「お知りおきください」の意味や注意点
ビジネスで目上の人や取引先に何か情報などを知ってもらいたいとき、「お知りおきください」を使う人は多いのではないでしょうか。 ただ、実は「お知りおきください」は使い方が難しい表現。使い方を間違えると失礼に当たる表現になってしまいます。正しく「お知りおきください」を使えているか、類語や言い換え表現にはどのようなものがあるのか一緒にチェックしてみましょう。まずは「お知りおきください」の意味と使う際の注意点についてご紹介です。
意味
「お知りおきください」は、「覚えておいてください」の丁寧な表現。「知っておいてください」「頭の片隅に置いておいてください」という意味があります。主に相手に事前に知っておいてほしいこと・これからも知っておいてほしいことを伝えたいときに使います。
ビジネス等で目上の人には使える?
先述の通り、「お知りおきください」には、「知っておいてください」という意味合いがあります。
「知っておいてください」と同様、「お知りおきください」には一方的な命令形のニュアンスが含まれます。そのため、上から目線のような印象を相手に与える可能性も。社外の人や会社の上司など、目上の人に対して「お知りおきください」を使うことは避けるのが無難でしょう。
また、発音から「お尻置きください」のように感じるため、「ビジネスで使うには適切な表現ではない」として使わないようにしている会社もあるようです。
「ご承知おきください」との違い
「ご承知おきください」は、これから起こることを了解し、そのための準備をしておいてくださいと伝える尊敬表現です。
「知っておいてください」「頭の片隅に置いておいてください」という意味がある「お知りおきください」に対し、単に知るだけではなく了解してほしいという点に違いがあります。
また、「お知りおきください」と同様に、「ご承知おきください」=「知っておいて」と伝えるのは、上から物を言うような印象を与えかねません。そのため、目上の方に使うのは避けたほうが無難でしょう。
「お知りおきください」の使い方を例文でチェック!
続けて、「お知りおきください」の使い方についてご紹介します。実際に「お知りおきください」はどのように使うのか、例文と合わせて押さえておきましょう。
「明日の打ち合わせには、部下の山田が同席することをお知りおきください」
「前もって知っておいてほしい」という意味で使われている「お知りおきください」です。記憶にとどめてほしい情報があるときに使うことができます。
「営業時間の関係上、18時以降は電話に出られないことをお知りおきください」
「お知りおきください」は、「今後も覚えておいてほしいこと」に対しても使うことができます。この例文の場合、18時以降電話に出れないのは特定の日付だけでなく今後も変わらないため、「今後も覚えておいてほしい」という意味になります。
「このマンションでは、深夜帯のエレベーターの利用が不可能であることをお知りおきください」
「お知りおきください」は、1対1の場面以外にも、不特定多数の人に向けて周知したいことがあるときにも使うことができます。そのため、社内の共有などビジネス以外にも、地域の回覧板や施設の注意書きといった一度に多くの人が目にするような文書で使われます。
「お知りおきください」の言い換え表現とは?
「お知りおきください」は、覚えておいてほしい情報であればあらゆる情報に対して使うことができます。ただ、情報によっては別の表現が適切なことも。言い換え表現を覚えておくことで、状況に応じてより適切な表現を使い分けることができます。