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WOMENその後の女妻母たちアフターストーリー

2019.12.18

『子どもふたりが小学生になり、できたゆとりでボランティアを始めました』女・妻・母〜働く女性の心のドラマを追跡取材!〜【大古殿美穂さん・前編】

働く女性にとっての3年は、駆け抜けるように過ぎ去ってゆく濃密な時間。『Domani』では本誌連載に登場した働く女性の追跡取材をWebでお届けしています。今回は(特)ワールド・ビジョン・ジャパン、大古殿美穂さんのストーリーです。

Text:
谷畑まゆみ
Tags:

大古殿さんが『Domani』に登場したのは2016年4月号。幼少時代は父の駐在にともない家族でマレーシア暮らしを経験。“困難の中にある世界の子どもたちを支援する活動に携りたい”と、新卒で国際NGOのワールド・ビジョン・ジャパンに入職しました。24歳で結婚。27歳で長男、32歳で長女を出産してワーキングマザーに。誌面に登場した3年前は現在の部署に着任したばかり。“とにかく時間が足りなくて、乗り継ぎの駅構内など1日に複数回は走っています”と語っていた彼女に現在の様子を聞いてみると、周囲の人を手助けするボランタリーな活動を楽しんでいました。

Vol.6【母】大古殿美穂さん・39歳
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 
サポートサービス部 人事・総務課

▲当時の誌面(Domani2016年4月号より)

●「人生や生活面における変化」ベスト3

1:子どもたちが成長して手がかからなくなってきた
2:ボランティアを始めた
3:仕事を楽しむことができるようになった

●現在の仕事内容

事務局長の秘書的業務と、団体内のカルチャー醸成を担当

●1日のスケジュールの変化

子どもたちの成長につれて時間の使い方が大きく変わった

●今、自分で自分をほめたいこと、叱りたいこと

・ほめたいこと:成長するための“乗り越え経験”をしたいと考えていること
・叱りたいこと:物忘れが多くなったこと!

読み聞かせのプレッシャーやひとりでする家事からの解放

仕事も子育てもまだまだ大変な中、なぜボランティアも始めたのか、きっかけから教えてください。

3年前は8歳と3歳だった子どもたちが今は12歳と7歳。自分のことを全部自分でできるようになってくれたことが大きいですね。

たとえば絵本を読むとき、上の子がちいさいころは“親が読み聞かせてこそ子どもの言葉の量が増えてくる” “やらないと子どものレベルが止まってしまう”というプレッシャーがありました。だから仕事や家事で疲れてどうしても読み聞かせができないときがあると、自分のことを責めていたんです。

保育園では読んだ本を記録する図書カードが配布されていたので “全然記録が増えていかない!”と焦った時期もありました。でも成長するにつれて子どもたちが自分で借りてきて自分で読んで、自分で記入をしてくれるようになってくれた。この変化はかなり大きいです(笑)。

さらに家事を家族全員で分担できるようになったことで、心に余力が生まれました。うちはもともと“自分ができる家事はお互いできるだけ助け合う”方針でしたが、たとえばお風呂にお湯をためるのはお兄ちゃんの役だったのが、今は妹にバトンタッチして彼はゴミ捨ての担当に。そしてゴミ捨て係を手放した夫は新たに洗濯を担当するだけでなく、子どもたちの勉強を見たり、お稽古の送り迎えも率先して引き受けてくれるようになりました。

ふたつの変化で少しゆとりが出てきたんですね。

ところが、私はゆとりができると“何もしないことがもったいない”と感じてしまうタイプのようで。3年間走り続けて少しゆっくり休みたい、のんびりしたいという気持ちがある一方で、“今の自分ができることは何か”探してしまったのです(苦笑)。それがボランティア、と言っていいのかわかりませんが、周囲の人を手助けするボランタリー(自発的)な活動のきっかけとなりました。

クラスの外国人ママのサポートや日曜学校をお手伝い

ひとつは、保育園で出会ったほとんど日本語の読み書きができない外国人ママの友人のサポートです。彼女が学校からのお知らせが読めなくて困っていたり、先生との意思疎通に悩んでいることは人づてに聞いていました。そこでたまたま駅で会ったときに“今がチャンス”と思って話しかけ、そこから少しづつ仲良くなって自分ができる範囲でお手伝いをしてみたいともちかけたんです。

具体的には、困りごとがあって先生に相談したいときに同席して通訳をしたり、彼女が書いた学校宛の文章を英語から日本語に訳すなど、必要に応じて仲介のお手伝いをするようになりました。最近では小学校の連絡帳の内容を伝えたり、返事の書き方を伝えています。

本当は私は英語がものすごく得意というわけではなく、自信もないんです。でも手伝うことによって逆に“こんなカタコトでも役立った!”と、ささやかな喜びを感じています。

なかなかできないことだと思います。もうひとつのボランティアも個人的な活動ですか?

はい。こちらは家族で通っている教会の日曜学校のお手伝いです。まったくの独学ですが、キーボードを使って幼児クラスの賛美歌の伴奏を10分ほどさせていただいています。歌のほかにお話や工作の時間もあるので、絵本や紙芝居を読んだり工作のサポートもしています。

日曜学校奉仕者何人かで持ち回りで担当しているのですが、自分の当番が回ってくる週は平日のうちに“どんな本を読んでどんなお話をして、工作には何をつくろうか?”とひとりブレストしておきます。たとえば「聖霊が鳩のようにくだる」という聖書の一文があったら“鳩をつくって遊ぼう”とか、神様を賛美する言葉「ハレルヤ」にちなんだ“ハレルヤフラワーをつくろう”という具合です。

土曜の夜になったら“よしっ”と一気に工作の下ごしらえ。クラス13人分の準備をしていると作業が夜遅くになることもあります。家族からは“なぜそこまで頑張れるの!?”と聞かれますが、子どもたちが喜ぶ顔を想像したり、「今日来て良かった!」と言われるとうれしくなるのでそれがモチベーションになっています。日曜学校が終了して家に帰るとドッと疲れが出て娘とお昼寝するのですが、その時間も楽しみで(笑)。

たぶんここまで全力で取り組めるのは“今”だからこそ、いつかゴールがあるからこそなんだと思います。どんなに楽しくてもいずれ新しい人と世代交代するときが必ず来ます。そのときスムーズにバトンタッチができるように、今はただ無心に取り組んでいるところです。

▲「完成した“ハレルヤフラワー”をもつ娘。喜ぶ顔を見ると“次の工作は何をつくろう”と励みになります」(大古殿さん)

本誌掲載:2016年Domani4月号「働くいい女の月曜16時」
撮影時スタッフ:構成/谷畑まゆみ  メイン画像&アイキャッチ画像:ShutterStock.com

テキスト

谷畑まゆみ

フリーエディター・ライター。『Domani』連載「女の時間割。」、日本財団パラリンピックサポートセンターWEBマガジン連載「パラアスリートを支える女性たち」等、働く女性のライフストーリー・インタビュー企画を担当しています。

 

 

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