詰めが甘いとは
物事に対し、最後までしっかりとやり遂げているつもりでも、「詰めが甘い」と指摘されることがあります。仕事などでは、ときにやり直しを命じられてしまう場合もあるのではないでしょうか。なんとなく分かっているつもりの言葉ですが、改めて意味を問われると答えに窮してしまう人も少なくないのでは?「詰めが甘い」という言葉の意味や語源、似た言葉などをご紹介します。
詰めが甘いの意味
詰めが甘いとは、進めてきた物事の最後の局面で、するべき対処が不適切であることによって、その過程や結果が台無しになってしまうこと。言い換えると「物事を最後まできちんとやり遂げられていない」と受け止められている状態です。この状態であると、周囲の人たちから中途半端だという印象を持たれてしまい、信用・信頼・評価の低下を招きかねません。
詰めの甘さを指摘されたとき、自覚がある人とそうでない人がいます。向き合う作業の最終段階まで気を抜かずに進められないのは、取り組む姿勢や思考・行動に問題があるかもしれません。いずれにせよ、詰めに甘さがある人は、たいてい行動や考え方に一定のくせがあると捉えた方がよさそうです。
将棋が語源
そもそも「詰めが甘い」という言葉の由来を知っていますか?「詰める」は物事の最終段階を示す意味があり、将棋の「詰み」から来ています。将棋の勝負における最終局面では、駒を当てて「王将(玉)」の身動きが取れない状態、王手に追い込み、玉がどうしようもならなくなった時点で勝負がつきます。
これを、将棋では「詰み」と言います。仕事などは、プランを練り、軌道修正をしながら順序立てて遂行する点で将棋と共通しています。勝ったと思ってもまだ詰んでいない状況で気を抜と形勢逆転が起こり、敗北を喫することに倣った言葉です。
主な類語
詰めが甘いという言葉をより明確に知るために、似たような言葉を見てみましょう。それは、おおよそ次のような類語にまとめることができます。
・脇が甘い
・注意力散漫
・緻密さに欠く
・画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く
これらの言葉を、自分の仕事などに当てはめてみると分かりやすいのでは。作業速度が早くても、不用意なミスが多ければ完成とは言えません。企画書などで、文章力が高くても、決め手となる核心部で大きな間違いをしでかしてしまうと、企画書全体の信頼度を損ねてしまうなんてことも。
詰めが甘い人の特徴
よく「詰めが甘い」と言われる人を観察すると、ある傾向が見られることが分かります。以下に、その特徴をまとめました。自分が当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
うっかりミスや遅刻が多い
うっかりミスが多い人は詰めの甘さもあるもの。大きな問題を引き起こすことはなくても、簡単なミスや思い違い、忘れ物などでせっかくの完成度を低下させてしまいます。
うっかりミスも一度ではなく、何度も繰り返してしまうようでは、周囲からは「安心して仕事を任せられない」「物事の進め方が安定していない」などと判断されてしまうこともありえます。遅刻が多い人も同様です。約束などを根本的に忘れている訳ではなく、些細な理由で約束の時間に遅れるということは、やはり物事の進め方に雑な部分があると考えられます。
せっかちである
物事を急いで進めようとしてしまう、いわゆるせっかちな人にも、詰めの甘さが見られる傾向が。これは自分に自信があるタイプの人に多くいます。能力が比較的に高いためスピード感を持って仕事を進めるのですが、所々確認漏れや記載すべき事項が抜けているというパターンです。
調べ物をする場合などでも、導入部だけに目を通してそれですべてを理解できた気がしてしまう人もそのタイプ。自信や器用さが慎重さを奪ってしまい、結果的に完成度が下がってしまうのです。