ストレスへの耐性が低い
ゆとり世代の人は、ゆとりのある教育を受けてきたため叱責やストレスへの耐性が低いと言われるよう。
成長期にあった日本社会は、辛いことも我慢して頑張れば昇給や出世といった見返りが多かったようで、うつ病についても認識はされていたものの、それは「精神力が弱いから」という程度のものだったのだとか。
そのため、そういった世代の人から見るとどうしても叱責やストレスへの耐性が低い!と思われてしまうようです。
しかしこういった経験をしてきた人たちが今度は指導する立場になり、昔の考えを引きずることで問題視されることが増えてきたのも事実です。
多様性を尊重する
それぞれの個性を尊重する「ゆとり教育」を受けてきたゆとり世代は、自分だけでなく、他人の個性についても尊重する傾向が見られます。
自分自身と異なる文化や価値観、考え方など多様性に対する理解度が高く、共存しようと試みる姿勢があります。
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みにも関心がある世代であるとともに、グローバルな視野があるため、「環境問題」への関心が高いのも特徴です。
独自のアイデアや意見を大切にする
個性を伸ばす教育を受けてきたゆとり世代は、柔軟な発想力で、独創的なアイデアを生み出すことに優れています。
既存の枠組みにとらわれず新しいアイデアを出す一方、「問Aの答えはB」と決められた回答ではなく「問Aの答えはBまたはC、Dもあり得る」「計算式はA+BまたはB+A」など決められた解き方や答えを暗記するのではなく、答えに辿り着くための思考力を重視されてきたため、他人の意見を受け入れることに対しても抵抗がなく、自分のアイデアを大切にしつつ、周囲の意見も同じように尊重することができます。
効率を重視する
ITスキルが高く、子どもの頃からインターネットに慣れ親しんできたゆとり世代は、インターネットを使った情報収集能力に長けています。一方、辞書を引いたり詳しい人にリサーチするなど手間をかけることには慣れていないため、何事も効率重視で最短ルートで最適解に辿り着くことを選びがちです。
また、自分で考え、問題を解決する教育を受けてきたため、古くからある慣習などに縛れられることがなく、効率やコストパフォーマンス重視で合理的に物事を進めようとする傾向があります。
ゆとり世代に驚いたみんなの実話エピソード
年上世代とのリアルコミュニケーションが苦手なゆとり世代
プチ管理職世代、通称プチ管を悩ませる、実際にあったゆとり世代のあるある事件簿をご紹介していきます!
「仕事以前に挨拶できない!挨拶をすると「は~っ…」とため息つく人。人としての基本はどこに!?」(37歳・メーカー)
「今の若い世代は、こちらの目を見て挨拶してくれず、朝からムカッとくることもたびたびです。間違えることに対しての責任感も薄く、とりあえずあやまればなんとかなると思っているような気配がします」(33歳・会社員)
「何かひとつ注意すると『えっ。そこまでやらないといけないんですか?』真顔で聞かれ、そのたびに驚く」(38歳・会社員)
「総務でプチ管的な立場にあるのですが、最近の若い世代はため口をきいてくるので驚きます。注意すると簡単にキレて電話の受話器を投げてくるので恐ろしい。自分の考えが正しいと思い『は?言ってる意味わからないんですけど?』と上から目線。『もう一度言っていただけませんか?』という謙虚さがない」(37歳・会社員)
「うちの新人は欠勤するとき、LINEで連絡してきます。休むなら電話連絡が常識でしょう。それとも私が古いのでしょうか」(36歳・建設)
「オンでもオフでも、社会人の基礎に欠ける平成部下が鼻につきます。仕事では納期を意識したスケジュール感がゼロ。チームではなく自分のペースで進めることが常識だと思っている。仕事終わりに営業部の飲み会にうっかり声をかければそこでも気配りに欠け、上司や先輩にサークルノリで話しかけているのでこれまたびっくり。翌日、先輩や上司からグチやイヤミを言われるのはプチ管の私なんです。でも言っても直らない人は注意しても無意味なので放置してます」(33歳・通信)
「営業部で4年間、主任を担当しています。20代の若い女性はチヤホヤされるため、後輩は入社2年目にして天下をとった気でいます。若くはない女性のプチ管、しかも独身の私は何かと仕事を振られて常にしんどい。せめて先輩を先輩とも思わぬ、厚かましい精神をなんとかして」(39歳・通信)
ビジネスの常識やルールを知らないゆとり世代
職場のルールになじもうとせず、空気も読まないゆとり世代に、会社に何しに来てるの?と突っ込みたくなるプチ管も多いよう…!
「絶対に遅刻してはいけないところで遅刻する…。ありえない」(35歳・会社員)
「具体的な指示を出さないと自分ひとりでは動くことができず、かわいい顔をして座ったまま…」(39歳・金融)
「教育係を担当しています。基本的にはみないい子なのですが、仕事の基本であるホウレンソウをしてくれません。できないのにできないと言わず、進めたら共有がなく、それに対して悪いと思っていない。できるだけ優しく注意していますが…」(30歳・会社員)
「会社は仕事をする場所のはずなのに、指示待ちの部下が多くて困っています。動機付けがないと動かない、自分の得意分野以外の仕事は普通にイヤがる。最近はタスクを任せるのにもひと苦労です」(35歳・システム開発)
「できないものは仕方ないとばかりに、あきらめがとても早い。仕事なんだからなんとかしようと頑張ってほしい。私が何か言っても、うるさいこと言うと思われている様子」(37歳・公務員)
モチベーションが見えないゆとり世代
仕事熱心なプチ管世代とは対照的なゆとり世代。モチベーションが見えずモヤモヤする人も…。
「鈍感力が高い若手が多く、注意しても気にせず焦りもせずにマイペース。おのずと仕事も滞りがち。そもそも自ら何か考えるという姿勢がないのが問題で。意欲のない子はどう指導していいか、わからない」(35歳・企画運営)
「ミスが発覚して営業の現場は全員整列、上司から『そういうところが甘いんだよ!』と叱咤されているのを目撃。翌日、部下に昨日は大変だったねとフォローしようと話しかけたら、 『えっ?ああ、頭が痛かったんでよく聞こえてませんでした』とケロリ。上司があんなに吠えていたのにまさか響いてなかったとは」(39歳・会社員)
とにかく想定外なゆとり世代
俺流・私流のフリースタイルを通すゆとり世代に、プチ管は驚かされることが多いよう。
「預金分野の指導を任されています。お金を扱う部署だけに厳しく教えると、心が折れるのかすぐに辞めてしまうんです。なるべく機嫌をそこなわないよう、留意してます」(35歳・会社員)
「20代の後輩たちは、就職が私たち世代よりも楽で、いい意味で苦労が少なかった世代。前向きで自分を大事にでき、会社に振り回されない人が多くて、そこがうらやましい」(38歳・IT)
「きつく言えば萎縮するし、私も気分が悪くなる。でも何も言わないとさぼったり手を抜かれてしまい、注意すると私の悪口を言いふらす。努力して怒りを抑えていますが、周りには伝わっているかもしれません」(33歳・会社員)
「働き方改革を受けて、若手には残業をさせなくなったわが社。今、夜20時以降会社に残っているのはイキのいい若手ではなく、老体にむちうつ40代以上ばかりです…」(40歳・会社員)
ゆとり世代と仕事をするなら覚えておきたいこと
理解しやすい伝え方を考える
ゆとり世代といってもさまざま。どうやったらこの子に伝わるのか、一番伝わりやすい言葉を探してみてはいかがでしょう?
「毎回同じミスをくり返す平成部下。そのたびにイヤな気分になるのだけど、最近は〝どんな伝え方をすればこの子が理解しやすいのか〟を考え、伝え方の引き出しを増やしている」(35歳・百貨店)
「今どきの部下はタイプがいろいろ。凹みやすい子には心が折れないよう配慮して、指示待ちの子には細かく指導をしてお尻をたたく。部下それぞれの性格傾向に合わせて対応を柔軟に変えて工夫している」(36歳・SE)
飴と鞭
伝えるべきことはしっかり伝え、でもその分良いところも見つけてあげる、という人も。
「平成部下に厳しいことを言ったら、あとで必ずひとつほめる」(33歳・通信)
仕事以外のコミュニケーションもとる
仕事とプライベートをきっちり分ける人が多いゆとり世代ですが、仕事以外のことも会話に入れながら距離を縮める、というやり方をしている人もいるよう。
「若い世代に刺さるものを知りたくて、後輩が好きなアニメを私も視聴するように。最近は同じ声優の話で盛り上がったりして、以前より仕事の話もしやすくなった」(33歳・専門職)
「ランチに誘ってグチを聞いて、こちらの思いもわかってもらえる関係性をつくる」(38歳・医療)
冷静に対応する
それぞれ違いがあることは当たり前。それを理解し、いちいちイライラしない、という対処法を試している人も。
「部下がどんな仰天失敗をおかしても、脊髄反射で怒りのボルテージをカッと上げずに、極めて冷静に対応しようと努めている」(38歳・IT系)
「とりあえず深呼吸して、落ち込む平成部下の話をよく聞き、自分に何がサポートできるか考える」(36歳・公務員)