計画やリスク管理ができない
計画性がない人にも詰めの甘さがあります。何事においても、計画や準備はとても大切。それを疎かにしてしまうと、確実なゴールへはたどり着きにくくなります。漠然としたゴールしか描いていないため、とりあえずやってみるという人の行動や仕事にはムラが生じやすく、緻密さに欠けた仕上がりとなってしまいがち。
リスク管理ができないタイプの人にも、詰めの甘さが目立ちます。何事も、いつ、なにが起こるか分かりません。イレギュラーなハプニングに適切に対応するためには、あらかじめリスクを想定してそれに対する備えも確実にしておきたいところです。楽観的に気分任せで仕事を進めてしまっては、作業が行き当たりばったりとなり思わぬミスを見過ごしてしまう恐れがあります。
詰めが甘い人の主な心理
詰めが甘い人の傾向や特徴を見てきましたが、そのような行動を生む心理とはどのようなものなのでしょうか?内面の部分について掘り下げていきます。
過度なプラス思考
詰めが甘い人を見てみると、何事に関しても過剰にプラス思考であることがしばしばあります。「どうにかなる」「上手くいくはず」といった楽観的な思考が細かいミスを誘発してしまうのです。プラス思考は、ときに気持ちの緩みも招き、「チェックや再確認をせずとも大丈夫」というような心理で細部にまで意識が行き渡らず、仕事の雑さや粗さが目に付く結果につながることがあるのです。
ポジティブさは、反省をないがしろにすることもあります。失敗の原因を省みることをしないまま次の物事に向かうと、同じ過ちを繰り返すことにもつながってしまいます。プラス思考やポジティブさは、決して悪ではありません。しかし、それが原因で間違いやミスにつながり得ることは知っておくべきです。
自分に自信を持っている
自分への自信が、詰めの甘さを生んでいることもあります。「自分がすることに間違いはない」という思い込みや過信が、心配りが足りないという慢心を生んでしまうのです。
大きな自信は、組織にとって大切な報告・連絡・相談のいわゆる「ほう・れん・そう」を軽視することにつながります。他人の力が入ることにより防げたミスが、そのまま残ってしまうケースがあるのです。自信は、自分の能力の客観視を遮ることがあります。独り善がりな仕事は、他人から見たら十分な完成に至っていないことが多いのです。
詰めが甘いと言われたら
もし自分の仕事や行動が「詰めが甘い」と言われたらどうしたらよいのでしょうか。指摘された時は、いい気分はしないものですが、適切な対応を取らずにやり過ごすと、自分の行動は改善せず、向上もありません。対策や対応について紹介します。
想定と対策を万全に
詰めが甘いと言われる性格の人は、「何か起こったらそのときに考える」とゆったりと構えてしまう傾向があります。しかし、想定できる状況はできるだけ具体的にイメージし、対応策を準備しておくべきです。
また、人から与えられた情報を安易に信じ込む人も、詰めの甘さを生みます。他の情報と突き合わせて確かなものを選択しなければ、精度は高まりません。その時々の思い付きで行動することも、詰めの甘さを生じさせます。初動から最終までをトータルで見つめ、逆算の思考でプランを組み立てることも大切。
時間を空けて再確認
取り組んでいる最中に根気が切れてしまい、作業の精度が落ちてしまうことがあります。簡単に投げ出さず、根負けしない精神力と集中力を養う努力も必要です。良い結果を導き出すためには準備が必要で、それには時間を要します。根気強く1つひとつの作業を積み重ね、途中で手を抜かない姿勢を身に付けたいものです。
そして完成したと思っても、時間を空けてもう一度見直してみることが肝要。自信があり、せっかちな人ほど避けがちなことですが、間隔を空けて再確認することで、思わぬ欠点が自覚できることがあります。
他の人の目も使う
自分だけの判断で終わらせてしまうと、詰めの甘さが残ることが多いものです。同僚や関係者などと綿密な「ほう・れん・そう」を徹底し、的確に遂行していくことで精度も高まります。
自分1人の確認ではつい甘い評価を下し、完成度を上げることができません。詰めの甘い人は、物事を簡単に終わらせてしまうことがあります。自分では完璧だと思うものであっても、他人の目を通すことで思わぬ欠陥や、さらに良い結果につながるアイデアを見出せるのです。
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