計画やリスク管理ができない
何事も、事前に計画を練り準備をすることは大切ですよね。それをおろそかにしたり、手を抜いたりすると、ゴールにたどり着きにくくなるでしょう。
計画性がない場合、物事を勢いではじめがち。勢いで進めるうちはいいのですが、途絶えてしまうと進まなくなります。また、ゴールや目的があいまいなままスタートすると、目的がわからずブレてしまうことも。モチベーションが保てず、頓挫するかもしれません。
リスク管理が甘く、事前準備がおろそかなのも考えもの。ハプニングに対応するのが難しくなります。行き当たりばったりが続くと、思わぬトラブルにつながる可能性があることも意識したいですね。
詰めが甘い人の主な心理
詰めが甘い人の傾向や特徴を紹介しましたが、そのような行動を生む心理について探ってみましょう。
過度なプラス思考
「何事に対しても楽観的でプラス思考」というのは、一見いいことのように思えますよね。しかし、「どうにかなる」「上手く行くはず」と思い過ぎるのは危険。緊張感が薄れ、確認を怠る、仕上がりが雑、無意識に手を抜くなど、思わぬマイナスを招くかもしれません。
また、過度なプラス思考は、失敗に対する認識にも影響します。失敗をイージーに捉え、振り返りや反省をしないまま過ごし、同じ失敗をくりかえすというのは避けたいですね。
自分に自信を持っている
自分に自信を持つのは大切なことです。しかし、それが詰めの甘さにつながることも…。「自分がすることに間違いはない」と思い込んでしまうと、それが慢心を生むでしょう。
また、誤った自信から組織にとって大切な「報連相(報告・連絡・相談)」を軽視するということも。他の人の目があれば防げたのに、ということが頻発するかもしれません。
自信の持ち方を誤ると、自分を客観的に見ることが難しくなることを意識したいですね。
詰めが甘いデメリット
詰めが甘いことで生まれるデメリットを見ていきましょう。3つ紹介します。
手間がかかる
詰めが甘い人は、必要な確認作業などを省きがち。そのため、小まめにチェックしていれば防げたのに、と後悔することも多いでしょう。また、最終局面で気が抜けてしまい、結果失敗に終わるということも。詰めの甘さが、余計な仕事や負担を生み出してしまうのです。
人間関係が築きにくい
詰めが甘い人だとわかると、信頼されにくくなります。誰だって、余計な負担がかかるのは避けたいもの。肝心な場面で失敗されそうと感じたら、最初から頼ることはしないでしょう。詰めが甘いと、信頼を得ることが難しくなり、人間関係を築けないことが多いのです。
成果を出せずに終わる
成果を出せずに終わるというのも、詰めが甘いことで生じるデメリットです。詰めが甘いと、どうしてもクオリティは下がります。結果、成果につながらず、成功や出世から遠のく可能性が高くなるのです。
詰めが甘いと言われたら
もし、誰かから「あなたは詰めが甘い」と言われたらどうしたらよいのでしょうか? ここからは、詰めが甘いと指摘されたときの対策を紹介します。まずは、その指摘されたことを真摯に受け止めましょう。
メモをとる癖をつける
詰めが甘い人は、情報の見落としや確認不足が多い傾向にあります。指示されたことがあれば、都度メモをとり、見返す癖をつけましょう。そうすることで、見落としや見逃し、確認もれを防ぐことができます。予定はもちろん、思いついたアイデアなども、すべて目に見える形で残しましょう。
「時間をおいて再確認」の徹底を
確認作業をめんどうに感じ、後回しにしていませんか? 確認をするから防げるミスがあり、つかめる成果があります。詰めが甘いと指摘されたら、確認の仕方を見直してみましょう。
確認作業は「ミスがありそう」「間違っているかもしれない」と危機感を抱きながら行うのがおすすめ。そうすることで、集中力が増すでしょう。また、完成後すぐではなく、ある程度の時間をおいて確認するといいですね。時間をおくことで目線が変わり、見逃していたことを発見するというのは、よくあることなんですよ。
他の人の目も使う
業務などを自分だけで完結させているなら、それも見直しを。実は、他人の目が入らないことには、さまざまなリスクがあります。言い換えると、違う人の目を入れることで、精度は上がり、見逃しや確認漏れを防ぐことができるのです。他の人に頼ることで、自分一人の力では得られない成果をつかむこともできるでしょう。
詰めが甘い人との付き合い方
ここからは詰めが甘い人との付き合い方を見ていきましょう。3つピックアップして紹介します。
小まめに確認をとる
詰めが甘い人は、確認をしなかったり、苦手だったりすることが多いです。それを踏まえ、小まめに確認をとるようにするといいですね。とはいえ、頻繁に確認をしてしまうと、相手はめんどうだと感じてしまうかもしれません。
理想は、会話の中でさりげなく聞くこと。口頭の確認が不安な場合は、現物を見せてもらう、一緒に確認することを提案するのがおすすめです。
やることを絞る
性格的に詰めが甘いと感じさせる人には、やることを絞り、集中的に取り組んでもらうといいですね。「〇〇だけやってみよう」と提案し、それに集中できるような状況をつくるのです。予測がつきやすく、終わりがはっきりしていることなら、なおいいでしょう。集中して取り組み、やりきるという体験を積み重ねていけば、改善につながる可能性があります。
考える機会を設ける
詰めの甘さから脱するにはどうすればいいか、本人に考えてもらうのも一つです。たとえば、ミスが起こった時、相手に注意をするだけでなく、「どうすればよかったか」「やりきるには何が必要だったか」を問うてみるのです。考える機会を増やすことが、改善への足掛かりになるかもしれません。
最後に
詰めが甘いとは何を指すのか、意味などを紹介しました。詰めが甘い人にはさまざまな特徴があります。詰めが甘いと自覚がある、他人から指摘をされたという人は、改善に向けて動き出してみては。少しの工夫で、大幅に改善できることがあるかもしれません。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン