「ご健勝とご活躍」の意味・使い方・例文まで分かりやすく解説

「ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」というフレーズは、送別や転勤など「別れのあいさつ」でよく用いられる表現です。しかし、意味を正しく理解せず使っている人も少なくありません。フォーマルさの中にも温かみのあるこの言葉について、意味・使い方・例文まで丁寧に整理していきます。

フォーマルさの中にも温かみのあるこの言葉について、意味・使い方・例文まで丁寧に整理していきます。

「ご健勝とご活躍」の意味

形式としてなぞるだけの挨拶文では、相手の心に届かないこともあります。「ご健勝とご活躍」という言葉に込められた本来の意味を知ることで、相手を想う気持ちがより丁寧に伝わる表現になりますよ。

「健勝」の意味

「健勝」とは、からだに悪いところがなく健康で元気であることを意味する語です。

辞書では次のように説明されていますよ。

けん‐しょう【健勝】
［名・形動］健康で元気なこと。また、そのさま。すこやか。多く手紙文で、「ご健勝」の形で用いる。「ご―のことと存じます」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

特に、目上の人やしばらく会っていない相手に対して、「お変わりなくお元気でいらっしゃること」を願う気持ちを示すときに「ご健勝のことと存じます」といった形で用いられます。主に文章や手紙で使われる言葉です。

「活躍」の意味

「活躍」は、めざましく活動することを意味し、手腕を発揮している様子や、生き生きと動いている姿を表す語です。

辞書では次のように説明されていますよ。

かつ‐やく〔クワツ‐〕【活躍】
［名］(スル)
１ めざましく活動すること。「社会の第一線で―する」
２ 勢いよく躍りはねること。
「無用の長物を利用して一大―を試みた所が」〈漱石・吾輩は猫である〉
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

この語は、すでに何かを成し遂げた「成功」とは異なり、いま現在の行動や働きかけ、またはこれからの働きぶりへの期待を含んだ言葉として使うことが多いでしょう。

どんな場面で、どのように使うか？

使う場面や表現の整え方を誤ると、せっかくの挨拶が浮いてしまうことがあります。相手との関係性や状況に応じて、文面を整える工夫が求められますよ。

退職する人への送別メールにふさわしい例文

退職の挨拶は、これまでの感謝と今後の願いを伝える大切な節目です。そこで「今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます」と結ぶ表現がよく用いられます。

目上の人や長く関わった相手には、「長年のご尽力に深く感謝申し上げます」といった言葉と組み合わせると好印象です。

異動・転勤・昇進などの節目に使う文面

昇進や異動といった「おめでたい節目」の挨拶には、「このたびのご栄転、誠におめでとうございます。今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」といった文面がよく使われます。

ややくだけた関係性であれば、「これからのご活躍を心よりお祈りしております」など、少し柔らかい表現に調整するのもいいでしょう。

どのような立場の相手にも通用するフレーズだからこそ、言葉の選び方や組み合わせによって、印象が大きく変わります。読み手に合わせた配慮を忘れずに使いたい表現です。

「ご健勝とご活躍」という2語は、退職する人や異動する人に対して使われることが多いでしょう。

最後に

「ご健勝とご活躍」は、丁寧さの中に相手を想う気持ちが込められた表現です。意味を正しく知り、使いどころを見極めることで、形式的なあいさつの中にも自分の言葉として届けられるようになります。日々のやり取りの中で、ことばに心を添える実践を重ねていきたいですね。

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