無意識に親の価値観を押し付けているかも…
メイクやヘアなど外見にこだわり始めるのは、思春期(中学生〜高校生)からと思っていませんか? 最近では、容姿に自信がないと感じ始めるのは小学生から始まっているんだそう。その実態を目の当たりにしている、スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士の吉田美智子さんに詳しくお話をうかがいました。
どうして小学生から外見を気にし始める?
「小学校高学年になると、自分のことを客観視できるようになってきます。すると、人と比較して一喜一憂することが起きてくるのです。特に最近は、アイドルを一方的に思う【憧れの存在】から、自分もなれるかもと思う【身近な存在】となりましたよね。また、SNSの普及で昔よりも簡単に【注目の存在】になれるようにも。多くのメディアに触れる現小学生は、〝外見の優劣〟に敏感かもしれません」
〝過剰に外見を気にする子〟にならないためにできる3つのこと
思春期に〝過剰〟に外見を気にしてしまうようになるのを防ぐために、今から家庭でできることをご紹介します。
<1>外見についてネガティブなことを言わない
「TVを見ながら、そこに出ている有名人などの容姿を評価したりしていませんか? 大人からすると何気ない会話かもしれませんか、子どもはしっかり聞いていて、その価値観を教えることとなります。例えば、『この人もうちょっと鼻が高ければ美人なのに』と親が言えば、子どもは『鼻が高くないと美人じゃないんだ』と感じてしまいます。また、『新しいほくろができたね』『髪の毛くりくりだね』など、親は批判する気持ちはなく、ちょっとした感想だったとしても、気にしてしまう子もいます」
<2>多様な価値観について話し合う
「〝みんな違って、みんな良い〟という、個性の認め合いを日頃から家族で話し合えているといいですね。時代や所変われば価値観も変わってくると思いますが、〝大切なものは何か〟という認識があるといいですね」
<3>ありのままの自分でいいと思えるように
「例え失敗したとしても『あなたのままで大丈夫』『大好き』と、言葉に出して伝えましょう。難しい話をするよりも、子どもにとってこの方法が一番わかりやすく、自分自身を認められる方法かもしれません」
情報過多な今の時代。子どもが目に触れるもの、感じるものも多種多様になってきています。外見にとらわれず、自分自身のことを信じ愛せる人に成長させたあげたいですね。
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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