薄力粉の代用【小麦粉のバリエーション】

薄力粉は小麦粉の一種です。薄力粉のほかには中力粉や強力粉などがあり、用途によっては代用として使えます。それぞれの特徴や薄力粉との違い、代用として向く用途を見てみましょう。
中力粉
中力粉は薄力粉と比べて、たんぱく質の含有量が多い小麦粉です。お菓子の生地に使うと、薄力粉を使ったときよりモチモチとした食感に仕上がります。膨らみにくいため、ふんわり感を出したいケーキを作るときの代用には向きません。
クッキーやパン作りに代用した場合、薄力粉よりザクザク感が強い仕上がりになります。食感が変わっても問題ない場合は、焼き菓子やパン作りの際に代用してもよいでしょう。また、ホワイトソースのとろみ付けとしても代用できます。
強力粉
強力粉は、中力粉よりたんぱく質の含有量が多くグルテン(粘り成分)の形成量も多いのが特徴です。お菓子やパンの生地に使うと、粘り強くモチモチ・しっかりした食感に仕上がります。
中力粉よりさらに膨らみにくいため、ケーキに薄力粉を使うときに代用するのは避けたほうがよいでしょう。クッキーもかなり硬めの仕上がりになってしまいます。
ただ、パンを作るときには薄力粉よりもこねやすいというメリットがあります。空洞があるようなパンを作りたい場合は例外ですが、パン作りに代用するなら基本的に強力粉のほうがおすすめです。
薄力粉の代用【小麦粉以外の粉】

薄力粉だけでなく、ほかの小麦粉もないというケースも多いかもしれません。その場合、小麦粉以外の粉で代用するのも一つの手ということで、薄力粉の代用として使える小麦粉以外の粉を3種類紹介します。キッチンにあるか、ぜひ探してみてください。
ホットケーキミックス
ホットケーキミックスは、小麦粉・砂糖・ベーキングパウダーなどが混ざったブレンド粉です。ケーキやクッキー作りになら、そのまま使えます。特にケーキ作りの代用に向いていますが、膨らみすぎには注意しましょう。
ただし、先述のとおり砂糖とベーキングパウダーが含まれることから、料理やしょっぱい系のお菓子には不向きです。
米粉
米粉は米を細かく砕いて作った粉です。米の新しい活用方法として、近年米粉を使ったお菓子やパン・麺などのレシピが注目を集めるようになりました。
油の吸収率が低く、ヘルシーという点も注目されている理由です。また、小麦粉に含まれるグルテンが入っていないので、グルテンアレルギーの人でも米粉だけを使ったものなら食べられます。
薄力粉の代わりに米粉を使うと、ケーキはしっとり・クッキーはサクホロの食感に仕上がります。特にシフォンケーキなどに代用すれば、しっとりした特性が顕著に出るでしょう。
なお、米粉は吸水率が高いため、代用するときは水分・油分の調整が必要です。
片栗粉
主原料がデンプン粉の片栗粉。米粉と同じくグルテンを含まないので、グルテンアレルギーにも対応できます。とろみ付けや揚げ衣に使うと、カリッとしてサクサクの食感になるのが特徴です。
一方、ケーキやしっとり系のお菓子の代用には向きません。クッキーならば、崩れやすいものの「ホロホロ感」は出せますので、口の中で溶けるような食感のクッキーを作る場合には代用してもよいでしょう。
薄力粉を代用するときの注意点

薄力粉をほかの小麦粉で代用するときに注意したいのが、粘りのもとであるグルテンの生成量です。たんぱく質が多いほどグルテンも多く生成されるのですが、グルテン量が変わると生地の膨らみ・食感が大きく変化することに注意しましょう。
また、代用の際は『薄力粉を使ったときとは仕上がりが変わる』ことを、あらかじめ把握しておかなければなりません。さらに、用途に合わせて水分や油分、粉の量を微調整する必要があることも忘れずに。
たとえば、ホットケーキミックスにはあらかじめ甘みが付けられているため、代用の際に砂糖をレシピどおり入れてしまうと、仕上がりが甘くなりすぎるでしょう。膨張剤が含まれていることから、ケーキに使う場合はベーキングパウダーの量も調整が必要です。
試してみる余裕があるなら、代用品のミックス(強力粉+片栗粉など)で再現性を高める方法もあります。
まとめ

お菓子や料理を作るとき、薄力粉がなかったり足りないと、不便な思いをするでしょう。しかし、中力粉や強力粉、もしくはそれ以外の粉を薄力粉の代用として使えることもあります。
中力粉や強力粉は薄力粉より粘りが強く、膨らみにくいのが特徴ですので、それぞれに向く用途をしっかりと理解した上で代用しましょう。ホットケーキミックスや米粉・片栗粉も、それぞれ薄力粉とは味や性質が違います。
代用する際は、あらかじめ仕上がりの違いを意識し、必要に応じてブレンドも試してみてください。薄力粉がないときこそ、お菓子作りや料理の工夫を楽しむチャンスかもしれません。
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Domani編集部
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