【目次】
・要領がいいとはどんな意味?
・要領がいい人を悪い意味で使う場合とは
・要領がいい人の類語や英語表現は?
・要領がいい人に見られる特徴や性格
・要領がいい人になるには?
・要領のよさは取柄のひとつ
要領がいいとはどんな意味?
要領がいいという言葉は、あまりポジティブな場面では使いません。状況によっても異なりますが、大抵は「10の手間が必要なはずなのに3程度の手間で完成した」というような、時間や労力を使わずに何かを成し遂げたときに「要領がいい」と表現することが多いでしょう。

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<本来は褒め言葉>
「要領」とは、物事の要点やコツといった意味を指します。つまり、「要領がいい」とは、物事の要点やコツをきちんと押さえていることを示すポジティブな言葉です。
そのため、本来ならば「要領がいい」は褒め言葉で、物事の本質を見抜いて正しく対応している人を称賛する際に用います。
要領がいい人を悪い意味で使う場合とは
「要領がいい」という言葉は、本来はコツをしっかりとつかんでいることを示す言葉なので、褒め言葉として用いられるはずです。もちろん、本来の意味で使っている方もいますので、「要領がいい」と言われたときは、素直に「ありがとうございます」と返答することができるでしょう。
しかし、明らかに悪い意味で「要領がいい」と言われることがあります。悪い意味で使われるときには、「要領がいい」という言葉にどのようなニュアンスが含まれているのでしょうか。
■要領がいい人=ずるい人?
物事のコツや要点をしっかりとつかんでいると、手間をかけずに本質に到達でき、結果として作業がスピーディーに行えます。そのため、他の人が1時間かかるようなことでも、わずか5分、10分で作業を終えることができるでしょう。
しかし、物事のコツをつかんでいない人から見ると、「なんで手間をかけずに仕事を終えているの?ずるをしているのではないの?」と、卑怯な手段で作業を終えているかのような判断してしまうかもしれません。
そのような場合に「要領がいい」という言葉を使うなら、「本来はしなくてはいけないはずの手順や努力を飛ばしているずるい人」というニュアンスが含まれているでしょう。
■要領がいい人=実力がない人?
また、「要領がいい」という言葉を実力がないという意味で使うこともあります。ある人には到底できないだろうと思われていたことを、周囲の予想に反して成し遂げた場合、「実力もないのに偶然できたのね」といったニュアンスを込めて「要領がいい」というかもしれません。
運も実力のうちというならば、実力があってこそ成し遂げたのが事実ですが、意地悪な目で見れば「実力がないのに運だけでうまくいった」ということになってしまうのでしょう。
■「結果が出ていること」は認めている
「要領がいい」という言葉を「ずるい」という意味で使う場合も「実力がない」という意味で使う場合も、どちらも、「結果が出ていること」に関しては周囲が認めていることになります。そのため、要領がいいという言葉は、「きちんと成果を出している人」に対してのみ送られる言葉とも言えるでしょう。
頑張ったのに「要領がいい」の一言で片づけられてしまった場合も、「実力が認められていない」と落ち込む必要はありません。要領がいいという言葉の本来の意味に思いを馳せ、「結果が出ていることは認められている」とポジティブに考えることができるでしょう。つまり、要領がいいという言葉は、結果をきちんと出す人だけに送られる賛辞なのです。
要領がいい人の類語や英語表現は?
最初にも触れましたが、「要領がいい」という言葉を本来の意味ではなくネガティブな意味で使うケースは少なくありません。そのため、物事の本質やコツをつかんでいるという本来の意味で使いたい場合、「要領がいい」という言葉を選んでしまうと、「ずるい人という意味?」「私に実力がないってこと?」と相手に誤解を与えることもあります。

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要領がいいという言葉の類語を紹介しますので、ぜひ本来の意味で褒め言葉として使うときは、類語のほうを使うようにしてください。
■類語
物事の本質をつかんでスムーズに対応している様子を褒める場合には、「要領がいい」の代わりに次の言葉を使うことができます。
・手際がよい
・洗練されている
・熟練している
・熟達している
・処理能力が高い
・コツをつかんでいる
褒めるニュアンスを含めずに「要領がいい」という言葉を使いたい場合は、要領がいい以外にも次の言葉を選ぶことができるでしょう。
・ちゃっかりとした
・そつがない
・立ち回りがうまい
・処世術にたけた
・目端が利く
・世才に優れる
■英語表現
本来の意味での「要領がいい」という言葉は、英語では、次のように表現できます。
・get the hang of it
・be good at dealing with things
例えば「コツをつかみましたか」という文章ならば、Have you got the hang of it?と表現できるでしょう。また、「彼は要領がよかった」という文章ならば、He is good at dealing with things.と表現できます。
要領がいい人に見られる特徴や性格
要領がいい人には、どのような特徴や性格が見られるのでしょうか。いくつか紹介しますので、あなたの中にも要領のよさがないのか探してみてください。

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■物事の優先順位をつけるのが得意
要領がいい人とは、物事の本質をすぐに見抜き、余計な手間をかけずに結果を出す人です。つまり、早くする必要があることと後でも構わないことを一瞬で分類できる能力、物事の優先順位を素早くつける能力があるとも言い換えられるでしょう。
例えば、会社で言われた通りの順に仕事をしていたらどうでしょうか。急ぎの仕事が納期に間に合わなくなってしまうかもしれません。言われた順にするのではなく、優先順位をつけてスケジュールを組みなおすことで、たくさんの仕事を抱えていても、どれもが滞らずに必要なときまでに提出できるようになるのです。
■必要のないことは上手に手抜き
すべての仕事や作業を同じ熱意ですることは、要領がいいとは言えません。必要のないことは上手に手を抜き、本当に必要なことにだけ力を注ぐことができます。例えば、アップルパイを焼く際に、最初のうちはレシピ通りに進めていくことがおいしいパイを作るコツにもなるでしょう。
しかし、何度もアップルパイを焼いていくうちに、「リンゴにレモン汁をかけてから30分も置く必要はないな。かえって10分程度のほうがフレッシュな酸味が残る」「オーブンを予熱で20分温めても、10分でも味はまったく変わらない。
時間短縮と光熱費削減のために余熱の時間は10分にしよう」というように、不必要な過程や時間を省いて作成するオリジナルのレシピが生まれるのです。
■素早く行動に移す
要領がいい人は、必要なことに関しては素早く行動に移します。だらだらとスマホを見て時間をつぶし、「あと10分したら仕事を始めるから…」と言うようなことはあまりありません。
作業を始めた後も同様です。ちょっとだけ何かをして、すぐに休憩、また休憩…ではどんなに時間があっても作業が進みません。要領がいい人は仕事を始めたら一気に最後まで取り組むので、同じタイミングで始めた人よりも早く作業が完了します。
■予想外のことがあっても柔軟に対応
要領がいい人は物事の本質をつかんでいるので、本質の周辺のことに関してはあまりこだわりません。そのため、予想外と思われる出来事が起こっても、慌てずに柔軟に対応することができます。
例えば、プロジェクトが成功したので、終業後に軽く会社でパーティをしようと計画したとしましょう。しかし、注文していたピザが届かず、ドリンクだけ大量に届いたとします。
要領がいい人は、パーティの本質は「みんなで今までの努力を誉め合うこと」ということに気付いていますから、食べ物がなくても特に慌てることはありません。近くのコンビニで大量にスナック菓子でも買い、楽しく乾杯をすればパーティは始まります。
しかし、物事の本質をつかんでいない人は「ピザが届かない」という出来事に戸惑ってしまうかもしれません。何度もピザ屋さんに電話をかけたり、ほかのピザ屋さんに予約をし直したりと、慌ててバタバタと行動をして「パーティを楽しむ」という大切なことがおろそかになってしまいます。
■お願いするのが得意
要領がいい人は、すべてを自分一人でする必要がないということを知っています。必要に応じて周囲に助けを求め、最短時間かつ最短距離で作業を完成させるでしょう。
そのため、お願いをすることも得意です。「この部分だけ仕上げてもらっていい?」「いつも見やすい字を書いてくれて本当に助かる。ここもちょっとだけ書いてくれる?」と笑顔で協力を求め、和やかに作業を分担して進めていきます。
要領がいい人になるには?
要領がいい人とは、賢い人のことでもあります。物事の本質をとらえて最短の手間で最高の結果を導き出すことが得意だということは、短時間に何が必要で何が不必要なのかを見抜くわけですから、頭の回転が極めて速いと考えられるでしょう。

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物事の優先順位をつけることも得意なので、たくさん仕事を抱えていても遅れることは滅多にありません。スケジュールを上手に管理し、効率よく仕事をこなしていきます。
こんな素敵な「要領がいい」人に、あなたもなってみたいと思いませんか?要領がいい人になるための3つのポイントを紹介します。
■目的と結果を先に考える
要領がいい人は、物事の本質をとらえて行動します。つまり、「何が目的なのか」「どのような結果が求められているのか」を事前に把握して仕事に着手するでしょう。これが要領がいい人の特徴です。
目的や結果につながらない余計な行動はしないため、目的や結果を把握していない人よりもスピーディーに作業が進みます。
要領がいい人を目指すなら、普段の行動でも「何が目的なのか」「どのような結果が求められているのか」を事前に考える習慣をつけてみてはいかがでしょうか。余計な作業が減り、短時間で好結果が出るようになるでしょう。
■不必要な要素を見抜く
要領がいい人は不必要な要素を見抜くことが得意です。いくつも工程がある作業でも、数回すれば「この工程とこれは不要」と見抜くため、短時間で作業が仕上がるようになります。
そのため、周囲からは「手抜きをしているのでは?」「ずるい」との声が上がることもありますが、結果に遜色がないこと、それどころか他の人の結果よりも優れていることが分かるにつれ、「物事の本質を見抜いているのだなあ」と正当に評価されるようになるでしょう。
要領がいい人を目指すなら、まずは何度も真剣に元々の手順で作業をしてみてください。そのうえで、不必要な要素を省き、必要最小限の工程で作業を仕上げていきましょう。要領がいい人も、要領をつかむまでは通常以上に努力をしているという事実に気付けるはずです。
■「ああすれば良かった」を言わない
要領がいい人も失敗をします。しかし、失敗をしてから「ああすれば良かった」と後悔をすることはありません。
要領がいい人は、要領をつかむまでに何度も試行錯誤をするのが普段のルーティーンです。そのため、傍目には失敗をしたとしても、要領がいい人にとっては失敗ですらなく、本質を見抜くまでの当然の過程のひとつだと考えます。
要領のよさは取柄のひとつ
要領がいいということは、物事の本質を見抜いて不要なものを省くことができること、つまり頭が良いということです。もしあなたが要領がいいと言われることが多いのなら、それは間違いなく取柄ですから自信を持ってください。
要領がいいという言葉をネガティブな意味で使っている人も、あなたがしっかりと結果を出していることは認めているわけです。あなたの方法が悪いわけではないので、「ネガティブな評価はささいなこと」と気にせず、今の路線を貫いていきましょう。
要領がいい人になりたい人は、失敗をしても何度も試行錯誤をする根気が必要です。何度も繰り返すうちに本質を見抜き、少ない手間で最高の結果を生み出せるようになるでしょう。
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