思い通りに進まない時のイライラは、無力感や焦りが原因となりやすい。
Summary
- 思い通りに行かないとイライラするのは誰にでも起こる感情です。
- 背景には無力感や焦り、強い責任感など心理的要因があります。
- イライラの頻度や強さが生活に支障を与える場合は専門家の助けも考慮しましょう。
思い通りにいかないとイライラしてしまう自分に、ふと嫌気が差すことはありませんか? 誰もが経験する感情ですが、その背景には意外な心理や病気が潜んでいる場合もあります。
本記事では、イライラの仕組みと向き合い方から具体的な対処法まで、働く世代に向けてわかりやすく整理してお届けします。今の自分を少しでも変えたいと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
思い通りに行かないとイライラする… その感情、放置していませんか?
思い通りに行かないとイライラしてしまう―そんな自分に悩む人は少なくありません。この記事では、その背景に潜む心理や病気の可能性を踏まえつつ、感情との向き合い方や実践的な対処法をわかりやすく解説します。
思い通りに行かないとイライラする心理とは?
計画や期待通りに物事が進まないとき、人は「無力感」や「焦り」を感じやすくなる傾向があります。このような感情は、自己評価や周囲の視線に敏感な状況では特に強まりやすいとされています。
また、強い責任感を持つ人ほど「自分がコントロールすべき」と考えがちで、予定外の事態に対する許容度が低くなることもあります。
結果として、目の前の状況が思い通りにならない場合に、感情のバランスを保ちにくくなり、イライラを引き起こしやすくなります。

もしかして病気? 考えられる背景と注意すべきサイン
イライラする感情は、状況次第で誰にでも起こり得ます。しかし、その頻度や強度が日常生活に支障を与えている場合は、何らかの精神的な要因が関与している可能性も否定できません。
一例としては、注意力や衝動性に関わる特性が強く現れている場合、それに伴って怒りが爆発しやすくなることがあります。また、気分の浮き沈みが激しい状態では、小さなきっかけで強い不快感が生まれやすくなることも考えられます。
自身の感情変化に対して「なぜこんなにも振り回されるのか?」と感じる場面が増えたときには、専門家のアドバイスを参考にするのも一つの方法です。
イライラしやすい人に共通する特徴と行動パターン
イライラが表に出やすい人には、「期待通りにいかないこと」への不満や不安、失望の気持ちが強い傾向が共通して見られます。その背景には、柔軟に対応する余地よりも、「こうであるべき」といった強い基準を重視する傾向が影響している可能性があります。
また、周囲の言動に対して過度に敏感になっているとき、自分の期待通りに反応が返ってこなかった場面で、内心の苛立ちが顕在化しやすくなります。これらは、普段から無意識に繰り返してしまう思考や行動の積み重ねによって強化されていることもあるため、自分の傾向を冷静に観察する姿勢が役立ちます。


思い通りに行かないとイライラする感情への対処法
感情を完全に消し去ることはできませんが、適切な対処法を知ることでコントロールは可能です。ここでは、今日から試せる実践的な方法を紹介します。
認知を変える|イライラを和らげる思考法
まず、「他人や環境は、自分の重い通りに動いてはくれないものだ」という前提を、頭の中にインストールしましょう。そして、感情の揺れを抑えるには、自分自身の「ものごとの捉え方のクセ」に意識を向けることが一つの手がかりになります。
状況に対する「こうでなければならない」「こうあるべきだ」という思い込みは、誰にでもあります。このことに気づくだけでも、考え方の幅が広がります。例として、待ち合わせに遅刻された時。「迷惑だ」と決めつけてしまうだけではなく、「空き時間に何ができるかな」と視点を少し変えることで、怒りの感情がやわらぐ場合があります。
完璧な進行や計画どおりの展開にこだわらず、「今の状況でも十分やれている部分は何か?」に意識を向けることや、「べき・ねば」の思考の枠を「~だったらいいな」程度に緩める工夫が、感情を整えることにつながります。
身体アプローチ|リラクゼーションとストレス解消法
思考を整えるだけでは感情が収まりにくいと感じるときは、身体からのアプローチが役立つこともあります。
具体例として、深呼吸をすることで自律神経が整いやすくなり、全身の緊張が和らぎます。静かな場所で姿勢を正し、ゆっくりと鼻から吸って口から吐き出す動作を数回繰り返すだけでも、気持ちの変化を感じられる場合があります。
また、散歩やストレッチなどの軽い運動を生活に取り入れることにより、日常的にイライラしにくい身体づくりを目指すことも可能です。

人間関係の中でできるイライラ対策
他者との関わりの中で生じるイライラに対応するには、距離の取り方や捉え方に注意を向けることが効果的です。
相手の行動が思い通りでないと感じたとき、その背景にある事情を想像することで、感情の高ぶりがやわらぐことがあります。「この人も忙しかったのかもしれない」「別の意図があったのかもしれない」と視野を広げて考えることで、反射的な怒りを防ぎやすくなります。
また、感情が高ぶっているときに無理に伝えようとせず、一呼吸おいて冷静になってから対話の場を設けると、自分の意図が伝わりやすくなります。

思考の切り替えやリラクゼーションでイライラを緩和し、感情を整える工夫が大切。
最後に
POINT
- イライラは完璧を求めすぎず、捉え方を柔軟にすることが大切です。
- 呼吸法や軽い運動など身体からのアプローチも有効です。
- 他人の事情を想像し、怒りを和らげる視点を持ちましょう。
イライラする自分を責めず、感情とうまく付き合っていくことが大切です。小さな工夫や意識の持ち方を変えるだけで、日々のストレスは和らぎます。焦らず一歩ずつ、自分のペースで取り組んでいきましょう。
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監修
キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
X:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン
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