Contents
ラー油の役割や原材料

中華料理をはじめ、さまざまな料理に辛みと豊かな香りをプラスしてくれるのがラー油です。代用アイデアを考える前に、まずラー油が料理で果たす役割と何からできているのかをチェックしておきましょう。これらを把握しておけば、代用となる食材について納得しやすくなるはずです。
料理を引き立て食欲を増進させる
ラー油(辣油)とは、シューマイやギョーザ・ラーメンなどの中華を中心としたアジア料理に使われる、辛味が付いた調味油のこと。商品によって辛さや風味は変わりますが、少し垂らすだけでも料理の味にアクセントを付けたり、深みを加えられるのが特徴です。また、食欲を増進する効果もあるとされています。
定番の用途以外では、洋食にアジアンテイストをプラスするといった使い方も考えられるでしょう。
唐辛子にごま油を加えて作る
ラー油はごま油などの熱した植物油を、唐辛子とほかの香辛料を合わせたものに注いで作られています。なお市販されているラー油のベースの多くは、唐辛子とごま油です。
ごま油は香りを生かすために、後から入れる場合もあるようです。商品によっては、ニンニクやネギ・ショウガなどの香味野菜を使っているものが見られます。
ごま油を使ったラー油の代用アイデア

ラー油の原材料を考えると、「ごま油に何かしら辛味が付くものをプラスすれば代用可能」とわかったのではないでしょうか。サラダ油を使っても構いませんが、ラー油の味に近づけるためには香り付けに香味野菜を入れなければなりません。
ここからは、家庭料理に比較的よく使われる香辛料や調味料をピックアップ。ごま油と組み合わせて、ラー油の代用品とする方法を解説します。
鷹の爪を加える
鷹の爪は、日本が原産地の唐辛子です。熱したごま油と合わせることで、ラー油とほぼ同じ調味油が作れます。作り方を見てみましょう。
<材料>
・ごま油:100g
・鷹の爪:約8g(8本程度)
※鷹の爪がない場合は輪切り唐辛子約8gでも可
<作り方>
1.鷹の爪を手でちぎるか輪切りにする
2.ごま油をフライパンや中華鍋に入れて中火で熱し、沸騰する前に鷹の爪を入れる
3.火を弱めて10〜15分そのまま加熱し、ごま油に辛味を移す
4.粗熱が取れたら鷹の爪を取り除く
辛さを強くしたい場合は鷹の爪を細かくするか、できるだけ細く切られた輪切り唐辛子を使いましょう。ちぎったり切ったりした面から、辛味成分がごま油に染み出しやすくなります。
なお、鷹の爪に触れた指で目や皮膚に触ると非常に痛いので、注意してください。
一味唐辛子を加える
一味唐辛子は、唐辛子を乾燥させて粉末状にした香辛料です。もちろん、それ以外の原材料は含まれていません。唐辛子本来の味が出るため、鷹の爪と同じくラー油に近い味を出せるのが魅力です。
ただ、使う一味唐辛子の量が多いので、まとめ買いしている場合のみ使える方法かもしれません。作り方は次のとおりです。
<材料>
・ごま油:100g
・一味唐辛子:約80g(ガラス瓶に入った食卓用サイズのもの約5瓶)
・水:約25mL
<作り方>
・ごま油をフライパンや中華鍋に入れて沸騰するまで中火で熱する
・一味唐辛子と水を耐熱ボウルなどの容器に入れ、一味唐辛子に水分を含ませる(ごま油が全量入るサイズの容器を使う)
・沸騰したごま油を、一味唐辛子と水が入った耐熱容器にゆっくり注ぐ
・粗熱を取ったら一味唐辛子をこす
一味唐辛子の粒感も残したい場合、こす過程は省略して問題ありません。水に油を注ぐときは跳ねてやけどをする恐れがあるため、慎重に作業しましょう。
七味唐辛子でもOK
七味唐辛子は、一味唐辛子にサンショウやケシの実・ゴマなどを加えて作られたもの。一味唐辛子と比べて辛さは控えめで、唐辛子以外の風味も楽しめるのが特徴です。
唐辛子以外の風味も加わってよい・辛さを控えめにしたいといった場合は、一味唐辛子と同じようにごま油と合わせればラー油の代用となります。作り方や分量は、一味唐辛子のときと同じです。
七味唐辛子を使うと、普段のラー油では味わえない風味を楽しめます。普段ラー油を使う料理にバリエーションを持たせたいときにも、おすすめの代用アイデアです。
トウバンジャンやコチュジャンを加える
トウバンジャンやコチュジャンも、ごま油に加えることで辛味を出せます。トウバンジャンは中国の四川地方で使われる唐辛子みそで、原材料は主に塩と唐辛子・ソラマメ・こうじです。
コチュジャンは朝鮮半島で生まれた甘辛いみそで、米・もち米にこうじを加え、唐辛子で辛味を付けて作られます。辛味を抑えたい場合はコチュジャンがおすすめです。
どちらもとろみが付いたみそなので、ラー油のテクスチャーや透明感は再現できません。ただ、ごま油と合わせて辛味を出すと考えれば、十分に代用として使えます。作り方は鷹の爪や一味唐辛子などを使ったときより簡単です。
<材料>
・ごま油:400g(各メーカーの中サイズボトル1本分)
・コチュジャンまたはトウバンジャン:約70g(好みで調整)
<作り方>
・ごま油とコチュジャンまたはトウバンジャンをフライパンや鍋に入れ、混ぜながら弱火〜中火で焦げないよう加熱する
・ある程度透き通ったら、粗熱を取る
コチュジャンとトウバンジャンでは風味が違いますので、レシピの分量は参考程度に好みのバランスを探してみてください。
タバスコを混ぜる
タバスコは熟した赤唐辛子に、酢と塩を加えたソースです。主に使われる料理はパスタやピザなどですが、辛味が強いのでごま油と合わせればラー油の代用にもなります。ただ、ラー油にほとんどない酸味が加わってしまう点には注意しましょう。
タバスコを使う場合、元々サラッとした液体であり、そのままでも辛味が十分に出るので加熱は不要です。以下の材料を用意して、ちょうどいい辛さになるまでよく混ぜましょう。
・ごま油:400g(各メーカーの中サイズボトル1本分)
・タバスコ:適量
ラー油とは少し違う風味を味わいたいとき、簡単に代用したいときにおすすめのアイデアです。
まとめ

家庭で中華料理を楽しむときに欠かせないラー油は、辛味とごま油の風味で料理の味を引き立て、食欲を増進してくれます。もしラー油を切らしても、代用アイデアを試してみれば、いっそう食が進むでしょう。
ラー油に近づけたいときにおすすめの代用法は、鷹の爪や一味唐辛子をごま油と混ぜて熱する方法で、ほぼラー油と同じものが作れます。サンショウなど、ほかの風味が加わってもよい場合は七味唐辛子を使うのも一つの手です。
コチュジャン・トウバンジャンやタバスコをごま油と合わせるときは、ラー油を再現するというよりも、アレンジ的なアイデアとして楽しんでみてください。
メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock
TEXT
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/
あわせて読みたい


