【目次】
・せっかちとは
・せっかちな人の特徴
・せっかちな人の長所
・せっかちな人の短所
・せっかちな人との上手な付き合い方
せっかちとは
いつもせかせかしている人を「せっかちだ」と表現します。せっかちとは、どのような行動パターンや様子を示す言葉なのでしょうか?

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先を急いで落ち着かない様子
「せっかち」とは、先へ先へと急ぐ落ち着かない様子を表す言葉。「せっかちな人」「せっかちな性分」というように、人の行動や性格に用いられます。
せっかちに似た言葉には、短気・気早・急心などが挙げられますが、どれも「早く物事を行わないと気が済まない」という点が共通しています。
エレベーターに乗ったときにボタンを連打したり、待ち時間に貧乏ゆすりをしたりするのは、せっかちな人によくある行動パターン。
逆に、おっとりしている人は、せっかちの真逆のタイプといえます。
漢字では「急勝」「性急」と書く
せっかちの漢字表記は「急勝」や「性急」です。漢字からも、先へ先へと急ぐ慌ただしさが感じられますよね。
せっかちは「急き勝ち(せきがち)」が変化したものといわれています。「急き(せき)」は、心がはやる・あせるという意味です。
早くするように催促することを「急き立てる(せきたてる)」、心が急いていらだつことを「急き込む(せきこむ)」と表現します。
「勝ち」は「ともすればそうなりやすい傾向」を意味します。また、「性急」は「せいきゅう」とも読みますが、意味は急勝とほぼ同じです。
せっかちな人の特徴
せっかちな人は常に落ち着きがなく「動いていないと気が済まない」というイメージがあるのでは?せっかちさを裏付けるさまざまな行動の特徴をチェックしましょう。

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いつも忙しく活動したい
せっかちな人は、基本的にのんびりと過ごすのが苦手な傾向があります。1日のスケジュールがいっぱいだと安心し、逆にやることがないと不安に感じるということも。
休日は、セミナーや習い事、友人との約束などで予定を埋め、忙しく動き回っている場合も多いです。いつも忙しく活動することで「充実感」や「やりがい」を味わっているのかもしれません。
「物事を最速でこなせば、それだけできることが増える」と考えているのも、せっかちな人の特徴といえるでしょう。
遅刻が許せない

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社会人として遅刻をするのはNGですが、せっかちな人は、とりわけ遅刻者には厳しい態度をとりがちです。
もちろん、自分が約束の時間に遅れることはあまりありません。「私が時間を守っているのだから、みんなもそうしてほしい」と周囲に要求する場合もあります。
遅刻が許せないのは気持ちに余裕がなく、自分のことをこなすのに精一杯だからという可能性もあります。
「仕事や約束が遅れたらどうしてくれるんだ」という怒りにもつながるので、せっかちな人がいるときは時間を厳守した方がよいでしょう。
常に張りつめている
せっかちな人は、忙しい日々を送っているため、気持ちが常に張りつめているということも考えられます。言い換えれば、四六時中、緊張状態にあるということ。
張りつめた弦が切れやすいのと同じように、張りつめた心はふとしたことがきっかけで、ぷつりと切れてしまいます。
せっかちな人は自分を追い込んだ結果、ミスを連発したり、心が折れてしまったりしやすいともいえるでしょう。
常に張りつめている人は自分にも他人にも厳しくなる傾向があります。物事がうまくいかないとイライラして、他人に攻撃的な態度をとってしまうことも。
せっかちな人の長所

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せっかちというと、どうしてもマイナスのイメージが付いてしまいがちですが、せっかちであるからこそ生まれるメリットや長所もあります。
時間や機会を無駄にしない
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性格がおっとりしている人は「時間はまだまだたっぷりあるし、まぁいいか」とのんびりと構え、大切なチャンスを逃してしまう場合があります。
逆に、せっかちな人は「時間は1分たりとも無駄にしたくない」という考えが根底にあり、思い立ったら行動せずにはいられません。先手先手で行動するため、自分の将来につながる重要な機会をがっちりとつかむのです。
物事を進めるときは常に「効率」を重視する傾向があります。歯磨きをしながらスクワットをする、昼食をとりながら情報収集をするなど、何かしらを同時進行していることが多いでしょう。
多くの物事に触れられる
思い立ったら即行動する人は、人よりも多くの物事に触れられます。せっかちな人は、マイペースな人に比べて「経験を積む機会」が多いのです。
仕事のスキルを磨くには、ただ単に知識を増やせばよいというわけでなく、実践の現場で得た知識と能力、すなわち「実践知」が大切です。
せっかちな人はミスをすることもありますが、失敗を振り返り、自分の行動に修正を加えていけば、仕事で大きく成長できる可能性があります。
経営者の素質があるかも
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経営者の大半は物事を明日に引き延ばさず、決断も行動もスピーディーです。せっかちな人はある意味、経営者のような素質があるといえるでしょう。
会社に勤めている人は、指示された内容を着実にこなすことを求められます。一方、経営者は企業を成長させるため、常に試行錯誤していかなければなりません。
トライ&エラーの数が多ければ多いほど成功に近づくとすれば、のんきでゆっくりと物事をこなす人よりも、せっかちな人の方が有利といえるかもしれません。
また、経営者は無駄を嫌い「結果や結論を早く知りたがる」という特徴がありますが、この点もせっかちな人と共通しています。
せっかちな人の短所

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一方、せっかちの人の短所にはどのような点があるのでしょうか?共通する三つの短所を紹介します。
イライラしがち

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せっかちの人は気が短く、イライラしやすい傾向にあるのが短所といえます。
貧乏ゆすりをしてしまったり、舌打ちやため息が出てしまったりして、「機嫌が悪そうだから、そっとしておいた方がよいかも」と周囲に気を遣わせてしまうことも。
イライラすると人が寄りつかなくなり、チームの雰囲気が険悪になるのもデメリットです。
特に、上司がイライラしていると、後輩や部下は仕事についての相談ややりとりがしにくくなります。その結果、コミュニケーション不足が生まれ、仕事に支障が出てしまうのです。
イライラをあからさまに周囲にぶつける人は、さらに注意が必要です。本人はストレス発散になり、多少はすっきりした気持ちになりますが、怒りをぶつけられた方は、心にストレスを抱えてしまうでしょう。
スケジュールに余裕がない
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せっかちな人はいつも忙しく活動しているのが好きなので、スケジュールがタイトになりがち。
予定がたくさんあるのは悪いことではありませんが、スケジュールに余裕がないと、遅延やトラブルが起きたときに対処ができないという可能性もあります。
体調が悪くてもゆっくりと休めず、結果的に仕事の質の低下につながることも。
「時間を1分でも無駄にしたくない」という気持ちは分かりますが、必要以上に自分を追い詰めてしまうのはマイナスといわざるを得ないでしょう。
次の予定が差し迫っていると、「延長したい」と思っても切り上げなければならず、残念な気持ちが残ってしまいます。
結論を急がせてしまう
せっかちな人にありがちな、よくない癖の一つとして、「相手に結論を急がせてしまうこと」が挙げられます。
会話中は人の話を聞かず「で、それで?」と相手を急がせたり、「つまりはこういうことでしょ」と、自分の理解で話をまとめたりしてしまうのです。
こうした態度は周囲の反感を買い「あの人とは雑談すらできない」「人の話を聞かない」という評価につながりかねません。
結論をばかりを重視して、プロセスをないがしろにすると、物事の本質を見落としてしまうでしょう。
せっかちな人との上手な付き合い方

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マイペースな人が、せっかちな人とうまく付き合うには工夫が必要です。相手の性格はそう簡単には変わらないため、こちらが柔軟に対応していきましょう。せっかちな人と付き合うときのポイントを紹介します。
連絡を細かく入れる
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職場の上司がせっかちなタイプであれば、業務連絡はこまめに行いましょう。せっかちな人は一刻も早く「結果」が知りたいことが多いのです。
取引先を訪問したときは、上司に「どうなった?」と聞かれる前に「こういう話になりました」とスピーディーに報告することが大切です。
自分の力不足で作業に時間がかかってしまいそうなときも、途中経過を逐次伝えます。
せっかちな人は自分を基準に物事を考えるため、部下がこんなにも時間を要しているという事実に気付きづらいこともあります。そのまま自分のペースで進めれば「まだ終わっていないのか」と怒鳴りはじめるなんていうことも。
「今ここまで終えました」ときちんと報告すれば、相手も状況が把握できます。
先回りする
せっかちな人は何事も先手で進めようとしますが、さらにその上を行くように努力しましょう。
待ち合わせのときは遅刻をしないのではなく、相手よりも早く到着するようにします。仕事では指示された業務に加え、その先のことにも手を回しておきましょう。
最初は息をつく間もありませんが、せっかちな上司に鍛えられ、物事の処理能力がぐんとアップするかもしれません。
また、せっかちな人と話をする際は「相手が聞きたい順番」で話をすることも大切です。結論を先に述べ、プロセスや細かい説明は後に述べるやり方です。
相手はイライラが少なくなり、最後まで会話に耳を傾けるようになるかもしれません。
一歩引いておく

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せっかちな人との距離が近すぎると、心労が絶えず、いつしかダウンしてしまいます。仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切り、適度な距離を保ちましょう。
一緒にいるのが疲れたときは、しばらく会わないでいても構いません。上司や先輩など、毎日顔を合わせなければならない存在であれば、接触は最低限に留めてみては。
余裕が十分にあるのにもかかわらず、せかせかしているときは「まだ大丈夫です」「少し息抜きしましょう」と提案してみるのもアリです。その一言で相手は我に返り、態度が多少は改まるかもしれません。
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