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「ご清聴ありがとうございました」の正しい意味と類語
「ご清聴(ごせいちょう)」とは、自分の話を聞く相手へ敬意を表した言葉です。「ご清聴」に「ありがとうございました」を付け加えることで、「自分の話を聞いてくださり、ありがとうございました」という感謝の気持ちを伝えられます。
「ご清聴ありがとうございました」を使用するシーンは幅広く、講演やスピーチの締め言葉などで用いられます。また、ビジネスシーンでは、プレゼンテーションの締めの挨拶に活用される表現です。
「ご清聴」の類似表現3つ
「ご清聴」には、以下のような類似表現があります。大人の知識として、それぞれを確認しておきましょう。どれも「聞く」という動作を表す言葉ですが、ニュアンスや使い方は少しずつ異なるので注意が必要です。

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「拝聴する」
「拝聴(はいちょう)」とは、「相手の話を聞く」という行為をへりくだって表現した言葉です。名詞である「拝聴」に「する」を付け加え、目上の人や上司に対して使用します。
「ご清聴」が自分以外の人の動作を表すのに対し、「拝聴」は自身の動作を表すときに使うことに注意しましょう。
例文
・先日の講演を拝聴し、大変感銘を覚えました。
・〇〇教授の講演は、毎回拝聴しております。
・貴重なお話を拝聴することができ、大変参考になりました。ありがとうございました。
「傾聴」
「傾聴(けいちょう)」は、耳を傾け熱心に聞く様子を表します。ビジネスで必要とされる「傾聴力」は、相手の話をよく聞き、理解するスキルです。「傾聴に値する意見」「傾聴すべきお話」など、話の内容を評価したい時にもよく使用されます。
例文
・静かにうなずきながら、彼の話をゆっくりと傾聴した。
・新たな視点から切り込む彼の意見は、傾聴に値すると言えるだろう。
・今回の講演は、多くの人が傾聴すべきお話だと感じました。
「耳に入れる」
「耳に入れる」には、「人の話に耳を傾ける」や「話を小耳にはさむ」といった意味があります。「ご清聴」と比べると、やや軽い気持ちで話を聞く印象です。また、単に聞くだけでなく「情報を伝える」という意味も合わせ持つ慣用句で、「お」を付け加え「お耳に入れる」と表現すると、目上の人にも使用できます。ただし、「こっそり」「秘密裏に」といったニュアンスも含むため、使用するときは注意しましょう。
例文
・仲間内の会話で耳に入れた話なので、確信は持てないのですが。
・とりあえず、今回の話は彼の耳にも入れておいた。
・お時間頂戴し恐れ入ります。会議の前に、お耳に入れたい話がございます。
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「ご清聴」と「ご静聴」はどう違う?
「ご静聴」は「ご清聴」と同じ読み方をする言葉ですが、意味合いや使うシーンは大きく異なります。特に「ご静聴」は目上の人には使用できないため注意が必要です。それぞれの違いを理解し、大人のマナーを身に付けましょう。

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「ご静聴」は静かによく聞くこと
「静」と「聴」の文字のとおり、「ご静聴」は静かによく聞くことを意味します。主に講演や発表、スピーチの会場などで司会者が用いる言葉です。会場が騒がしく、静かにしてほしい場面で「ご静聴願います」と呼びかけます。
「静かに聞いてくれてありがとう」と感謝を表す意味では、「ご静聴ありがとうございます」も決して間違いではありません。しかし、「ご静聴」はあくまでも第三者が用いる言葉であり、「ご静聴願います」とお願いのシーンで使用することを覚えておきましょう。
「ご静聴」を目上の人に使うのはNG
「ご静聴」の意味には、「ご清聴」のように相手への敬意は含まれていません。そのため、目上の人に「ご静聴」を用いるのは失礼にあたります。言葉の響きは変わらないため、文字に起こすときには特に注意が必要です。
文書やスライドの作成時は、「静聴」と「清聴」の変換ミスに気を付けましょう。