まずは、価値観について知る
「価値観の合う人がいい」「あの人とは価値観が合わない」のように使う「価値観」。この「価値観」が意味することを説明できる人はそれほど多くないかもしれません。今回は「価値観」について、言葉の意味や使い方などを見ていきます。
また、「価値観」と似ている「人生観」「仕事観」についても、それぞれの意味を紹介します。後半では、価値観が異なる場合の対処法に触れます。
価値観の意味
あらためて、「価値観」を辞書で調べてみました。
かち‐かん〔‐クワン〕【価値観】
物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断。「―の相違」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
物事の評価は、何を基準とするかで変わります。この基準に影響するのが、個人の持つ価値観です。人生に何を求めるのか、どのように仕事に取り組むのか、パートナーとなる相手に何を望むかは、人それぞれ。さらに言えば、どう生きたいのか、いかに死ぬのかといった「死生観」も、価値観により変わるのです。
人生観、仕事観とは
人生観と仕事観についても、意味を見ていきましょう。
「人生観」とは、人生に対する見方のこと。人生の目標や意味、価値などを指します。「仕事観」は、仕事に対する見方のこと。いかに仕事に取り組むのか、仕事に何を求めるのか、などを指します。
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「価値観」の使い方と例文
ここからは「価値観」という言葉の使い方を見ていきましょう。よく使うフレーズごとに、例文とあわせて紹介します。
価値観の違い
価値観という言葉を使う際にもっとも登場するフレーズの一つです。自分と優先順位や選ぶ基準が異なる状態を「価値観の違い」と表現します。ビジネスシーン、結婚やパートナーに関連することで用いることが多いでしょう。
《例文》
・お金に対する価値観が違うと、一緒には暮らせないかもしれません。
価値観を広げる
「価値観を広げる」もよく使うフレーズです。自分の価値観に固執せず、さまざまな考えや基準を得ることを意味します。
《例文》
・価値観を広げると、人生はより豊かになると考えています。
価値観の押し付け
「価値観の押し付け」が意味するのは、自分の考え方や基準を他人に受け入れるよう無理強いすることです。「価値観の押し付けはよくない」など、その行為を批判する際に使うことが多いでしょう。人間関係のトラブルになる原因の一つともいえます。
《例文》
・そうやって、すぐに自分の価値観を押し付けるから、相手と揉めるんだよ。
夫婦間で問題となりやすい価値観
人間関係において、しばしばトラブルになるのが、価値観の違いです。ここからは、価値観の違いが夫婦にどのような影響を及ぼすのかを見ていきましょう。
価値観のズレや不一致
すべての価値観が合致するという夫婦はいないでしょう。価値観にズレがある、価値観が合わないというのは、当たり前のこと。そう理解していても、価値観の違いがトラブルに発展することは少なくありません。
たとえば、夫婦のお金に対する価値観が違うと、トラブルになりやすいでしょう。「毎日楽しく暮らせればいいので、貯金をする必要はない」と考える人と、「倹約し、将来のためにしっかりと貯金をすべき」と考える人とでは、お金の使い方がまったく変わりますよね。夫婦が一緒に生活する場合は、この違いが大きな影響を及ぼすことが多いです。
仕事や趣味、子供に対する価値観も同じ。価値観が異なると、取る行動が変わりますから、「相手が理解できない」「相手の考え方はおかしい」といったことにつながるのです。