「怖気」とはどんな意味？ 正しい使い方と例文、類語を解説

「怖気づく」「怖気をふるう」などと使われる、「怖気」という言葉。意味や使い方を聞かれると、説明に迷うことはありませんか？

この記事では「怖気」という言葉の読み方や意味、「怖気」を使った表現まで、すぐに生かせる知識としてわかりやすく紹介します。

「怖気」とは何？

まずは「怖気」の読み方と意味から確認していきましょう。

「怖気」の読み方と意味

「怖気」は、「おじけ」または「おぞけ」と読みます。恐怖や不安によって心がすくむような状態を表す言葉です。気持ちが引けて、身体や思考が思うように動かなくなるような場面で使われます。

辞書では次のように説明されていますよ。

おじ‐け〔おぢ‐〕【▽怖気】
怖がる気持ち。恐怖心。おぞけ。「―がつく」「―をふるう」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

「怖気づく」「怖気をふるう」などというように使われることが多いですね。

「怖気」とは、恐怖心のこと。

「怖気」を使った表現を紹介

「怖気」を含む表現は多彩です。ここでは代表的な用例を中心に、紹介します。

怖気づく｜一歩踏み出せない気持ちを表す

「怖気づく」は、不安や恐れによって、恐怖心が出たときに使われる言葉です。気持ちがすくんでしまい、前に進むことをためらうような場面で使われます。

辞書では次のように説明されていますよ。

おじけ‐づ・く〔おぢけ‐〕【▽怖気付く】
［動カ五（四）］恐ろしいという気持ちになる。恐怖心がわいて、ひるむ。「怪しい物音に―・く」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

例文：真っ暗な山道で動物の鳴き声が聞こえ、思わず怖気づいた。
例文：先生の迫力ある声に、生徒たちは一瞬怖気づいた。

怖気立つ｜ゾッとする瞬間の描写

「怖気立つ」は、恐怖心が生じる場面で使われます。辞書では次のように説明されていますよ。

おじけ‐だ・つ〔おぢけ‐〕【▽怖気立つ】
［動タ五（四）］恐怖心が生じる。おじけづく。「敵の気迫に―・つ」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

例文：武将の雄叫びに兵士たちは怖気立ち、進軍の足が止まった。
例文：不気味な足音が背後から近づいてきて、怖気立った。

怖気をふるう｜誤りやすい漢字表記も紹介

「怖気をふるう」を漢字にする場合、「怖気を震う」と書きます。恐ろしさから体が震えることを意味しますよ。辞書では次のように説明されています。

怖気（おぞけ）を震（ふる）・う
恐ろしさに身ぶるいをする。非常に恐ろしく思う。
「―・って立竦（たちすく）むと涼しさが身に染みて」〈鏡花・高野聖〉
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

例文：凄惨な事件現場の光景に、誰もが怖気をふるった。
例文：雷鳴が轟き、稲妻が夜空を裂いた瞬間、子どもたちは怖気をふるった。

「怖気」の類語・言い換え表現を紹介

「怖気」と似た意味を持つ言葉はいくつもあります。場面に応じて適切に使い分けることで、表現がより豊かになります。ここでは代表的な類語を紹介します。

恐怖心

恐ろしいと感じる心。恐れてびくびくする気持ち。一般的に、自分に直接危害を加えるものに対して抱く恐れを指します。

怖がる

怖いと思う気持ちを表します。日常でも広く使われていますね。

怯える（おびえる）

恐ろしくてびくびくすること。「怖がる」は危険に直面した時に広く使われるのに対し、「怯える」は過去の経験や記憶をもとに恐怖心を抱く場面で多く用いられます。

戦慄（せんりつ）

非常に恐れおののくこと。文語的で硬い表現です。

参考：『角川類語新辞典』（角川学芸出版）

最後に

「怖気」という言葉は、私たちが日常で感じるためらいや恐れを表現できる語です。単なる「怖い」という一言では表せない、心のゆらぎを伝えるのに適しています。この記事を一つのきっかけに、言葉選びの幅が少し広がる体験をしてもらえたらうれしいです。

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