「存じ上げる」を否定形で用いるときの注意点
「存じ上げません」を使う際の注意点として、相手に悪い印象を与えてしまう可能性があることが挙げられます。会話の中で使う際に気をつけたいポイントをまとめました。
「存じ上げません」は突き放す印象を与えることも
相手からの問いかけに対して「存じ上げません」と一言で返すと、突き放す印象を与えかねません。また、相手によっては、堅苦しさや冷たさを感じる可能性もあります。
特に取引先や目上の人に対して否定形で返答する場合は、印象を悪くしないために、「存じ上げません」の前に「恐れ入りますが」や「申し訳ありませんが」などという言葉を入れて言い回しを変えてみましょう。
他の言い回しに変えてみる
堅苦しさや冷たさを避けたい場合は、「存じ上げません」の代わりに「わかりかねます」というように別の言い回しに変えることも可能です。「わかりかねます」の方が柔らかい印象となり、相手との距離感も近く感じられるでしょう。
この際、さらに「申し訳ございませんが、私ではわかりかねます」などという言葉を加えると、より丁寧になります。
「存じ上げる」や「存じる」の例文を紹介
「存じ上げる」と「存じる」について、疑問形や否定形を交えながら例文を紹介します。
「存じ上げる」の例文
【例文】
・〇〇様については、以前よりお名前を存じ上げております。
・A:弊社部長の〇〇はご存じですか?
B:恐れ入りますが、存じ上げません。
「存じる」の例文
【例文】
・A:会議の日程が変更になった件はご存じですか?
B:はい、存じております。
・御社へは、明日の10時に伺いたく存じます。
「存じ上げる」の類語や言い換え表現
「存じ上げる」の類語として、「心得ております」「承知しております」「知っております」を紹介します。
心得ております
「心得ております」は、特定のことについてしっかり理解していることを示します。特に、仕事や専門分野で必要な知識やスキルを十分に身につけている場合に使われることが特徴です。
【例文】
・安全対策については、十分に心得ております。
承知しております
「承知しております」は、相手からの情報や依頼をちゃんと理解して受け入れていることを表します。ビジネスの場でよく使われ、相手の言葉をきちんと受け止めていることを示しています。
【例文】
・本件については、承知しております。
知っております
「知っております」は、何かについての情報や事実をすでに知っていることを表します。新しい情報ではなく、以前から認識していることを伝えるために使いますね。
【例文】
・その事実は、以前から知っております。
最後に
「存じ上げる」は、「知る」や「思う」を意味する謙譲語です。正しい使い方をマスターし、ビジネスシーンで適切に使ってみてください。特に目上の人に対しては、否定形などの使い方に注意してみてくださいね。
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