メインキャラクターを演じる身として、より自分の体を慈しむようになった——声優・前野智昭さんの変化とは
「特別上映版『はたらく細胞!!』最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!」で白血球(好中球)を演じている、声優・前野智昭さんへのスペシャルインタビュー。作品のみどころや気になる〝if〟に迫ったvol.1に続き、今回はこの作品に携わるようになってからの前野さんの変化についてお伺いしていきます。
▲様々なテクスチャーの白を重ねた上級スタイリングを、さらりと着こなす姿が印象的。長く白血球(好中球)を演じてきたからこそ白が板についている…!のかもしれません。 今回もポートレートとともにインタビューをお楽しみください♡
「はたらく細胞」のTVアニメ第1期がスタートしたのは2018年の夏。早いものでもう2年も経つんですね、と問いかけると…
「おお、もうそんなに経つんですね」
と純粋に驚く前野さん。作品とも白血球(好中球)というキャラクターとも、気づけば長いお付き合いに。時間が経つにつれ、作品の捉え方や演じ方の変化はあったのでしょうか。
「第1期のはじめの段階から、白血球ってすでに完成されているキャラクターだなと思っていました。事実変わらない部分もありますが、こうしていろいろな細胞たちと関わることで少し柔らかさが出てきたかな、という印象もあります。柔軟になった、と表現するのがいいのかな」
特別上映版のストーリーの中でも、細胞や菌との触れ合いが白血球(好中球)の考えをいい意味で変化させ、またその変化がストーリーを動かす軸にもなっています。
「作品や白血球の活躍に伴って、僕もいろんな取り組みに挑戦させていただきました。その中で、メインキャラクターを演じさせていただく身として、より自分の体を慈しむようになりましたね」
▲穏やかな物腰で、ひとつひとつ丁寧に言葉を返してくださる前野さん。〝体を慈しむ〟——この優しく美しい言葉選びにも、そんな前野さんらしさが詰まっているような気がします。
「もう無駄な血の一滴も流せないぞ、と(苦笑)」
体が何よりの資本である〝声優〟という職業。「大病を患うことのない生活をしていかねばならない、とより強く思うようになりました」と語ります。その言葉を聞いて、ふと思い出したのが今年4月にブログに綴られていた報告。本作品よろしく〝腸〟の検査を受けられていましたよね?
「そうそう、4月に直腸検査を受けたんです。この特別上映版の舞台になる場所… 臓器っていうのがいいのかな。それがタイトルにもある通り〝腸〟なんですね。人間ドックは毎年行っているんですけど、腸の中を具体的にしっかり調べたことって今までなかったんです。それで『実は大腸ガンでした!』となったら大変だなと思って。絶対にニュースになっちゃうじゃないですか、「白血球、大腸ガンだった!」みたいなセンセーショナルな見出しで!そうなったらシャレにならない、それはさすがに笑えんぞ…と(苦笑)」
この特別上映版の存在が、検査を受けるきっかけになっていたんですね。
「作品は大きな理由のひとつでした。下剤を飲んで腸の中を空っぽにしなきゃいけないとか、何かと敷居が高くて敬遠していた検査だったんですが、これもいい機会だな、と。事務所に相談をして、こういうことをやりたいからスケジュールをあけさせてください、とお願いして受けてきました。なんともなくて、本当によかった…!」
日常的な運動、野菜の摂取、そして乳酸菌への意識…! 今、健康のためにしていること
一生懸命はたらく細胞たちの存在を見ていると、自分のことを大切にしてあげようと自然と普段の生活や健康管理を見直したくなります。そんな作品に出演している前野さんが、健康のためにしていることってありますか?
「意識的に体を動かすようにはしていますね。ジムに行って運動をしたり、Nintendo Switchの『リングフィット アドベンチャー』で遊びながら体を動かしたり…」
と、ゲーム好きとしても有名な前野さんならではの回答も。
▲「自宅にエアロバイクのマシンがあるので、それに乗ったりもしてますよ」なんという健康意識の高さ!
「それから、これは昔からなんですけど…野菜をよく摂るように心がけています」
前野さん、野菜…というキーワードから、つい(個人的に)連想してしまうのがサブウェイのパン抜き…。
「そうそう、サブウェイ!パン抜きのほうが値段が高いんですよね!(笑) 。サブウェイは今でもよく行っていますよ。食に関しては、最近は加齢の影響を受けている部分も大きいかもしれないです。脂っこい肉が食べられなくなったとか(苦笑)。でも、この作品に携わらせていただくようになってからは、より積極的に健康を考えるようになりました」
健康への意識が高まるだけでなく、体や病気に関して具体的にわかりやすく学べることも「はたらく細胞」シリーズの魅力です。
「この特別上映版では、乳酸菌が人体に及ぼすいい影響ってこんなにもたくさんあるんだ!と学べます。だから、僕も日々の生活の中で意識的に乳酸菌を摂るようになりました。ストーリーの中で、乳酸菌がプリン体を食べてくれる描写があるんですけど、『ビールを飲むなら乳酸菌をちゃんと摂るぞ!』と考えるようになったり。いや、ちょっとこれは間違った捉え方だな…乳酸菌を摂ればビールがチャラになるわけじゃないですからね!?あくまでも適量が大切ですよ!?(笑)」
▲丁寧に真面目に話しながらも、〝乳酸菌とビール〟のようなお茶目コメントがときどき見え隠れ。自分のコメントにちょっと慌てる前野さんの姿から〝愛される真面目さ〟を感じたのでした。
「そんな風に具体的な考え方をするようにもなりました。乳酸菌もだし、食物繊維もだし、腸内環境って大事なんだなと改めて実感。みなさんにも同様に感じていただけると思います!」
忙しいとつい疎かになりがちな体のケア。「はたらく細胞」を見ると「体内でがんばっている細胞たちのためにも、健康的な生活を送らなくては…!」とこれまでにない観点から自分の体を大切にしたくなるはず。健康管理の一環として特別上映版を見にいくのもいいですね!
▶︎「特別上映版『はたらく細胞!!』」で白血球(好中球)を熱演中!声優・前野智昭さんスペシャルインタビューvol.1
▶︎「はたらく細胞」白血球(好中球)役の前野智昭さんが、〝はたらく〟上で一番大切にしていることって?声優・前野智昭さんスペシャルインタビューvol.3
■『特別上映版「はたらく細胞!!」最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』絶賛上映中!
これはあなたの物語。あなたの体内(からだ)の物語──。
人の細胞の数、およそ37兆個(新説)。
細胞たちは体という世界の中、今日も元気に、休むことなく働いている。
酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球…….
そこには、知られざる細胞たちのドラマがあった。
擬人化モノの新定番、大人気コミック「はたらく細胞」のテレビアニメ第2期が2021年1月にスタート。
本作は、そのオンエアに先駆けて公開される先行上映版。
胃、小腸、大腸と行った消化器官を舞台に、細胞たちの壮大な物語が描かれる。
【スタッフ】
原作:清水 茜(講談社「月刊少年シリウス」連載) 監督:小倉宏文 シリーズ構成・脚本:柿原優子 キャラクターデザイン:吉田隆彦 細菌キャラクターデザイン・プロップデザイン:三室健太 サブキャラクターデザイン:玉置敬子 総作画監督:吉田隆彦・玉置敬子・北尾 勝 美術監督:細井友保(スタジオちゅーりっぷ) 美術設定:曽野由大 色彩設計:水野愛子 撮影監督:大島由貴 3DCG監督:石井規仁 編集:廣瀬清志 (エディッツ) 音響監督:明田川 仁 音響制作:マジックカプセル 音楽:末廣健一郎・MAYUKO アニメーションプロデューサー:若松 剛 アニメーション制作:david production 製作:アニプレックス・講談社・david production
【キャスト】
◆赤血球:花澤香菜 ◆白血球(好中球):前野智昭
◆キラーT細胞(メモリーT細胞):小野大輔
◆マクロファージ:井上喜久子
◆血小板:長縄まりあ ◆制御性T細胞:早見沙織
◆NK細胞:行成とあ ◆乳酸菌(クロ):吉田有里
◆乳酸菌(アカ):高橋李依 ◆乳酸菌(パンダ):藤原夏海
◆乳酸菌(ブチ):久保ユリカ ◆一般細胞:小林裕介
◆がん細胞:石田彰 ◆ナレーション:能登麻美子
アニメ公式サイトはこちら/公式Twitter(@hataraku_saibou)はこちら
(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
◆テレビアニメ第2期「はたらく細胞!!」2021年1月より放送予定。
◆「月刊少年シリウス」(講談社)にて「はたらく細胞」好評連載中!コミックス第1巻〜第5巻発売中。
声優
前野智昭
まえの・ともあき/5月26日生まれ。アニメ、ゲーム、洋画の吹き替えなど幅広く活躍。主な出演作に『図書館戦争』の堂上 篤役、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズのカミュ役、『暁のヨナ』のハク役、『Fairy gone フェアリーゴーン』のフリー・アンダーバー役など。大のゲーム好き、そして野球好き。読売ジャイアンツの大ファンとしても知られる。
撮影/安井宏充(Weekend.) スタイリスト/MASAYA (addictcase) ヘア&メイク/横手寿里 取材/旧井菜月・福本絵理香(本誌)