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LIFESTYLE 飲み物

2021.04.24

今、飲みたい1本は、春野菜の苦みとマリアージュするワイン

 

私たちも大好きなホワイトアスパラガスは、フランス人にとっての春の風物詩。なかでもアルザス地方ではミュスカというワインと合わせるのが定番です。それ以外にも山菜の天婦羅やグリースピース、グリーンアスパラなど春の苦みを伴なった野菜にミュスカはぴったり。ぜひ楽しんでみて。

Text:
鳥海 美奈子
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ホワイトアスパラガスとミュスカはフランスの定番

春のフランスは、ホワイトアスパラガスの季節。フランス人にとっては、まさに春の到来を告げる食材、春の風物詩といっても過言ではありません。

この時期、マルシェに行けば十数本も一緒に束ねられたホワイトアスパラガスが、山のように積まれている光景に出逢うことができます。なかでもアルザス地方の人々にとっては、「ホワイトアスパラガスといえばミュスカ」といわれるほどこれはもう定番中の定番、完璧で破綻のない組み合わせなのです。

▲ 香り高さと爽やかな甘さが魅力のホワイトアスパラガスはミュスカとともに

ミュスカはフランス語で「マスカット」という意味で、日本の私たちが知っている食用のマスカットと同じ種類の白ワイン用ぶどう品種です。

フランスの他の地域でも、ミュスカのワインはつくられていて甘口のものも多いけれど、アルザスの場合は食事にとてもよく合う辛口の白。

そこで選びたいのが、アルザスで世界的にもっともよく知られた生産者のひとりであり、アルザス屈指といっても過言ではないドメーヌ・ツィント・フンブレヒトのミュスカです。

▲ フンブレヒト家は1620年からワイン造りを手がけてきた、由緒ある家系

アルザス屈指のドメーヌが生み出す高品質のワイン

オリヴィエ・フンブレヒトはこのドメーヌの12代目当主。世界で最難関といわれるワインの資格「マスター・オブ・ワイン(MW)」を弱冠26歳で取得。これはフランス人としては初であり、ワイン生産者としては世界でふたりめという快挙でした。

▲ ワイン学やテイスティング術を修得し、有機農法を取り入れて最高のワイン造りを目指すオリヴィエ

そういったワインへの確かな理論構築に加えて、有機栽培のビオディナミ農法にも情熱を注いでいます。2002年からは国際ビオディナミ生産者組合会長となり、その栽培法を広める役割も担っているのです。

アルザスはフランス全土のなかでも、ビオやビオディナミの有機農業が盛んな地。それだけに多くの魅力的な生産者がひしめいていますが、フンブレヒトのワインの美点は伸びやかで艶やか、かつ風格あるその味わいです。

▲ テュルクハイムの畑。ミュスカのぶどうの木の平均樹齢は約40年

少し苦味のある春野菜すべてによく合う

「ミュスカ テュルクハイム」も、フンブレヒトならではのよさを体感できる1本。ミュスカには、いくつか種類があります。この銘柄に使われているのはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランという品種が85%、ミュスカ・オットネルが15%。ア・プティ

グランはもともと古代ギリシャからローマ、ドイツへと伝わり、16世紀頃にはフランスでも栽培され始めました。

▲ 花やハーブ、マスカットぶどうの香りに満ちた「ミュスカ テュルクハイム」

ぶどうの粒が小さく、フィネスに満ち、そうでありながら余韻の長さもあわせもっていて、まさに高品質なミュスカの証、といえるでしょう。

「ミュスカ テュルクハイム」を飲むと、とてもフローラルで、マスカットをかじったときのような鮮烈な果実味と澄み切った爽やかなテクスチャーが混じり合い、ラストにはやや苦味も感じられて、調和の取れた味わいです。

もう少し贅沢をするなら、特級畑のやはりア・プティ・グラン主体の銘柄「ミュスカ ゴルデール グラン・クリュ」をぜひ。特級畑、と聞くと高価というイメージが一般にはありますが、アルザスは価格もとても良心的。気品と構成力があり、フンブレヒトのワインの世界観をより堪能できます。

▲ より複雑で構成力のある特級畑のワイン「ミュスカ ゴルデール グラン・クリュ」

どちらのワインもホワイトアスパラガスに限らず、春のさまざまな野菜ともよくマリアージュしてくれます。山菜の天婦羅や春キャベツ、グリーンアスパラガスやグリーンピースなど、やや苦味を伴った春の食材と、もう本当にぴったり。

このワインとともに、春野菜の味覚をたっぷりと楽しんでくださいね。

Domaine Zind-Humbrecht ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト
「ミュスカ テュルクハイム 2018」¥3,300(税込)
「ミュスカ ゴルデール グラン・クリュ 2017」¥5,500(税込)
問い合わせ先:日本リカー 03・5643・9770

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ライター

鳥海 美奈子

共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。

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