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2021.07.30

今飲みたい1本は、地中海へとトリップできるコルシカのワイン

今年の夏も、バカンスへと旅立つのはまだ難しそう。美しいターコイズブルー色の地中海に浮かぶコルシカ島は、世界中の人々が訪れたいと願う屈指の人気を誇る地。そこで造られたワインを飲んで、気分だけでもトリップしましょう。

Text:
鳥海 美奈子
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憧れのバカンス地、コルシカ島で育まれたワイン

今年の夏も、海外旅行はまだまだ、ガマンを強いられそうですね。ココロだけでも、遥か遠くの、かの異国の地へと飛びたい。そんなふうに願っている女性たちへ。今回ご紹介するのは、フランス・コルシカ島のワインです!

美しいターコイズブルーが目にも眩い海。その海に向かってそそり立つ断崖と、山肌にしがみつくように建つ家々。その絶景から、コルシカ島はフランス語で「Ile de Beauté」=美の島と呼ばれて、地中海のなかでも屈指の人気を誇る、フランス人憧れのバカンスの地です。

島の大部分を占めるのは2500m級の険しく急峻な山々で、そこを走り抜け、やがて地中海沿いへといたるローカル鉄道は観光客にも大人気。ぶどう畑はその山肌の標高400m以下のところに位置していて、島の沿岸部のあちこちに点在しています。ワイン生産者ドメーヌ・ペロ・ロンゴがあるのは、そのなかでも南部のサルティーヌ地方です。

▲ 強い日差しとブルーの海が眩しいコルシカ島

生産者は何でも自作する技術者タイプ

現当主のピエール・リシャルムは2代目。父の代からぶどう栽培などの農業、牛や羊、豚などの牧畜を始めましたが、ワインは自分たちが日々飲む量だけを仕込んでいたといいます。正式にワイン造りへと踏み出したのは1994年のこと。その6年後にはビオディナミという有機栽培に取り組みはじめました。

▲ 生産者のピエールは自分の理想のワイン造りにまっすぐに取り組む

除草剤は使わないため毎年12~3月には羊を畑に放し、雑草を食べさせます。その糞は自然な肥料となります。さらにピエールはコルシカならではの地場品種を大事にしたいと、少しずつ数を増やしてきました。

その際、一般的にはぶどうの苗を買い、台木に接ぎ木するけれど、彼はすでに畑にあるぶどうの木から自分で新たな木を育てる「マルコタージュ」という手法で、自根のぶどうの木を育てているのです。

そんなピエールは奥さまに言わせると、「何でも自分で造ってしまおうと考える技術者タイプ」。それを証明するかのように、カーヴ内に置いてあるコンクリートタンクも、じつは彼の手作り。近年、世界中のワイン生産者に流行りの卵型コンクリート製タンクは、縦に置いて使うのが普通です。

▲ カーブ内に横置きにされた卵型のコンクリート製タンク

でも、「鶏が産み落とした卵は、地面に横に寝ている。縦に立ってはいない」からと、横置きできる卵型タンクを自ら造ってしまいました。さらには、酸化防止剤SO2 もまた自作というから、驚き。イタリアのエトナ山から火山性の天然硫黄を取り寄せてそれを水に溶かし、酸素と反応させて煙などにしながら、使っているのだそう。

▲ 有機農法ビオディナミは、畑に自然の調合剤を散布する

夏の夜にサラミなどつまみながら飲みたい赤

じつは、ピエール自身がSO2 に弱い体質なので、できるだけ量を減らしたいと考えて市販のものの使用はやめたのだといいます。物静かで、ワイン造りにまっすぐで、実直。そんな彼の仕事の結晶である赤ワインのひとつが、「エキリーブレ・ルージュ」。フランス語で「バランスの取れた赤ワイン」を意味するだけあって、ぶどう品種はニエルチオ 40 %、シャカレロ 40 %、グルナッシュ20%をブレンド。

香りの要素はふんだんで、チェリーやプラム、ザクロなど熟した赤い果実の香りがたっぷりと感じられます。飲むとやはり赤い果実やスパイスが支配的だけれど、やわらかい質感でとてもエレガント。

▲ 赤い果実のふんだんな香りが魅力のエレガントな赤

コルシカの特産といえば、サラミやハムなどの豚肉製品。とりわけ山に自生する栗の実を食べながら放牧される豚の肉は地味深いと評判です。

夏の夜、そんな豚の加工品などをつまみつつこの赤ワインを飲んで、ゆったりと1日の終わりを実感。ドメーヌ・ペロ・ロンゴにはオーベルジュも併設されているというから、いつかゆっくりそこに宿泊したいなと、そんな真夏の世の夢を、胸に抱きながら。

Domaine Pero Longo ドメーヌ・ペロ・ロンゴ「エキリーブレ・ルージュ 2019」
¥3,190 (税込、参考小売価格)
問 Vin Xヴァンクロス 03・6450・3687

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ライター

鳥海 美奈子

共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。

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