家での習慣をいつまでもひきずる
職場では職場の習慣に、学校では学校の習慣に従います。しかし、「うちの家ではこうだったから」と、いつまでも実家での習慣をひきずっている人はマザコンかもしれません。
職場や学校のルールよりも母親のルールが絶対で、ルールに合わないことをするなんて考えすら及ばないのです。
また、職場や学校のルールに一応従ってはいるものの、「うちの家ではこんなことしなかった」と比較する人もマザコンの可能性があります。母親の影響が強すぎて、他所に行けば違うルールがあるということに気付かないまま生きてきたのでしょう。
根本的に理解していないのは、ルールといえば母親そのものなのかもしれません。
失敗を他人のせいにしがち
マザコンが母親に依存して生きてきたように、母親はマザコンになった息子や娘たちを見守り、フォローして生きてきました。そのため、マザコンにとって母親はフォローしてくれて当然の存在で、何か失敗をしても「なんでお母さんが前もって教えてくれなかったの?」と反省するどころか母親のせいにします。
このような他責の習慣が身についていると、家の外でも失敗を他人のせいにしがちです。「あの人はなんでいつも他人のせいにするのだろう」と感じたら、もしかしたらその人は隠れマザコンなのかもしれません。
マザコンの母親は、息子や娘たちが失敗しないように何でも先回りして物事がうまく進むようにサポートしているというケースが少なくありません。そのような状態が幼いときから続くと、次第に息子や娘たちは「うまくいくのは母親がサポートしてくれたから。うまくいかないのは母親のサポートが不十分だったから」と考えるようになります。
家で自分が失敗すると母親のせい、家の外で失敗すると他人のせいと考えるようになり、自己責任を取るということをしないようになるでしょう。
優柔不断
いつも「分からない」「◯◯ちゃんが決めてよ」が口癖の優柔不断なあの人は、生活全般から学校関係、友人関係に至るまですべての決断を母親に委ねてきたからかもしれません。自分で決めない習慣が身について、家にいるときは母親に、外にいるときは友人などに決定権を渡してきたのでしょう。
優柔不断なことは決して悪いことではありませんが、「本当にこの人は自分のしたいことができているのだろうか?」と周りの人を不安にさせてしまいます。何を尋ねても「分からない」「〇〇ちゃんが決めて」と答える優柔不断な人は、隠れマザコンかもしれません。
母親の決定に従うのが当然で、自分で何かを決定したという経験がないため、いざ決定権を委ねられると居心地悪く感じるのです。もしかしたら母親の決定に従ってばかりいるうちに、自分が本当にしたいことが何なのか分からなくなっているのかもしれません。
マザコンのパートナーとの付き合い方
あなたのパートナーがマザコンの場合、あるいはマザコンの可能性がある場合、付き合い方を少し工夫する必要があるかもしれません。
マザコンだからいけないというわけではありませんが、優柔不断な態度にイライラしたり、自分よりも母親を優先したりして、不快な思いをすることも今後、起こり得ます。次の3つのポイントに留意して付き合っていくようにしましょう。
「あなたはどうしたいの?」と問い続ける
マザコンの人も、生まれたときからマザコンであったわけではありません。母親との時間を少しずつ積み重ねることにより、マザコンとして育ったのです。優柔不断で、すぐに人の考えに流されてしまう性格も、長い時間をかけて培われてきました。
つまり、同じほどの長い時間をかければ、自分で考える人間になることができるということです。「〇〇ちゃんが決めてよ」という発言をする度に、「あなたはどうしたいの?」と問い続けていきましょう。
褒めて自信をつけさせる
マザコンは自分に自信がなく、母親の意見を妄信していることがあります。おそらく小さいときから何度も母親が「だからお母さんが言ったでしょ。お母さんの言うことを聞いていれば間違いないんだから」と言ってきたのでしょう。
マザコンの可能性があるパートナーが何か自分の意見と思えるような発言をしたときは、「すごい!そうかも」と褒め、とにかく自分に自信を持てるようにサポートしてみてはいかがでしょうか。何度も褒めて自信がつけば、母親の意見ではなく自分自身の意見を話せるようになるかもしれません。
マザコンであることを受け入れる
パートナーが好きだという気持ちと、マザコンは嫌だという思いのどちらが強いのか一度、自問自答してみましょう。パートナーが好きだという気持ちのほうが強いのなら、マザコンの愛すべき性格のひとつだと思って受け入れることができるかもしれません。
また、今までに好きになる人全員がマザコンだという方は、何かしらマザコンに魅力を感じているといえるでしょう。つまり、パートナーがマザコンでなくなったら、パートナー自身のことも好きでなくなってしまう可能性があります。
今のままの愛すべきパートナーでいてもらうためにも、マザコンはマザコンのまま放置しておくことができるでしょう。
マザコンになった理由はさまざま
マザコンになった理由は人によって異なります。母親の過干渉によりいつの間にか母親に意思決定を委ねてしまうケースや、両親が不仲で常に母親の味方に立っていたらマザコンになってしまったケースなどもあるでしょう。
また、母親から十分な愛情を受けられずに、母の愛を渇望する気持ちが母親への執着に変わることもあるかもしれません。いずれにしてもマザコンであるということは、母親からの愛情や自分自身の精神的な成長に何かしらの「いびつさ」がある可能性があります。
とはいえ、どんな愛情が正解で、どんな風に成長することが正しいという基準もないので、マザコンであることが一概に間違った愛情、間違った成長とは断言することはできません。
▼あわせて読みたい
誰しもマザコンの素養あり!否定しないで
マザコンという言葉には、親離れできていない精神的に未熟なイメージがあります。しかし、実際にはそうとは一概にいえません。気持ちのうえで親離れできていても、ふとした拍子に「そういえばお母さんはこんなことを言ったな」と思い出し、懐かしむこともあるでしょう。
つまり、たとえ幼いときに別れたとしても、母親を慕う気持ちや母親について思いを巡らすことは多かれ少なかれあり、マザコンの素養もすべての人にあると考えられます。母親を慕う気持ち、思う気持ちの強さによっては、「真性マザコン」と呼ぶべき程度になることもあるでしょう。
とはいえ、母との関係の強さに違いがあることは不思議なことではありません。自分と違うからといって否定しないことが大切です。
▼あわせて読みたい