スキムミルクとは

スキムミルクの代用品を探すには、まず「スキムミルクとは何なのか」という特徴を知っておく必要があります。
スキムミルクは「脱脂粉乳」とも呼ばれるとおり、生乳・牛乳から脂肪分を分離して取り除き、乾燥させて粉末状にしたものです。脂肪分がないため牛乳よりカロリーが低い半面、カルシウムやタンパク質の量はあまり変わりません。
似た食品に「全粉乳」と「バターミルクパウダー」がありますが、どちらもスキムミルクとは違います。全粉乳は生乳・牛乳をそのまま乾かして粉末にしたもの、バターミルクパウダーはクリームからバターを作るときに出た「バターミルク」を乾燥させ、粉末状にしたものです。
スキムミルクの代用として使える食材4選

ここからは、スキムミルクの原料や製造方法も踏まえ、代用として使える食材を見ていきましょう。スキムミルクと全く同じ味や栄養価になるわけではありませんが、近いものとして使えるはずです。
牛乳
スキムミルクの原料である牛乳は、スキムミルクの代用品として十分に使えます。ただ、代用するときは水分量の調整が必要です。たとえばスキムミルクを水で溶かすレシピの場合、牛乳の大半が水分であることから、溶かすための水は除いて考えなければなりません。
なお、脂肪分が多い牛乳を使うと、スキムミルクを使ったときと比べてコクが出てしまいます。スキムミルク使用時に近いあっさりとした仕上がりにしたいなら、できるだけ低脂肪の牛乳を使ったほうがよいでしょう。
豆乳
牛乳特有の風味が変わってもよい場合は、豆乳もスキムミルクの代用に使えます。代用するときは牛乳と同じく、水分量の調整が必要です。牛乳とは成分が違うため、決まった換算方法はありません。レシピに書かれたスキムミルクの分量にとらわれず、味や生地の状態を見ながら調整しましょう。
豆乳は「畑の肉」とも呼ばれる大豆を原料としており、大豆タンパクや鉄・ビタミンB群・ビタミンEなど豊富な栄養を含んでいます。コレステロールもゼロなので、体づくりがしたい、健康に気を使いたいという人におすすめです。
粉ミルク
赤ちゃんに与える粉ミルクは、スキムミルクと同じく牛乳を粉末状にしたもの。牛乳や豆乳と違って水分がないので、スキムミルクと同じ分量でそのまま代用すれば問題ありません。
「育児用ミルク」と呼ばれる粉ミルクには、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が含まれています。ただ、脂肪分も入っているため、スキムミルクよりコクが出ることに注意しましょう。
クリーミングパウダー
クリーミングパウダーは、コーヒーや紅茶にミルクの風味を足すときに使う粉末です。こちらも牛乳や豆乳と違って水分がないため、スキムミルクと同じ分量でそのまま代用できます。
牛乳由来のタイプと植物性タイプがあり、スキムミルクの代用には牛乳由来のものがベストです。スキムミルクより甘みを感じやすいので、お菓子や甘いパンに使うなら砂糖の量を調整する必要があります。
スキムミルクを牛乳で代用するときの換算方法

スキムミルクは牛乳から脂肪分や水分を除いたものです。牛乳で代用する際は、スキムミルクの成分量に近づくように換算しなければなりません。ここでは、重さの比率から換算する方法を紹介します。
計算式は簡単
スキムミルクは、牛乳パックにも記載されている「無脂乳固形分」にあたります。今回は、無脂乳固形分が8.6%の牛乳を例に考えてみましょう。
パックに記載された無脂乳固形分の割合は牛乳全体の重さを100%としているので、スキムミルクの約11.6倍(100÷8.6)が代用する牛乳の重さです。つまり、この例ではスキムミルクの重量の約11.6倍の牛乳を使えばよいということになります。
一般的には10倍で考える
無脂乳固形分は牛乳によって違い、必ずしも11.6倍で換算できるわけではありません。いちいち計算が必要になると、手間が増えて面倒です。
さらにパン作りの場合は温度、お菓子作りでは小麦粉の種類など、複数の要素によって生地の水分量は変わります。可変要素を考慮してシンプルに考え、スキムミルクの10倍の重さの牛乳で代用するのが一般的です。
まとめ
スキムミルクは牛乳から脂肪分や水分を除いた粉末です。脂肪分と水分がないだけで、その他の成分はほぼ変わりません。手元にないときは、スキムミルクの原料である牛乳や豆乳・粉ミルク・クリーミングパウダーなど、家にあるもので代用しましょう。
牛乳で代用する場合、厳密には重さを「100%÷無脂乳固形分の割合(%)」で考えます。ただ、簡易化してスキムミルクの10倍の重さと考えても問題ありません。水分量を適宜調整しながら、お菓子やパン作りに代用品を使ってみてください。
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Domani編集部
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