小学校中学年になると、女子は大体決まったグループができてきます。そして、思春期が始まる高学年になるとマウンティングする女子が現れたりするそう。万が一、我が子がマウンティングしていたら・されていたらと思うと、親としてはいても立ってもいられないかもしれません。臨床心理士でもあり、スクールカウンセラーとして活動もしている吉田美智子さんに、「小学生女子のマウンティング」についてお聞きしました。
「スクールカースト」って知っていますか?
「カーストとはインドの階級制度のことで、つまりスクールカーストとは、学級内での生徒の格付けを意味します。高学年女子がマウンティングをするのは、グループ格差や序列を位置付けるためと考えます。
その序列を判断する材料として、女子は小学生から高校生まで一貫して、容姿・外見が最も重要な尺度になるそう。ちなみに男子は、小学生の時はスポーツができるか、中学生でリーダーシップ、高校生では面白さや協調性、学力、容姿、異性にモテるか、などと多様化していきます。
ではなぜ、女子はそれほどまでに容姿や外見を重視するのでしょうか。
ひとつはこの時期、女子が【綺麗・かわいい】人や物に敏感な時期だということ。なので、綺麗・かわいい人は無条件にカーストの上位に位置できてしまう傾向にあります。そして、もうひとつ【同調】も大切なキーワードになります。容姿や外見が友達と一緒=持ち物や服装をお揃いにするということで、仲間意識を確認するということも重要な指標になります。これらを求めることにより、マウンティングが生じてくるのではないかと考えられます」(吉田さん)
我が子がマウンティングしていたら?されていたら?
「まずマウンティングをしているほうから見ていきます。〝自信のなさの裏返し〟〝周りから認められたい〟〝1番でいたい〟などの心理が働いている可能性があります。小学校高学年とはいえまだまだ子どもです。親の愛情は足りているか、何でも1番でなければいけないなど過度にプレッシャーを与えていないかなど、親が一度立ち止まり我が子を俯瞰で見てみましょう。
次にマウンティングされているほうは、〝嫌とは言えない〟〝自信がない〟 などの傾向が見られます。学校で我慢が続く分、家庭内では安心して〝 嫌なときは嫌だ〟と言える関係性を築いてあげてください。
マウンティングする・されるの関係性は、入れ替わることもよくあります。【自分が有利な立ち位置にいないと不安】という気持ちの現れで、両者ともに学校生活が緊張する、疲れる場所になっている心配があります。ご家庭では、成功・失敗にかかわらず、『どんなあなたも大好きだよ』のメッセージを伝えてあげましょう」(吉田さん)
マウンティングするほうも、されるほうも〝自信のなさ〟という共通点がありました。「みんな違ってみんないい」という時代に生まれた子どもたち。親も多様性を意識した子育てができるよう努めたいですね。
構成・文/福島孝代
写真/(C)Shutterstock.com
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