再婚した夫の、連れ子と実子に対する態度について
38歳のときにアメリカ人夫と離婚し、同級生のBさんと再婚をした美和子さん。連れ子ふたりのほか、再婚後すぐにBさんとの間にも娘を授かります。
前回のお話▶︎「慰謝料や養育費はいらないから親権はください」外国人夫と離婚し、20年ぶりに再会した同級生とスピード再婚
さかい(以下、さ):上の子ふたりは元夫との子で、今の夫との間にも子どもがいる…。そういう場合のステップファミリーでの、悩みとかって何かありますか?
美和子さん(以下、み):やっぱり、「夫は下の子だけに愛情を注いでいるんじゃないか」って不安になるところはありますよ。どうしても、血が繋がってないという、先入観が働いてしまうんですよね。向こうもきっと、上の子たちに厳しいことを言わないといけないときには、私が過剰反応するんじゃないかとビクビクしているんじゃないかしら。
ちなみに上のお子さんたちはステップファザーであるBさんのことを「パパ」とは呼ばず、「ドド」というニックネームで呼んでいるそう。
み:物心ついてからの再婚だったから、今さら「パパ」とは呼びづらいみたいで。無理やり呼ばせるものでもないですしね(苦笑)。
子どもたちの「新しいパパ」に対する想い
さ:上のお子さんたちは再婚について何か言ったりすることはありますか?
み:私とケンカしたときとかに、再婚について文句を言われることはありますね。子どもなりに色々思うところもあるみたい。昔はいちいちそういうのを真に受けて、「かわいそうなことをしたのかしら」って思うときもありました。でも今は、「だからなんなの?再婚して私も夫も子どものために精一杯努力しているし、あなたたちは毎日学校へ行って『お腹空いた〜!』って言いながら何も心配せずに帰ってこられる家がある。多少不満があったとしても、それがいちばんじゃないの」って思えるようになったかな。
上の子ふたりが小さいときには働いていて一緒に過ごせる時間が少なかったため、下の子が生まれてからは家でほぼ専業主婦をして暮らす生活。だから子どもたちには、「パパと再婚していなければ、ママがずっと家にいて、『おかえり』ってあなたたちを迎えられる人生を送ることはできなかったのよ。今こうして家族みんなで過ごして居られるのは、パパのおかげ」ということを伝えるようにしているとか。
み:子連れ再婚する人のことを「子どもがかわいそう」っていう人もいるかもしれないけれど、ひとりで育てるよりもいい環境を子供に与えられるのなら、私はいいと思うんです。子どもがどう感じるかは日々考えさせられますが…。今はこうして、夫が働いてくれるおかげで私は子どもたちと家にいられる。子どもと過ごせる時間ってせいぜい小学校6年生くらいまでのわずかな期間。その時間を一緒に過ごせることが、お金よりも貴重に感じるんです。
アメリカ人の夫との結婚生活では、稼ぎのない夫に頼れず、「働いても働いてもお金が出て行った」という状況だったからこそ、今の、裕福とまではいかなくても何不自由なく暮らせる専業主婦生活のありがたみが沁みるのでしょうね。
2度目の結婚で学んだこととは
元々仕事が出来るタイプの美和子さんは、今でもフルタイムで働こうと思えば働けるのだけど、そうすることで現在の夫婦のバランスが崩れるような気がしています。
み:男性にとっては家族を養って面倒をみている、というのが原動力になっていると思うから、そこで自分がバリバリ稼いでしまったら、彼の自尊心はどうなるかな、というのもあって。昔は甘え下手で、「もっと働いて稼いできて」と言えずに自分で稼いでしまってた(笑)。だけど男性って実は、甘えられるのが好き。それがわかったから、今はちゃんと夫に頼ることにしているんです。
さ:う〜〜〜ん。美和子さんてば、さすが仕事が出来る女性。ちゃんと俯瞰で見て、自分たちが幸せで居られる距離感やバランスを掴んだ上で家族を運営しているのですね〜!
理想の王子様は自分で育てる!
それにしても、そんな聡明な美和子さんが子どもふたりを連れて「この人となら幸せになれる」と覚悟を決めて再婚に踏み切ったのって、Bさんに何を感じたからなんだろう。一体どんな相手とならそんな幸せな再婚生活が送れるのかと、気になった私。
だけどそんな私の問いに対して彼女は、「結婚は誰としてもたぶん、だいたい同じ」とあっけらかんと言い切ったのであります。
なぜなら、「男性はみんな未熟で弱い」から。
み:タモリさんの言葉で好きな名言があって。「女性は人を育てる性だから、脳からもそういうホルモンが分泌されて、放っておいても勝手に成熟していく。だけど男はダメな生き物だから、どこかで女性が『男』にしてやらないとダメなんだ」というな内容なんですけど。
さ:なるほど〜(笑)!
み:たしかに周りを見渡しても、男性の方が器がちっちゃいし未熟だな〜と感じる方が多いんです(笑)。今の夫にだって、正直、元夫と比べてしまって「なんでこんなこともできないの?」って思うときだってある。だけど、それを上手く手のひらで転がして、社会で活躍する人物に育てるのが妻の手腕。だから「白馬に乗った完璧な王子様なんていない」んじゃなくて、「彼を王子にできなかったのは自分」って思わないと!どんな男性だっていいところも悪いところもある。それを理解した上で甲斐性がある男性に育てるのは、女性次第なんです。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。