息子たちは長崎・壱岐で育ち、会うのは2か月に一回
息子ふたりは壱岐の実家で育ち、2、3か月に一回、福岡から会いに行くというシングルマザーの志保さん。現在、その状況は4年目に突入。それは、志保さんのディレクターという仕事柄、壱岐では同じような仕事がないというのが原因でしたが・・・。
前回のお話▶︎「子どもは守るけど君を守る気はしない」夫のひと言で離婚を決意したワーキングマザーの話
志保さん:実は去年半年間、子どもたちが福岡に来て一緒に暮らしてたんですよ。だけど、「都会が合わない」と言って、先日壱岐に戻って行ったばかりなんです。
さかい:お子さんたちは、小学4年生と1年生ですよね。ママに会えなくてさみしがったりはしないんですか?
志保さん:上の子は3歳まで一緒に暮らしてたからママの記憶があるんですけど、下の子はそれもないから、いとこのお姉ちゃんくらいの感覚みたいです(苦笑)。むしろ実家の両親のことを親だと思っているようなところも。ただ、上の子はたまに「会いたくなって」って電話をくれたりして、彼氏みたいでちょっとキュンと来ます。
シングルマザーだと、子どもたちのことを考えて再婚しないという方もいらっしゃるようですが、志保さんの息子さんたちは「パパが欲しい」と言っていて、長男には「ネットで探したら?」とすすめられたそう。―現代っ子はパパのみつけかたもいまどきスタイルですすめるのですね(笑)。
もちろん志保さんは、子どもたちと一緒に住みたいという想いが強く、今後は現場だけでなく、内勤が多い企画の仕事などもできるようにキャリアの模索中だとか。
志保さん:今回のコロナ禍のことも大きかったですね。ディレクター職って、基本現場で、濃厚接触禁止に気を遣う職業なので。今後はYouTube配信やイベントブッキングなどもやって、いつか壱岐で仕事ができるようにしたいと思ってます。
離婚を経て、結婚に対する認識にも変化が。
志保さん:前の結婚も、結局は私が家庭を顧みなかったのが上手くいかなかった原因のひとつだと思うんです。組織には向いていないし、束縛されるのもイヤ。だから、「病めるときも健やかなるときも」っていう、従来の結婚の形にはそぐわない。
そんな志保さんの理想は、1か月に1回きちんと会って、「またお互いがんばろう!」とそれぞれの場所に戻っていくような夫婦関係。
志保さん:コロナのことがきっかけで、国は会社を守らない、会社は個人を守らない、個人も個人を守らないのかな、と感じました。女性が結婚することで経済的に守られる、という時代ではやはりなくなったと感じています。
現在は佐賀の田舎にある一軒家を借りて、友人たちとルームシェアしながら、福岡で稼ぐというデュアルライフを送る志保さん。家族のスタイルや働き方も、固定概念に縛られないで生きる彼女は、アフターコロナの新たな価値観を先取りしているかのようにも見えます。
そんな彼女が何度か口にした、「自立の先に自由があるんですよね」という言葉が、何だか印象的でした。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。