夏休み中の3大〝困った〟とは? 未然に防ぐためにできること
夏休みは学校もなく、生活リズムが乱れがち。親としては、長い夏休みを無事過ごし、新学期へと送り出したいですよね。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに、今までのカウンセリングで多かった夏休みの中の3大〝困った〟と、その対処法をお聞きしました。
3位「行動範囲がいつもより広がることで生じるトラブル」
「塾や習い事で新しいお友だちができたり、ネットゲーム、SNSなどでつながりができたりして、夏休みはいつもより行動範囲が広がる子どもも多いと思います。どんなに忙しくても、我が子の交友関係の広がりは把握しておきましょう。しかし、管理するような聞き方では子どもも不快に感じます。『今日は何が楽しかった?』など遊びをメインとした会話から交友関係を把握する、というのがお勧めです。何か困ったことがあったら話してもらえる関係性をつくっておきましょう」
2位「ゲーム・スマホ・ネット・SNS依存」
「夏休みは自由時間が多くあります。夏休みくらい思う存分、ゲームなどで遊びたい子も多いと思います。しかしそれらは依存性もありますから、使い方はご家庭で話し合いをしてください。例えば、遊ぶにしてもデジタル機器オンリーにならないように、実験や工作、マンガでもいいので読書をするなど組み込んでみましょう。そして絶対守っていただきたいのが、夜間の使用禁止です。ブルーライトを浴びると眠れなくなりますから、寝る2時間前までにはやめたいところですね」
1位「生活リズムの乱れ」
「もう何年もこの〝困った〟が1位になります。夏休みは【夜更かし→朝寝坊】になりがちです。1時間程度の前後は大目にみても、それ以上許してしまうと新学期に辛くなるのはお子さんです。そして、生活リズムを崩すと睡眠障害(寝付けない・昼夜逆転・何度も目が覚める)、食生活の乱れ(回数が減る・しっかり食べられない)、やる気や集中力がなくなるなども心配に。この状態を放置したまま新学期を迎え、生活が整わず不登校になってしまうケースが毎年見られます」
「夏は夕方でも明るく、まだまだ遊べる、寝る時間までまだまだあるぞ!と勘違いを起こしがちです。ある程度のスケジュールやTo doリストは、生活のハリを持たせるためにも必要。ぜひ、お子さんと一緒に、夏休みに挑戦したいものや、習得したいもの、継続できるお手伝いなど相談してみてください」
取材・文/福島孝代
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