玉ねぎの辛味抜き【基本の方法】

玉ねぎの辛味を抜く方法として、最も広く認識されているのが「水にさらす」ことです。まずは水にさらすと辛味が取れる理由と、辛味抜きの具体的な方法を紹介します。また、水にさらす辛味抜きのデメリットも解説しますので、そちらもチェックしてみてください。
水にさらす
玉ねぎの辛味成分は、「硫化アリル」という水溶性の成分です。この成分は水に溶けやすいので、水にさらせば辛味が抜けます。
サラダやマリネなどに使う場合は、薄くスライスした玉ねぎをボウルに入れ、玉ねぎが隠れるくらいの水を入れて10分弱置いておきましょう。このとき、繊維を断ち切るようにスライスするのがポイントです。
ただし、水にさらすときは放置時間に注意しなければなりません。長く置きすぎると、辛味だけでなく玉ねぎの風味まで薄くなってしまいます。
水にさらすと栄養成分も抜ける
玉ねぎに含まれる硫化アリルは、辛味だけでなく目が刺激される原因にもなる成分ですが…一方で「玉ねぎを食べると血液がサラサラになる」といわれているのも、この硫化アリルのおかげなのです。
中でも硫化アリルの一つ「プロピルメチルジスルフィド」は、コレステロールの代謝促進や血栓予防の効果がある物質。これにより、玉ねぎを食べることで動脈硬化の予防が期待できるとされています。
プロピルメチルジスルフィドは、前駆体(※)である「チオプロパナール」に、玉ねぎそのものが持つ酵素が作用して生成される物質です。水にさらすとチオプロパナールが溶け出し、血液がサラサラになる効果を得られなくなってしまいます。
※前駆体(ぜんくたい):化学反応などで、ある物質が生成される前の段階にある物質。<小学館『デジタル大辞泉』より一部引用>
玉ねぎの辛味抜き【栄養成分が逃げない方法】

玉ねぎの辛味は取りたいけれど、体に良いとされる成分を逃がしたくないと考える人もいるはず。水にさらす以外にも、玉ねぎの栄養成分が逃げにくい辛味抜きの方法はあります。おすすめの方法を4種類紹介しますので、おいしく健康に玉ねぎを楽しみたい人はぜひ参考にしてみてください。
空気にさらす
玉ねぎの辛味抜きとして、空気にさらすのも一つの手。水にさらすよりは時間がかかりますが、硫化アリル(チオプロパナール)が水に溶けないため、血液がサラサラになる効果を得やすくなります。
辛味成分を抜きやすくするためには、繊維を断つようにスライスして1時間以上置きましょう。完全に辛味を抜きたい場合は、もっと長めに一晩ほど置くのがおすすめです。空気に触れる面積を広げるため、スライスした玉ねぎはできるだけ重ならないように並べます。
ただ、この方法で辛味を抜くと、玉ねぎはみずみずしさを失ってしまいます。玉ねぎの水分が抜けると困る料理には向いていません。
電子レンジにかける
電子レンジで軽く加熱するのも、玉ねぎの辛味抜きとして使える方法です。短時間で済むので、空気にさらす時間がないときに採用してみてください。
硫化アリルは熱を加えると甘味成分へと変わるため、糖度が増してアリシン(硫化アリルから生成される揮発性の成分で、血糖値を抑える働きなどが期待できる)の効果は減ってしまいます。ただ、抗酸化作用は加熱によって強まるので、水にさらすより健康に良い成分が減りにくいといえるでしょう。
具体的な加熱方法ですが、繊維を断つようにスライスした玉ねぎを、1〜2分の短時間だけ電子レンジにかけます。時間に気を付けても多少はしんなりしてしまうのが難点ですので、シャキシャキ感を残したい料理には違う方法が向いています。
塩でもむ
水にさらさない玉ねぎの辛味抜きとして、「塩もみ」という方法もあります。生の状態より多少水分は抜けますが、玉ねぎの風味や食感、健康に良い成分が残りやすいのがメリットです。
塩でもむ玉ねぎの辛味抜きは、時間がかからず手順も難しくありません。スライスした玉ねぎを清潔な布巾やキッチンペーパーに乗せて塩を振り、よくもみます。その後流水で塩を流し、しっかり水を切れば完了です。
ただし塩味が付くので、塩辛くなると困る料理には使えません。玉ねぎを生のままサラダに入れる・マリネにするなど、後から塩味を調整できる使い方であれば、この方法でも問題ないでしょう。
砂糖でもむ
玉ねぎが塩辛くなるのを避けたい場合、スライスした玉ねぎを砂糖でもんでみてください。こちらは、塩でもむより辛味が気にならなくなったとの声もあるようです。
容器に玉ねぎを入れ、玉ねぎ1個に対して大さじ2を目安に砂糖をかけたら、しんなりするまでもみましょう。もみ終わった後は砂糖を洗い流し、しっかりと水を切ります。シャキシャキ感はなくなりますが、玉ねぎの辛味を抑えて甘くしたいときにおすすめです。
まとめ

玉ねぎはそのままだと、生で食べたときに辛味を感じます。サラダやマリネ・なますなど、生の玉ねぎを使う料理を作るときには、辛味抜きが欠かせません。
基本の方法は、スライスした玉ねぎを水にさらすことです。辛味成分が水に溶け出すため、しっかりと辛味が抜けるでしょう。しかし、栄養成分も同時に溶け出してしまうのが難点です。
健康に良い成分を逃がさず玉ねぎの辛味を取りたい場合は、空気にさらす・電子レンジにかける・塩や砂糖でもむなどの方法を試してみてくださいね。
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Domani編集部
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