Summary
- 「猫の額」は、面積が狭い様子のたとえ。
- 由来は、猫の額が小さいこと。
- 「猫の額ほどの庭」「猫の額ほどの土地」など、面積の狭さを表現する際に使う。
「猫の額」という表現を耳にしたことはあっても、正確な意味や使い方を知らない方は意外と多いかもしれません。日常会話だけでなく、ビジネスの現場でも役立つこの言葉。
この記事では、「猫の額」の意味や語源、使い方と例文、言い換え表現までを幅広く解説します。
「猫の額」とは? 意外と知られていない意味と由来
まずは「猫の額」の意味と語源を確認していきましょう。
「猫の額」の意味
「猫の額(ねこのひたい)」は、面積が狭い様子を比喩的に表す言葉です。辞書では、次のように説明されています。
ねこ‐の‐ひたい〔‐ひたひ〕【猫の額】
《猫の額が狭いところから》場所の狭いことのたとえ。ねこびたい。「―ほどの庭」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「猫の額ほどの庭」とか「猫の額ほどの土地」などというように使います。

「猫の額」の由来を探る
「猫の額」は、文字通り、猫の額が狭いことから生まれた言葉です。
「猫の額」とは、猫の小さな額にたとえて「とても狭い場所」を意味する表現。
「猫の額」の使い方を例文で確認
具体的な使い方を、例文で確認しましょう。
「このマンションのベランダは、猫の額ほどの広さしかない」
もっとも一般的な使い方です。日常会話では「猫の額ほどの部屋」「猫の額ほどの庭」など、空間的な狭さを指す際に用いられます。
「実家の庭は猫の額ほどだが、季節の花がきれいに咲く」
狭さを示しつつも、「小さくてもよさがある」という温かいニュアンスを添えた表現です。

「都会では、猫の額ほどの土地でも驚くような価格がつく」
ビジネスシーンやニュースでも使える表現です。面積の小ささを示す比喩でありながら、経済的価値や現代社会の皮肉を含めることも可能です。
「猫の額」の類語や言い換え表現
「猫の額」と同じように「狭さ」をたとえる言葉には、「うさぎ小屋」や「窮屈(きゅうくつ)」「手狭(てぜま)」などが挙げられます。それぞれの意味について見ていきましょう。
うさぎ小屋
日本の住宅の狭さを自嘲気味に表した言葉です。もともとは、1979年(昭和54年)にEC(ヨーロッパ共同体)がまとめた報告書『対日経済戦略報告書』で使われた“rabbit hutch”(ウサギ小屋)という表現が由来。
これが当時の日本で報道を通じて広まり、「日本の住宅は狭い」という象徴的な言葉として定着しました。


