意外に間違えやすい「存じ上げる」の正しい使い方や注意点、類語や例文をご紹介 | Domani

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2021.06.17

意外に間違えやすい「存じ上げる」の正しい使い方とは? 注意点、類語や例文もご紹介

ビジネスシーンで、日常的に使うことが多い「存じ上げる」。これは相手が人である場合に用いる謙譲語で、「知る」や「思う」を意味します。使い方は意外に間違えやすく、自信のない人もいるかもしれません。この記事を読んで正しい意味を理解し、使い方をマスターしましょう。

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【目次】
 ・「存じ上げる」の意味と使い方
 ・「存じ上げる」と「存じる」は相手で使い分ける!
 ・「存じ上げる」を否定形で用いるときの注意点
 ・「存じ上げる」や「存じる」の例文をご紹介
 ・「存じ上げる」の用法をマスターしよう

「存じ上げる」の意味と使い方

「存じ上げる」は「知っています」「思います」を意味し、人に対してのみ使うことができる表現です。取引先や上司など、目上の方に対して使う場面が多いからこそ、社会人になってから周りに合わせてなんとなく使ってきた、という場合は特に注意が必要です。

存じ上げる

(C)Shutterstock.com

誤った使い方をして相手に失礼とならないように、まずは言葉の意味や使い方、例文を確認しましょう。

■「存じ上げる」の意味とは

「存じ上げる」とは「知っています」「思います」という意味で、「存ずる」と「上げる」という2つの謙譲語で構成されています。「存ずる」は、「知る」や「思う」を意味し、「上げる」には相手へのさらなる敬意を示す働きがあります。

なお、現代では「存ずる」から派生した「存じる」を使う方が一般的とされています。

■「存じ上げる」の正しい使い方とは

「存じ上げる」は基本的に人に対してのみ使うことができ、例えば「〇〇さんについて知っている」「〇〇さんが元気で嬉しく思っている」ということを表す場合に用いるのが正しい使い方です。使い方のポイントは、「知っている」「思っている」対象が人であるか否かです。

「思う」という意味で使う場合は堅苦しい印象を与えやすいため、手紙やメール、スピーチで使われることが多いでしょう。

丁寧な表現で、相手に敬意を表すことができる「存じ上げる」。とても便利な表現ですが、全てのものに対して使えるわけではない点に注意しましょう。

■疑問形で使う場合はどうなるの?

「存じ上げる」を疑問形にすると「存じ上げませんか」となりますが、これは間違った日本語です。そもそも「存じ上げる」は謙譲語であり、そのまま疑問形にしたり自分以外の行動に対して使ったりすることは敬語表現として不適切と言えます。

相手が〇〇について知っているか尋ねる場合は、「〇〇をご存じですか」とするのが正しい使い方です。

■「ご存じ」「ご存知」どちらが正しい?

「ごぞんじ」は「ご存じ」と書くのが正しい日本語です。ビジネス文書やメールを見ると、「ご存じ」「ご存知」両方の記載を目にします。どちらが正しいのかを知らずに誤用している人は意外に多いかもしれません。

「ごぞんじ」は既に説明したとおり、「存ずる」が変化した謙譲語です。「じ」を「知」とするのは当て字とも言われています。正しく「ご存じ」と記載するよう、注意しましょう。

■類語「承知する」との違いは

知っているという意味の「存じ上げる」の類語として、「承知する」が挙げられます。「承知する」も「知っている」を意味する敬語ですが、「存じ上げる」とはニュアンスが異なります。「存じ上げる」は、人の名前や存在を知っているときに使います。

他方、「承知する」は何らかの事情を知っているときに使う言葉です。例えば、「取引先の本社移転の件」「書類に記載不備があった件」について知っている場合が該当します。「何を」知っているかに着目し、正しく使い分けるようにしましょう。

「存じ上げる」と「存じる」は相手で使い分ける!

「存じる」は人以外に対して「知っています」「思っています」という意味で使い、「存じ上げる」と同様にビジネスではよく使う言葉です。

存じ上げる

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「存じ上げる」は「存じる」から派生した言葉であり、どちらも同じ意味を有する謙譲語であるため混同しかねません。「知る」「思う」の対象となる、相手によって使い分ける必要があることを覚えておきましょう。

■「存じ上げる」は人を対象とした謙譲語

「存じ上げる」は、目的語が人である場合に使用される謙譲語です。「存じる」に「上げる」が付け加えられることにより、より丁寧な表現となり、人に対して敬意を表すことができます。

会話の流れや文脈によっては、人以外のものに「存じ上げる」を使うこともできますが、丁寧すぎる印象をもたれるかもしれません。目的が人であるか否かで使い分けるのが無難と言えるでしょう。

■「存じる」は人以外を対象とした謙譲語

「存じる」は、目的語が人以外である場合に使用される謙譲語です。「知っている」の意味で使う場合は、その対象が物や場所であることが多いでしょう。

「思っている」の意味では、「嬉しく存じます」「~に伺いたく存じます」というように、自分の意思や行動を述べるときに使います。

「存じ上げる」を否定形で用いるときの注意点

「存じ上げる」の否定形「存じ上げません」を用いるときの注意点として、「相手に与える印象が悪くなりかねない」ということが挙げられます。

存じ上げる

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「存じ上げる」の否定形は、打消し表現の「ません」を加えた、「存じ上げません」です。対象が人であるものについて、「ご存じですか」と聞かれた際、知らない場合は「存じ上げません」と答えます。ところが相手やシチュエーション、受け取り方によっては印象が悪くなってしまう可能性があります。

■「存じ上げません」は突き放す印象を与えることも

相手からの問いかけに対して「存じ上げません」と一言で返すと、突き放す印象を与えかねません。また、相手によっては、堅苦しさや冷たさを感じる可能性もあります。

特に取引先や目上の方に対して否定形で返答する場合は、印象を悪くしないために、クッション言葉を入れたり言い回しを変えてみましょう。

■クッション言葉を入れる

相手に対して否定形で返答をせざるを得ない場合、クッション言葉を挟むのが有効です。クッション言葉を入れることにより、否定のニュアンスを和らげる効果があります。

「存じ上げません」の前に加えるクッション言葉としては、「恐れ入りますが」や「申し訳ありませんが」を使用するのが一般的です。同じクッション言葉を多用したり、謝る必要がないとこで不用意に謝ったりして不自然にならないように注意しながら、適切にクッション言葉を用いましょう。

■他の言い回しに変えてみる

堅苦しさや冷たさを避けたい場合は、「存じ上げません」の代わりに「わかりかねます」というように別の言い回しに変えることも可能です。「わかりかねます」の方が柔らかい印象となり、相手との距離感も近く感じられるでしょう。

この際、さらにクッション言葉を加えて「申し訳ございませんが、私ではわかりかねます」のようにすると、より丁寧です。

「存じ上げる」や「存じる」の例文をご紹介

「存じ上げる」と「存じる」について、疑問形や否定形を交えながら例文をご紹介します。これらを参考に、実際のビジネスでも「存じ上げる」と「存じる」を正しく使い分けましょう。

存じ上げる

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■「存じ上げる」の例文

【例文】
・〇〇様については、以前よりお名前を存じ上げております。
・弊社部長の〇〇はご存知ですか? 恐れ入りますが、存じ上げません。
・〇〇さんは何時に帰社予定でしょうか? 申し訳ございませんが、わかりかねます。

■「存じる」の例文

【例文】
・御社の商品については、以前より存じております。
・会議の日程が変更になった件はご存じですか? はい、存じております。
・このシステムの使い方をご存じですか。 恥ずかしながら、存じません。
・御社へは、明日の10時に伺いたく存じます。
・身に余るお言葉を頂戴し、大変有難く存じます。

「存じ上げる」の用法をマスターしよう

「存じ上げる」は、「知る」「思う」という意味の謙譲語です。「知る」「思う」の対象が人である場合に使うのが「存じ上げる」それ以外の場合は類語の「存じる」を使います。否定形の「存じ上げません」は相手への印象を考慮してクッション言葉を挟んだり、柔らかい表現に言い換えたりする方が良いでしょう。

目上の方に使うことが多い言葉だからこそ、誤った使い方をして恥をかいたり、冷たい印象を与えて相手を不快にさせたりしないよう注意したいですね。ビジネスにおいて日常的に使う「存じ上げる」、しっかりと用法をマスターしましょう。

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