仕事観の意味
仕事観とは「自身が仕事に対してどう思うか」という価値観を意味する言葉です。例えば、「スキルアップを重視して自己成長しながら働きたい」「社会の一員として貢献できる存在になりたい」などが仕事観として挙げられます。
人によって仕事への考え方はさまざまですが、主な種類は3つです。また、仕事観と似た価値観として、人生観という言葉もあります。ここでは、仕事観の3つの種類や人生観との違いについて解説します。
■仕事観の3つの種類
仕事観には、主に3つの種類があります。自身の考え方がどれに当てはまるかを確認してみましょう。
・内因的仕事観
仕事に対し、やりがいやスキルアップなどを求める。仕事をすることを、精神的・心理的な価値があるものと考える。
・功利的仕事観
労働自体を目的としない考え方。金銭面や社会的地位を重視する。
・規範的仕事観
自分のために働くのではなく、人々や社会の役に立つために働くものだと考える。
■仕事観と人生観の違い
仕事観と人生観は、どちらも価値観を表す言葉です。ただし、何に対する考え方かが異なります。仕事観は、働くことに対する考え方です。仕事にどんな意欲や目的を持っているかどうかを表します。
人生観は、自身の生き方についてどう思うかを表す言葉です。何を目的として生きるのか、どんな人生を歩んでいきたいのかといった意味を含みます。
自身の仕事観の見つけ方3つ
自身の仕事観の見つけ方には、以下の3つの方法があります。
1.自己分析で仕事観を洗い出す
2.他者の仕事観を吸収する
3.キャリア・アンカーで診断する
仕事観は人によって異なり、これといった正解があるわけではありません。仕事観を聞かれる場面でも困らないように、3つの方法を試して自身の仕事観を考えてみましょう。
1.自己分析で仕事観を洗い出す
仕事観を見つける際は、自己分析から始めるのが有効です。まずは、自身が仕事についてどう思っているのかをチェックしましょう。
自己分析で洗い出すべきことは、「自分にとって仕事はどんな意味を持つか」「何を手に入れるために働くのか」などです。あるいは、以下のような質問に回答し、仕事観につながるヒントを探ってみるのも良いでしょう。
・人生において最も楽しかったことは?
・人生において最も辛かったことは?
・もし生まれ変わったらしたいことは?
2.他者の仕事観を吸収する
仕事観の見つけ方として、他者の仕事観を知るのも一つの手です。自分の中で仕事に対する考え方が定まっていない場合は、周囲にいる人の意見を聞くことから始めてみましょう。
さまざまな話を聞くうちに、共感できるもの・共感できないものが見えてきます。そうすることで、「自身が仕事に何を求めるか・何を望まないか」が明確になり、仕事観を理解するきっかけが得られるでしょう。
3.キャリア・アンカーで診断する
キャリア・アンカーを取り入れ、自身の価値観を診断する方法もあります。キャリア・アンカーとは、働くうえで絶対に譲れない価値観や欲求のこと。自分らしく働くための軸として注目されています。
キャリア・アンカーの分類は、以下の8つです。キャリア・アンカーは自身で考えることもでき、診断ツールを使って調べることもできます。
1.管理能力
組織の運営に関わるような仕事がしたい
2.専門・職能別能力
特定の分野で活躍したい
3.保障・安定
安定した職業に就きたい
4.起業家的創造性
独立・起業して新しいものを生み出したい
5.自律と独立
自分の裁量で働きたい
6.奉仕・社会貢献
世の中の役に立ちたい
7.チャレンジ
難しい課題に挑戦したい
8.ワークライフバランス
仕事とプライベートを両立させたい
転職面接における仕事観の考え方
転職面接では仕事観を聞かれることが多々あります。なぜなら、応募者が仕事に対してどんな考え方を持っているかは、モチベーションの高さや早期離職の可能性に関係するからです。
つまり、効率よく有益な人材を確保したい採用担当者にとって、仕事観に関する質問は応募者の意思を確認できる有効な手段です。言い換えると、仕事観の答え方は面接の結果に大きな影響を及ぼします。
採用担当者に良い印象を与えるためには、事前に回答を準備しておくことが大切。ここでは、面接で仕事観を聞かれる理由や回答例について解説します。
■面接で仕事観を聞かれる理由
面接において、採用担当者が仕事観について質問する理由は、主に2つあります。1つ目は「仕事への意欲を図るため」、2つ目は「採用後のミスマッチを防ぐため」です。
両者に共通するのは、応募者が会社にとって好ましい人材か見極めることが目的という点です。採用担当者の意図を理解しておき、仕事観の答え方を考える際に役立てましょう。
仕事への意欲を図るため
採用担当者は、応募者が仕事に対して意欲を持っているかを確認するために、仕事観に関して質問することがあります。言い換えると、会社に雇われていると考えているのか、自分なりの目的があって働きたいと考えているのかを知るためです。
働く目的が明確な人は、意欲的で成長スピードが早い傾向があります。一方、仕事観があいまいな人は、働くうちに意欲が低下しやすく、早期離職が懸念されます。
会社側は、やる気があってすぐに離職しない人を採用したいと考えるものです。そのため、仕事観を質問して意欲的な人物であるかを確かめようとします。
採用後のミスマッチを防ぐため
仕事観を聞く目的には、採用後のミスマッチの防止も挙げられます。なぜなら、応募者の仕事観と社風が必ずしも一致するとは限らないからです。
例えば、保守的な傾向がある会社は、チャレンジ精神が旺盛な人よりも会社の理念にマッチする人を選ぶでしょう。仕事観が明確であることは前提として、そのうえで会社が求める人材かどうかを判断するということです。