レモン汁には何が含まれている?
市販されているレモン汁は、レモンの果汁をそのまま絞ったり濃縮果汁を還元したりしたものです。代用アイデアを考えるためにも、レモン汁に含まれる主な成分を見ていきましょう。

酸味のもと「クエン酸」
レモン汁の大きな特徴である酸味は、「クエン酸」から生まれるといえます。レモン汁を何かで代用するとき、酸味の再現にはクエン酸が重要と覚えておきましょう。
クエン酸は体内の糖代謝を高め、エネルギーに変える役割を持つ物質です。摂取したミネラル分の吸収を促進して疲労蓄積を防ぐ効果も期待できるとされています。
爽やかな香りをつくる「リモネン」
レモン汁には、柑橘類特有の爽やかな香りがあります。実際レモンの香りを楽しみたくて、ドリンクやスイーツに入れるという人は多いのではないでしょうか。
この香りの正体は「リモネン」という成分です。リモネンは柑橘系の果物全般の皮に多く含まれますが、果汁にも含まれています。リモネンは、気分をリラックスさせてストレスを軽減する効果があるとされている成分です。
健康維持に役立つ「ビタミンC」
レモン果汁にはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは皮膚・粘膜の健康維持の効果を持つビタミンです。肌トラブルの予防など、美容効果も期待できるとされています。
市販のレモン汁として有名な「ポッカレモン100」に含まれるビタミンCは、大さじ1杯当たり2mgです。ビタミンCは1日当たりの摂取目安量が成人で100mgとされているので、単純計算では大さじ5杯で1日に必要な量の1/10が摂取できることになります。
レモン汁の代用になるもの
レモン汁の成分や特徴を踏まえると、代用となるものは大まかに想像できるでしょう。用途ごとに、おすすめの代用アイデアを三つ紹介します。

料理には「お酢」
唐揚げなど、あまり甘みを付けたくない料理にレモン汁を使うときは、お酢を使うのがおすすめです。お酢はおもに酸味成分である酢酸でできており、酸味付けに代用できます。クエン酸でなくても、酸に分類される成分は「酸っぱさ」のもとになります。
お酢の種類は、穀物酢や黒酢・リンゴ酢などさまざまです。それぞれ違った味や香りの特徴があるので、レモン汁とは全く違う香りになることには注意して代用しましょう。おもなお酢の特徴を以下に挙げます。
レモン汁がなくて代用するときは、家にあるお酢の種類を調べて仕上がりを予想すると、がっかりする心配が抑えられるかもしれません。
お菓子作りには「ほかの柑橘類」も
甘みが付いてよいお菓子作りには、ミカンやグレープフルーツなどレモン以外の柑橘類を搾って使うのも一つの方法です。レモン汁の酸味成分であるクエン酸、香りのもとリモネンともに含まれているため、風味が近くなるでしょう。量は変わりますがビタミンCも含んでいます。
酸味を強くしたい場合はグレープフルーツ、甘みを強くしてほんのりと酸味を付けたいときはミカンやオレンジの果汁が向いているでしょう。
ほかの柑橘類の果汁は、甘みを付けたい料理やドレッシングでも代用可能です。ただ、お菓子にしても料理にしても、甘味料(砂糖・蜂蜜など)の量は代用する柑橘類によって調整が必要になります。
マルチに使える「食用クエン酸」
シンプルにレモン汁の酸味だけが欲しいという場合は、結晶状の状態で売られている食用のクエン酸を水に溶かして使う方法もあります。お酢や柑橘類と違って香りが付いていない分、用途を問わず使いやすいのがクエン酸の魅力といえるかもしれません。
クエン酸を使うときは、商品の規格に注意しましょう。クエン酸は規格に定められた「食品添加物」「医薬品」のほか、「掃除用」「工業用」があり、それぞれ精製純度が異なります。精製度が高い医薬品や食用を掃除に使うことは可能ですが、掃除用を食用には使えません。
食用でないものには「食べ物ではありません」などの注意書きがある場合が多いので、パッケージをよくチェックしてから使うようにしましょう。
まとめ
レモン汁はお菓子作りやドリンクのアレンジ・料理など、幅広い用途で活用されています。レモン汁の特徴は、クエン酸が生み出す酸味とリモネン由来の香り、皮膚や粘膜の健康を維持するとされるビタミンCです。
代用になる調味料や食品の中で、成分としてレモン汁に最も近いのはほかの柑橘類といえます。ただ、甘みや果実の香りが付いてしまうので、キリッと仕上げたい料理には向きません。用途に合わせ、お酢や食用のクエン酸も視野に入れて代用するとよいでしょう。
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Domani編集部
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