えるルーティンとして有効なのが、先ほど述べた仕事前のルーティンです。たとえば「仕事に取りかかる前にデスクを掃除する」という動作をルーティン化して行えば、自然と気持ちが仕事モードに切り替わるでしょう。
オフに切り替えるルーティンとしては、帰宅後のルーティンが挙げられるでしょう。「帰宅したらお気に入りのアロマキャンドルに火を灯す」という動作を習慣にすれば、気持ちがやんわりとほぐれていくはずです。
変化やトラブルを察知しやすくなる
ルーティンを実行していると、変化やトラブルをいち早く感じ取ることができるようになります。
たとえば「就寝前の英語学習」をルーティン化しているにもかかわらず、何だかいつもより集中できないときには、〝知らぬ間に疲れが溜まっているかもしれない〟と自覚できるはずです。
また、ルーティン化した作業をいつもどおりこなしているのに、明らかにいつもよりも時間がかかる場合には、仕事の過程で何かしらの問題が発生している可能性があるといえるでしょう。
ルーティンの実践によって些細な変化に気づけたら、大事にいたる前の対処が可能になります。
ルーティン化のコツは?

ルーティンを習慣化するには,ちょっとしたコツが必要です。コツを無視してルーティン化を行おうとすれば、うまくいかずに途中で挫折してしまうかもしれません。ルーティン化の極意を2つ紹介します。
目的や目標を明確化する
行動をルーティン化するには、まずルーティン化を目指す目的や目標を設定しておくことが重要です。最初にそこを決めておかないとモチベーションを保てなくなり、いつしかルーティンが曖昧なものになってしまいます。
仕事におけるルーティン化の目的や目標としては、以下のようなものが挙げられます。
・定時で帰宅するため
・メールの対応漏れをなくすため
日常生活におけるルーティン化であれば、下記のような目的や目標を掲げるとよいでしょう。
・早起きを定着させるため
・ダイエットを成功させるため
目的や目標を設定するときは、自然とモチベーションが上がるようなものにすることをおすすめします。
小さなことから実践する
ルーティン化を始めるときは、負担の小さなことからにしましょう。はじめから時間のかかるルーティンを実行しようとすると、生活をガラリと変える必要があるため、習慣化の難易度もぐんと上がってしまいます。
これは一例ですが、すんなり眠れるようになることを目的にルーティン化を目指すとしましょう。その際は、「就寝前の30分をストレッチの時間にする」などと時間がかかることを実行するのではなく、まず「寝る前に睡眠計測アプリをオンにする」程度のことから始めるのが有効です。
小さな目標を達成し、成功体験を積み重ねながら、段階的にステップアップしていきましょう。
まとめ

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ルーティンとは特定の動作を繰り返すことを指す
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ルーティンを作るとさまざまなメリットがある
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ルーティン化を成功させるにはコツが必要
仕事におけるルーティンには、仕事に向かう集中力を高めてくれたり、気分を仕事モードに切り替えてくれる効果が期待できます。ビジネスパーソンにとって心強い味方になりますので、積極的に取り入れて、仕事の効率化を目指しましょう。
メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock
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Domani編集部
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